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2023/12/28 気になるニュース㉒ ダイハツ不正問題

⭕ 自動車メーカー「ダイハツ工業」の不正問題が巷を賑わしています。超簡単にまとめてみました。


① 認証を不正に取得

⭕ 衝突試験での不正だけでなく、排ガスや燃費試験に於いても不正が行われていた。数値や結果を誤魔化したというより「手抜き」と言ったほうがしっくり来る。

自動車メーカーのダイハツ工業は、国の認証取得の不正問題で新たに174件の不正が見つかったと発表し、国内外のすべての車種で出荷の停止を決めました。一連の不正について、奥平総一郎社長は記者会見で「お客様の信頼を裏切ることとなりおわび申し上げます」と述べて陳謝しました。
ダイハツ工業では、ことし4月、海外向けの乗用車の衝突試験で不正が発覚し、その後、国内向けの車種でも国の認証を不正に取得していたことが明らかになっています。

会社は20日、第三者委員会によるその後の調査で、新たに25の試験項目で174件の不正が見つかったことを公表しました。

衝突試験のほかに排ガスや燃費の試験なども含まれ、不正は1989年から確認されたということです。

生産をすでに終了したものも含めて64車種に上っています。
この中には、他社ブランドで販売される車としてトヨタ自動車の22車種、SUBARUの9車種、マツダの2車種が含まれています。

ダイハツは20日、国内外のすべての車種で出荷の停止を決めました。

出典元 NHKWeb 2023/12/20

② 安全性は?補償は?

⭕ 安全性については、発覚した174の不正について一つずつ安全性を再確認した結果、「乗り続けて問題がある事象はなかった」との説明があった。
(記者会見でのダイハツ工業、奥平総一郎社長の発言)

● 現時点で事故や問題が発生したという情報はない(記者会見でのダイハツ工業、奥平総一郎社長の発言)

⭕ 補償は行われない見通し
● 既に購入済みで使用している車両の補償は行われない見通し


③ なぜ不正が起こったのか

⭕ 不正をして結果を出し、バレなければ不正をし続けなければならない泥沼地獄に嵌っていたのでしょう。親会社トヨタ自動車を基準とした納期に間に合わせる為に現場は必死だったに違いありません。

 過度にタイトで硬直的な開発スケジュールによって現場が極度のプレッシャーを受け、「認証試験は合格して当たり前」という環境にあったこと、開発日程に余裕がない中で認証試験を軽視し、不正確な情報を記載してはならないというごく当たり前の感覚を失うほどコンプライアンス意識が希薄化していた

出典元 ダイハツ工業株式会社 第三者委員会調査報告書

第三者委員会からは、不正の真因として、「不正対応の措置を講ずることなく短期開発を推進した経営の問題」などと、ご指摘いただいており、再発防止に向けては、「経営幹部から従業員対する反省と出直しの決意の表明」「硬直的な『短期開発』の開発・認証プロセスの見直し」などの提言をいただいています。

出典元 ダイハツ工業 第三者委員会による調査結果および今後の対応について

④ まとめ

⭕ ここまで大きな影響が出るとは思わなかったのが正直な感想です。20日当日のトヨタ自動車の株価はほぼ横ばいであった為「たまにある事」くらいに思ってましたが、過去に例を見ない不正数と年数、全車種販売停止、全工場停止(1月末迄)と非常に厳しい制裁を受ける事となり、自動車業界、主に部品供給工場は大打撃となる事でしょう。

 工場の操業停止や販売停止が長引くようなら、トヨタ自動車からの何らかの支援が必要になるのではないでしょうか。

トヨタ自動車(7203)

⭕ 当事者の方は大変な状況であると思います。勝手な意見かもしれませんが、見方を変えれば、この機会にダイハツ従業員は「不正をし続けなければならない泥沼地獄」から脱出する事が出来たと言えます。

支援者も多く、創業100年を誇る老舗の復活を期待しています。


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