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素直に気持ちを伝えてみる

去年の秋に日本を出てから、はや半年が経とうとしている。
こちらの生活に段々と慣れていく中で、日本との違いにふと気が付く瞬間があるが、そのひとつに「日本って占いが身近な環境だったよな」という気付きがある。

朝は情報番組で12星座占いが流れ、美容室でパラパラと雑誌をめくると巻末に今月の運勢が載っており、友人との会話では「えー、B型に見えない!」等の会話が交わされる。朝の情報番組に関して言えば、何の気なしにテレビをつけると毎回わが獅子座が最下位や11位とかなので何となくしゃくになりネットで調べたところ、12星座それぞれに順位が低いことを嘆く人がいた。獅子座だけかと思っていたが、案外そうでもないようだ。それだけではなく、なんと星座と順位の統計を取っている人までいた。きっと突き詰めれば奥が深いんだろうが、当たるかどうかは別として、占いはひとつのエンタメなのかもしれない。

とかなんとか言いつつ、わたしは特に占いを信じているわけではないが、行動の指針のひとつとして運勢をチェックすることがある。特に流派にこだわりはないので、「気晴らしになるだろうから」と母が渡してくれた、ゲッターズ飯田の本をよく読んでいる。曰く、今年は「素直に甘えて人に頼る」ことが大事らしい。わたしが最も苦手とするジャンルである。

わたしは人に頼ることが苦手だ。もう少し拡大解釈すると「誘う・何か面倒をお願いする」といったことが、うまくできない。うまくできないというか、そういう気持ちはあるのだけれど、「これをやったら相手に迷惑なんじゃないか、押し付けがましいんじゃないか」と考えてしまい、実際にやろうとするとすごく勇気が要る。言葉を発する前はどきどきするし、人に何か頼む時はクッション言葉を多用しすぎて「じゃあ頼むなよ」となるような文章になることもしばしばである。

だからこそ、積極的に関わろうとしてくれる人の存在はありがたいし、温かい気持ちがまっすぐ届いてとても嬉しくなる。特にこれまでの半年を振り返ると、「一緒にご飯食べよう」と声をかけてくれたり、「これおいしかったからお裾分け」と果物を分けてくれたり、「今度ここ行ってみようよ」と誘ってくれたり、「きっと好きだろうと思って」とかわいい小物をプレゼントしてくれたりする先輩、友人のおかげで充実した日々になった。

そういう温かさに触れているうちに、自分もそうありたいな、と思うようになってきた。共有したいなと思うものや、一緒に何かしたいなと思うことがあったら誘ってみる。その気持ちを素直に表現していくことってとても素敵だし、健康的でいいなあと思う。人に甘えるって、今まで思っていたよりもっとライトなものなのかもしれない。

これまでもらってきた温かさを、今度は自分から伝えていけたらいいな、と思う。


写真は、この前道ばたで見かけたにゃんこです。どこの国でも猫は癒やしです。

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