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俺の読書感想文 #8 カウボーイビバップ Wild Man Blues 著/横手美智子原作/矢立 肇

みんなカウボーイビバップって知ってる?
昨年(2023年)に放映25周年を迎えた大名作アニメだよ。
記念の展示も渋谷でやってて、見に行ったさー!
サントラのレコードのボックスも買っちゃうくらい好きな作品なのだ。

めちゃくちゃスタイリッシュで世界中で人気になったカッコよいアニメなわけ。

監督は渡辺信一郎。音楽は菅野よう子!
音楽もシナリオも演出もカッケーのよ!
(そりゃ今見たら古臭いぞ! でも、新しいのがカッコいいことの条件ってわけでもねーだろ?)

で、今回はそのアニメ、カウボーイビバップのオリジナルノベライズ本だ!

犬に乗られてやばい顔してる褐色っ子が重要な役割!! 後述する!


99年に出てるから、バリバリ当時ものだ!
書いてるのは、脚本としてアニメに参加してる横手美智子だ!
担当したビバップのアニメ回は……
「野良犬のストラット」
「堕天使たちのバラッド」
「ヘヴィ・メタル・クイーン」
「ワルツ・フォー・ヴィーナス」
「闇夜のヘヴィ・ロック」
「ブラック・ドッグ・セレナーデ」
など。こうして各話を思い出してみると、犬とおっさんとか、暗くてジメジメした汚い雰囲気とかの話が多いのな。

ノベライズをアニメ本編のスタッフが書いてると期待しちゃうよね。しかも、放送当時の作品だから、雰囲気とか良いんじゃね?って感じで、読み始めた。

あらすじ(裏表紙より)


西暦2022年の位相差空間ゲート爆発を契機に、人類は生活の場を宇宙へと移すことになった。宇宙規模の犯罪増加につれ、公認の職業となっていた「賞金稼ぎ」であるスパイク・スピーゲル、相棒のジェット・ブラック、元賞金首のフェイ。そして一見ただの犬だが、実は人間顔負けの高い能力を持つらしいコンピューター犬アイン。時にはクールに、そしてしたたかに、イカした奴らが宇宙を駆けめぐる。人気アニメ「カウボーイビバップ」オリジナルノベライズ版、ついに登場!!



読み応えはあった。
アニメだと説明されずに素通りしていく生活インフラとか、通貨とか、諸々のSF的ディテールや、地の文で垣間見えるこの世界の人々の生活感、価値観、常識や歴史的背景なんかの部分はとても興味深く読み進めることができた。良かった。

ただ、話自体は、犬が攫われてそれを取り戻しに行くっていう、地味で、「野良犬のストラット」とかアニメ本編で見たことあるような展開だし、出てくる脇役はホームレスの爺さんや、うだつの上がらない冴えないデブな研究者とかしか出てこなくて、まあ地味よ。著者の性癖だろな(偏見)

作者があとがきで述べてるけど、この作品の構成要素は以下のものらしいぞ。

デブ、
酔っぱらい、
ビール、
じじい、
タンカレー、
サッカリン、
煙草、
くちづけ、
ゲロ、
諦め

……他

………マジで、やりたいことやったのかな。あとがきを読む限り、偽り無しで、その通りだもんな。


ブレードランナー(1982年のアメリカ合衆国のSF映画。監督はリドリー・スコット)的な退廃的な雰囲気というか、そんな感じ。そういや、単純にカウボーイビバップのアニメの中にもブレードランナーに寄せた感じの話とか描写とかあるもんね。ま、全体的にそこらへんのSFイメージが色濃く出るよね。
むしろ、映画版より、原作の『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』(原題: Do Androids Dream of Electric Sheep? フィリップ・K・ディック 1968年)に近いかな。

主人公のスパイクやジェットなんかの男どもはずっと誰かしらに煮湯を飲まされているし、紅一点のフェイも悪女的な立ち振る舞いで行ったり来たりするステレオタイプな不二子ちゃん的な役目だし、
犬のアインは捕まっちゃってるし、表紙に描かれてるコメディリリーフ的役割の多いエド(犬に乗られてやばい顔してる褐色っ子)は……なんと出てこねー!

表紙詐欺じゃねえの、登場しないキャラを表紙に描くなよ笑

まったく、驚いちゃうね。

エドが仲間になってないってことはアニメ的に言えば、第9話『ジャミング・ウィズ・エドワード』より前の話ってことだ!
なるほど、確かにフェイと男どもがギスギスしてるっちゅうか、仲間の感覚が薄い(アニメが進めば仲良くなるかっていうとそうでもないが)そんな頃なんだな。
エドがいなくて、ふにゃふにゃしたやりとりがないから、地味さがどんどん煮詰まって濃くなってんのよ。
コンピュータ犬のアインとアホな子だけど天才ハッカーのエドは相思相愛の良いコンビなのに、片方が出てこないって勿体なさすぎるよ!
いや、なんか事情があったんだろな。1999年の作品だし、なんならエドってキャラが出来上がるから小説の企画がスタートしてたのかもしれんし、そこらへんの事情はぜひ、詳しい方に聞いてみたい。
絶対エドが出てきた方がいいと思っちゃうもん。



で、これね。
俺の読書感想文は2024年に読んだ本について、感想文を書いてるんだけど、読み終わって気づいたのは、俺、これ、読んだことあったわ!
ってこと。読んだこと忘れて、また買って読んだんだな!
あほじゃん!

だって、読み始めは全然気づかないんだもんな。
終盤で、
あれ? この展開、なんか先のほうまで「読める」んだけど?
ってなったんだよ。
終盤の研究所に全員集合してゴタゴタバタバタしてるらへんで、次はこうなるんだよな? ……なった。
ってことは、次の展開はそうなるか? ……あ、思ったとおりだ。ふむふむ、なるほど。
うん、これ、読んだことあるわ!

ってさ!!

みんなはこんな経験ない?

映画好きの人なんかは映画でコレやっちゃうみたいね。
TSUTAYAとかで週末とかに、今週は10作借りても1000円だから、見たことないやつもチャレンジしてみよー。ってカゴにDVDをじゃんじゃん入れて、お会計して、あ、11本を借りちゃった。まあ10本以上は、ひと作品100円だからいいか。とか言って家に帰ってプレステ2(薄型)の電源入れて、ディスク入れて、見始めて1時間。
あれ?
この展開なんか見覚えのあるぞ?
うぬぬ?

みたいな記憶ない?
(描写は2000年代初頭をイメージしました、どーでもええわ)

めちゃくちゃ記憶に残るような作品なら、一回見ただけでバシッと脳みそに焼き付くけど、まあまあな作品って忘れちゃうよね。
ってことで、俺にとって、今回のノベライズのこの作品はまあまあな作品だったってことだ。
でも、まあ中身を忘れて何度でも読んじゃうってことは、好きなんだろうね。
……カウボーイビバップって作品がさ。
ファンは是非、読むべきだね!!

以上!

SEE YOU SPACE COWBOY・・・


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