〈特別版〉盆と正月がいっしょに来たよ
このところ、暑い日が続いているうえに台風が上陸したりと、気象が少々厳しい状況にある。
そこで、お盆でもあることから「凡筆堂版 故事ことわざ辞典」の〈特別版〉を緊急編集することにしました。特別版なので、これまでのものとは性格が若干異なりますが、いいかげんさは従来通りなのでご安心ください。
〔解説〕
「盆と正月がいっしょに来たよう」ということわざは、嬉しいことやおめでたいことが重なる様子を例えたり、忙しいことを言ったりしたものだ。
これを、例えではなく事実としたらどうか。
ものごとの意味を説明するには、あたかも現実に起きたように想像してみるともっともわかりやすい。
お正月は1月はじめでお盆は8月なかば。時期をいつにするかは非常に重要な要素だが、紙幅の都合や本項の性格を考慮し、お正月をいまのお盆に持ってきて重ねよう。
〔さらに解説〕
「いやあ、こう暑いとまいっちゃうね。凡子ったらさ、独身最後のお正月だからって、汗だくになって晴れ着で初詣でに行ったよ」
「この盆棚、いいでしょ。昨日の初売りで買ったのよ。定価の半額だから、ご先祖さまもきっと喜んでるわ。うふふ」
「隣んちのおじさんなんかさ、親戚の新盆に出かけたのはいいけどね、炎天下で羽根突きやって、熱中症で病院送りだってさ」
「凡太郎くん、昨日東京から車で山形まで行くのに、初詣でに向かう車に巻き込まれて70キロの渋滞だったってよ」
「いやあ、真夏日に雑煮を食うってのもなかなかオツなもんだね。〝暑い熱い〟って、え、漢字のしゃれ言ってもわかんないよね。あはは。え、おかわり? もういいよ。それより冷や酒と酢ダコほしいね」
「やっだ~。なんでこんな猛暑日にカルタ大会やんのよ~。汗でカルタが濡れてて気持ちワリィ~。ちょっと、あまりこっちへ寄らないでくれません」
「あれれ? せっかく初日の出を拝みに来たのにさ、浜辺で盆踊りやってやがる」
皆さん、楽しいお盆をお過ごしください。
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