大学に通う辛さについて

立命館に入学したのは 2014 年だった。着慣れないスーツの所為で小さくなる歩幅で刻むリズムが胸の高鳴りと重なる。憧れの大学生、憧れの立命館大学。これから始まる大学生活に馳せ、口角はもう上がりっ放し。いま聞いたら絶対に面白くない学長の挨拶で句読点の度に頷く私が確かにいた。あれから6 年が経ってしまった。

2019 年 10 月現在。私という人間はまだ大学生をしている。2 年間休学したので実質4回生なのだが、なんというか大学に通うことがとてもしんどい。同期は社会人 2 年目になり、インスタにゴルフなうとストーリーを上げ、「この店の指輪は300 円なのに意外と可愛い」と一緒に爆買いしたあの友人は、給料日に 8 千 円のリングを買った。私のゆうちょは虫の息をなんとか続け、今日も大根だけで腹に許してもらった。ごめんね。私は大学生だから、日本の大学生だから、生活はこんなもんです。

現在立命は全面禁煙が謳われ、唯一ある喫煙所は「卒煙エリア」という名前に変わり、「ここは煙草を吸う場所ではなく、煙草を辞める場所です」と苛が発生する有難いお言葉や、禁煙推進ポスターが貼られまくっている。そこで、煙草に火を点ける。6 年前と変わらないマルボロメンソールの味が目に染みる。火を消して、教室に向かう。最近急に学内の大学生がやたら若く見えるようになった。 とか言って、エレベーターの鏡に映る私もまた子供っぽいんだけど。大学には回顧の素材が至る所に散りばめられていてキツイ。ここは昔喫煙所があったな。学生会館の階段で煙草吸ってた時期あったな。喫煙所同期先輩の不在しかない大学、まるで過去に通っているみたい。絶対に今年で卒業するぞと息せき切って、 今日も出席カードを出す。しかしね、フル単じゃないと卒業できない。フル単! フル単!フレフレ!フル単!葉音がチアリーディングが振るシャカシャカの音 に聞こえる。超えたはずの限界に何度も追いつかれる。どっか行ってほしい。

6 年分の私の記憶が漏れ無く記録されている、私の外付けハードディスク立命館大学衣笠キャンパスを外すその日、どんなに軽くなり、どれほど気持ちいことだろう。2014年の私へ。ごめんね。憧れだった大学は今切り離したくてたまらない場所になった。頑張ります。今日も。フレフレフル単・・。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?