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Kpopシーンに現る 次世代の刺客

ダンスのRIIZE・ボーカルのBABYMONSTERということで、老舗事務所のルーキーの飛躍を期待しています。今回は、新人グループにフォーカスしてみますよ。数年後にはどんなアーティストになっているのか今から楽しみです。

新たな風を吹かせた精鋭チーム RIIZE

SMエンタからNCT以来、7年振りとなる新ボーイズグループ「RIIZE」が9月4日にデビュー。一悶着あったSMが新体制を整え、社運を賭けたタイミングで現れた精鋭集団。センター5のwizard production所属でメインプロデューサーは*イサンミン氏。

(*2018年前後以降、NCTのビジュアルディレクションを担っていた1人。自社コンテンツへの出演はこちら)

イサンミン氏について

RIIZEはメンバー全員を見た時に"バランスが良くてまとまり感がある"という印象を受けました。全体的にアスリート集団っぽさもあり体格に恵まれた方も多いからか、どんな服を着ても自然と嵌まる。そして普段のスタイリングはエフォートレスで今っぽい。また、どうやらKドル御用達のサロンではなく主に画報を手掛けてきた所に依頼している点も、従来のアイドルメイクとは一線を画した素材美を活かすグループのコンセプトに忠実だなと思います。

コンセプト激強事務所では久々の王道路線。あばよ、KWANGYA。粒揃いの美形集団でそこら辺にいる訳が無いけれど『概念としての普通』を体現したグループがSMから誕生したことがやや新鮮に映りました。Kpop全体でもNewJeansの登場以降、Y2Kや自然体を売りにするグループが増えたように思えるので、ここからどう差別化していくのかが見ものですね。素人に躍らせる・歌わせる気が皆無なNCT楽曲と比較すると、サウンドやコンセプトに親しみやすさを感じる一方で、先行曲「Siren」では圧倒的なダンススキルを披露してくれました。やっぱり別世界の人たちです。

非公開練習生の詳細情報がまだ不明だったインスタのプロモーション初動時点で公開されたのがダンスの練習動画(こちら)。「ショウタロウのダンススキルやソンチャンの等身バランスが浮かないグループ、凄いね」という感想を抱きました。実のところウォンビンとショウタロウの2人がこの振りを作り、ダンスを現メンバーで踊ったときに「この7人でいこう」とSMが確信を持ったようでした。(ソース源:文明特急の出演回

芸能2世のアンちゃんと蔚山の奇跡ビンさんの巡り合わせ

ジェジェ姐さんといえば、NCT2020のソンチャンとショウタロウのお披露目時にカムバ配信で司会を務めていました。そして3年後、遂に固定グループで帰ってきた2人を、ご自身のコンテンツで出迎えてくれた訳です。時が経つのは早い!

RIIZEは極上のエモ。ショウタロウの持つファッションセンスが標準値になりました。NCT加入当初には色んな声が散見されていたけれど、"出過ぎた杭は打たれない"と証明してきた実力がしっかりと嵌まるように、彼の居場所が見つかったんだなと思えるグループ構成です。何年もグループとして一緒にやってきたような雰囲気が既に形成されている。同調や相槌は少ないけれど、会話が尻切蜻蛉にならない感じで聞きやすい。単に綺麗どころを集めただけではない、コンテンツも伸びるグループに思います。一推しはウンソク様とアントン。笑いの師弟コンビが結構面白い。自分の感性信頼者リストに追加しました。

Memories MV撮影ビハインドより

多拠点生活をしていて、必需品以外は極力買わず音盤は見てから購入の有無を決めるタイプの人間ですが、RIIZEは良いサイズ感且つ制作陣にも興味があったのでCDを2種類購入して隅々まで見てみました。ナチュラルスキンメイク故に顔立ちが分かりやすく、同性人気も高いように思います。

あとは、ソンタロの明るい性格が他のメンバーにも伝染しているなと思う事が多々あります。そんな『楽しむからこそ生まれる余裕感が、その人の魅力を最大限に引き出す』と思うので、これからもRIIZEらしいパフォーマンスが見られたら嬉しいです。

非公開練習生だった3名について抜粋。

ウォンビン

2002年 韓国蔚山出身

変革を牽引する奇才、遂に現る。天性のオーラを持つオールラウンダータイプ。SMエンタの経営をめぐる利権争いでKWANGYA(荒野)状態のときにも「…でもウチにはウォンビンがいる」で乗り切ったのか?と思わせるくらいの逸材を隠していました。自分がKpopに出逢った"第2世代"を思い出させてくれる人でもあります。パフォーマンスはクールで"いつも完璧に決めてくる"のに、冷静なツッコミが中々にシュール。いつか日本公演とかでトークタイムがあれば博多弁を喋っていただきたいね。…なんか需要がありそうだから。

GQ Korea Behind映像より

長髪愛好家として、貴重な襟足長めでのデビューには感謝しています。また、最近の誌面インタビューでは「長年愛されているアイドルは総じて歌が優れている(意訳)」などと仰っており、歌への向上心を持っていて歌手業への理解が深い方だなと感じました。そのあたりも次世代を担うグループの顔として適任だったように思います。なお、Kpopに関心が無く部屋で寛いでる時にインスタのDMキャスティングによってこの道に導かれた人なのに、実力をつけて華々しくデビューしたことが凄いし尊敬します。逆を言えばKpopに染まり切っていなかったからこそ出せる雰囲気なのかもしれない。アーティストになる運命、そんな星の下に生まれてきた人って感じですね。


アントン(チャニョン)

2004年 米国出身

公開される直前にメンバー入りの報道があり、よりグループの注目度を上げた存在。何度か音楽評論番組でユンサン氏を見ていた為、あの人の息子っちかと驚いた。以前はボネクドが属するKOZで練習生をしていたと言われています。作曲をしたかったのが影響しているのでしょうか。SM入社は、引き抜きまたは本人の意思で来たのかは不明。インスタでの初公開時には作曲風景を見せていて、曲の完成度を重視する事務所としては、珍しい周知の仕方で彼の存在を知らしめました。作れることが強みになる時代に迎合できるメンバーがいることを誇示してきたのは、SM的には新しい。

MAMAリハーサル/ダチのKIRIMIちゃんと渋谷散策

歌謡祭典MAMAでは、YOSHIKI大先生およびTXTテヒョンらとコラボステージを行い、ロイヤルファミリーの1人息子感全開でチェロを演奏。楽団で演奏していた経験も相まってとてもお上手でした。年末のMBCでは遂にユンサン氏とのコラボステージがあるようで。(父ちゃんより先にYOSHIKIとコラボ済みはおもろい)囁きボイスで控えめな性格ですが、周りをよく見ているしグループから1人で表に出た時もどこか胆力がある。一芸は万芸に通じますね。



ソヒ

2003年 韓国出身

モンチッチヘアからも分かるように天然の愛嬌を発し、聞くほどに旨みが出てくる万能型メインボーカリスト。ビブラートが細かく伸びやかであり雑味をとった声質。まさに"青春"を体現する歌声の持ち主です。(早くポカリのCMを──)グルーヴ感がありダンスも上手い。噂では練習生期間1年少々とのことですが、センス抜群。「ダンスに振り切った」と思っていたRIIZEでがっつり歌える子、いました。

作画:少年ジャンプと矢沢あい

ドキュメンタリーコンテンツ(RISE&REALIZE)では、KCON LA初ステージに向けた練習が公開されて日頃の練習風景を事細かく見れます。歌いながら踊るのをアカペラでやっていて、その時のソヒちゃんの声量と安定感があり群を抜いて上手かった。SMのメインボーカリストってキンキン声ではなくて柔らかいんですよね。それなのに突き抜けて聞こえてくる。純粋に歌が好きなことが伝わってきて、聴き心地が良いです。NPOPでのカバーはそんなソヒの伸びやかな歌声を堪能できる。SMTOWNでの先輩コラボ…切望してます。また、先日公開されたSuperJunior リョウクさんがSMボーカリストについて解説する動画(※こちら)では親しくなりたい後輩として名を挙げられていました。緊張するような場面であれだけ歌えるのは凄いと。


自負心は音楽で示す

NCT127 'Sticker'とaespa 'Savage'に次ぐ音数の少ない曲を、デビュー曲の次に披露する度胸。洗練されたダンスの振り付けでありながらも、どこか懐かしさを感じるMVセットにお揃いの白衣装。小難しい考察ありきの[作品]というより、等身大の彼らの7つのケミストーリーに重きを置いた青春物語。GAGでは、SM新時代を全面に出して、TalksaxyではEXOの後継みがある懐かしさ。派手な演出は無くとも己の身一つで会場を掌握したMAMAでのパフォーマンスを見て、底力を感じると同時に、今後の活躍が更に楽しみなグループの1つとなりました。既に推し。

インタビュー記事
Nemero TOKYO




名前負けしない怪物新人 BABYMONSTER

YGがぶつけてきた。「新世代の歌唱力トップグループは彼女たち」と断言できます。段違いの歌唱力で韓国歌謡界を揺るがすグループが現れました。サバイバル番組と称したプレデビューのコンテンツを事前にYouTube上で配信したことから登録者も鰻登り。新人なのにメディア露出が少な過ぎますが、既にコアなファンは一定数抱えていそうです。

今の時代、実力があることが人気に直結する訳ではないことは百も承知。それでもグループに2人くらいいれば十分贅沢と言えるレベルのボーカリストが5(4)人もいるグループを世に放ってくれたことが嬉しい。メボ揃いグループ、歌声の層が厚いです。まずは話すより見て頂いた方が話が早いな。いってらっしゃい。

お帰り。凄いよね、美声の畳み掛けが。音の深度が贅沢です。彼女たちの音域を余すことなくキャッチするためにスピーカーを新調しようかと検討しているレベル。ちなみにこのステージは7名での最終ミッション。結局、ベビモンは脱落者が出ることなく7人でデビュー…の予定でしたが中心核のアヒョンが健康上の問題により、6名でデビュー活動をすることに。脱退とはされていないのと続報では含みのある言い方だったので復帰次第、合流の予定かなと。彼女は独学で英語と中国語を習得している15歳で既に確信のセンターでした。それだけに、不在には驚きましたがゆっくり休養に専念して欲しいなと思います。

ベビモンは、最年長のルカを除き『大半が中高生で構成されたグループ』最年少はサバ番放映時13歳、2009年生まれ。“若さを売り“にしているというより、感性の早熟タイプが集まった感じで、このレベルなら早く見せたいよなと事務所に同調する。決して、表現力は幼くない。お金を払って聴かせていただきたいプロの歌手として、完全に仕上がっています。メンバーの練習生期間は約2~5年。ソロ曲ミッションパフォーマンス動画もYouTubeにあがっていますが、もうデビュー5年以上の風格が完成されている。BLACKPINKのデビューステージと同様に“こなれ感”があってYGテイストを感じた。それでも、メンバー確定状態でバンッ!と見せつけるような売り方ではなくてメンバー別に紹介動画もあって、視聴者側に思い入れを持たせてからのデビューは、今の時代らしいなとは思いました。舞台から降りたらまだあどけなさもあって、ステージとのギャップがあります。

さて、美声ソムリエ(自称)としてボーカリスト陣から厳選して以下2名をご紹介。

パリタ(ファリタ)

2005年 タイ出身

アイドゥルのミンニの声が好きな人には絶対刺さるはず。タイの大地が産んだヒーリング効果のあるマイルドな高音ボイス。機械でエフェクトをかけても、ここまで澄み渡る声は生成できないような…。このユニークで綺麗な歌声というのは、まだまだ知られていない世界の珍しい民族楽器を見つけたような感動があります。声は、柔らかいのにか弱くは無く厚さはあり、力まずに優しく高音を歌う技量が半端ない。また、この鼻腔に響かせて鼻から抜ける声の出し方はSMエンタのアーティストに多い歌い方なので、YGでは珍しいタイプにも思います。

タイで開催されたオーディションでたった1人、1226人の中から選ばれ練習生に。ダンボのような耳に長い手足の持ち主でいつも穏やかで明るい。チキタと同じく東南アジアの人材宝庫ぶりには、またも感心させられました。


ラミ(本名:ハラム)

2007年 韓国出身 ※元キッズモデル

メンバー間での愛称だったラミを芸名に。ブルースのソロ歌手のようなボーカリスト。オーディション当時から公表に至るまでの実力の伸び方が半端なくて、トレーナーの指導と本人の吸収力が凄まじかったんだなと思わされました。努力で上り詰めたのに、ステージでは影の努力が見えてこないところがプロ。デビューまでに、ここまで完成度を高められるのに、未知数の15(16)歳。

特に個人ミッション曲の『Pick Up Your Feelings』で彼女の技量と声質の良さを正面から思いっきり浴びました。選曲も渋すぎる。欧米育ちで現地の空気感とか知っているならまだしも韓国の子で、この情景が浮かんでくるような歌い方を習得されている異次元の上手さは何なのか…。ヤンサ氏の言う通り無敵のボーカリストです。緩急の使い方が格別に上手く、難曲を歌いこなせてしまうので審査員側がもうお客さん状態でしたね。


何をやっても勝てる声質揃い

RIIZE「TalkSaxy」と同じく2世代を彷彿とさせる懐かしさ満載のMVでデビュー。彼女たちも若さが話題且つネックにもなると見られるだけに、おしゃれ洋楽系ではなく懐古厨を味方に付けるコンセプトで攻めたのは考えたのかな。今のKpopでの流行の曲調を踏襲していなかったり、曲のインパクトは弱いものの「この歌声が聴けるっていい」で満足する層を抱えられるのはやはり強いなと感じました。歌が下手だと成立しない系の楽曲。半分願望混じりだけど、メボがリムジンサービスに出演して話題になる未来が見える。歌声が楽器の1つとして構成されていることで音の満足度が高くなるって素晴らしいですよね。

持論ですが、低音域のボーカルの曲を歌ったときに歌唱レベルは顕著に現れると思っています。高音は張り上げて誤魔化しが利くものの、低い声の場合は、余裕が無いと「歌いこなす」のは難しいので。だから歌が上手い人が地声よりやや低い声で歌ったとき、テクニックが分かりやすい。ベビモンのボーカリストたちは、不安定になりがちな低音の発声からの基礎が身に付いているので、どの曲をカバーしても自分の色に染められるのかもしれないですね。

高低音ボイスの日本出身ラッパー組、アヒョンのビブラートとハラムのハスキーボイス、ローラの低音、パリタのエッジボイス、チキタのまっすぐで邪念の無い声というボーカルバランスがあまりにも良かったので7人で揃う日が待ち遠しい。

サバ番ラストのパフォーマンスやプレデビュー曲を聴いただけでも彼女たちの努力の過程が見えてくる。実力があるというのは不変のファンサですね。長い練習生生活の終わりに自分たちだけの曲を歌える喜びも伝わってきます。映画のクライマックスのような多幸感でラストを飾ってくれました。

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ELLE



逸材現る NCT NEW TEAM

NCT NEW TEAM(別称:NCT東京)はNCT結成当初から構想があり、2018年頃から東京向けの練習生を募っていたと言われています。あまりにも音沙汰がなかったのと、ハリウッドやサウジアラビア拠点グループを作ると言っていただけに計画が頓挫したのか?と思っていた。そんな中、2022年「WWD Korea」で誌面を飾る形での公開となったルキズ3名とソンタロでほぼメンバー確定かと思いきや今春に、またも計画が大きく変わったと見られるニュースが飛び込んできました。(※Numeroのソンチャンの発言により、実際には年明けに別グルの話が伝えられていた模様)

NCTを脱退する形でRIIZE組として再デビューを果たしたソンチャン・ショウタロウの2名。話題性はRIIZEが搔っ攫っている状態の中、深夜帯に日本の一部地上波・Huluにて『LASTART』の配信がスタート。「ここに参加する練習生は気苦労が多くなりそう」とか「候補生を総入れ替えしてまでNCTの枠組みでやる必要性とは」という気持ちはあって、それは運営に対する不信感と練習生への不誠実さからの批判。ただ、決まったからには名前も顔も公にして頑張る練習生の皆さんを見てみようということで全話すべて視聴しました。

売る気があるのか無いのか分からないプロモーションにサバイバル感は皆無の番組構成。SM愛が強くないとこんなド深夜に見る人はいないぞ…というツッコミどころは満載。やはり普通だったらフツウなものしか生まれないですよね、ぶっ飛んだ発想があるからこそ、SMは特異の魅力があるのかもと無理やりポジティブに捉え始めたりしていました。

一番気になっていた練習方法などの手の内はあまり見せず、回数を重ねるごとにいつの間にか練習生とルキズ組との実力差が埋まりつつあり…もちろんドラマな展開・描き方などありません。一視聴者としても誰がメンバー入りをするのかなんとなく読める感じではありました。それ故豪華なメンター陣を見るのが目的になっていた中「ボーカルの層が足りない」というSM過ぎる理由で途中参加のメンバーが現れまして。(もはや何でもありだな)

それが、デヨン。

番組中にメインボーカリストを務めていて尺も取れていたジョンミン*が、沢山泣いていてプレッシャーを感じていたのは明白で。どこか葛藤しているようにも見えてはいたので、彼のことを案じてメンバー入り前提としてデヨンは参加の形になったのかなと今となってはそう思います。

*プレデビュー時に7人のメンバーの一人として選ばれ、メインボーカリストを務めていた韓国人メンバー。NCT NATION不参加後、正式に脱退が発表。

ジョンミンについて補足


デヨン

2005年 韓国大邱出身

「Why?」が初ステージ。この日本語版でメインボーカルに加えてラップまで務める。いや、こっちがWhy状態。他のメンバーが初回にペアで披露したステージを1人で披露。初めてのステージとは思えない落ち着き具合です。終始、拳に汗を握るようにして見守っていたメンター陣もこの表情。聴き入ってる。

ジニョン先生の目まで閉じさせる

彼がスカウトかオーディション組出身なのかは不明ですが、大半のメンバーがこの1年で集められた中でも圧倒的なボーカルスキルで存在感を放っていました。練習生3ヶ月でこのLASTARTに途中参加し、すでに日本語もかなりの上級者。敬語の使い分けからイントネーションまで完璧です。アーティスト像としてはEXOベッキョンに近いものがあって、NCT内ではドヨンペンに人気が出そうな気がしています。


リク

2003年 福井県出身

日本出身メンバーの中でリーダー格のラッパー リク。実力はもちろんのこと、番組中は終始目付きが鋭く緊張感を漂わせていて、"NCTメンバーに選ばれるための準備ができている人"という印象を抱いていました。シオンとも仲が良いので性格面でもメンバー入りを有力視してましたが最終的に1位で選出。今はシオンとルームメイトのようでコンテンツ内では感謝の言葉を述べていました。マークと同じく声に癖があるのでパフォーマンスで場をリードしていく立場になりそうです。話のテンポ感もいいからバラエティにも強そう。また、メディアでは元モーニング娘の高橋愛さんの従兄弟としても話題に。愛さんは何度か仕事現場でお話しした事がありますが物腰が低く気さくな方です。同じく長閑な福井から新たなスターが誕生しました。


シオン

2002年 韓国木浦出身

実家は木浦。スジュのドンへさんと同じ地元で、DMキャスティング出身です。学校がありソウルに行くのは難しいということで何度か断ったものの、最終的にSMのスカウトが地元までカメラテストにやってきたとのことでした。大の動物好きで、実家では牛を飼っているようです。実家が牧場を営んでいるのかな?牛飼い界隈随一の美形。穏やかで寛大な人柄のファンです。立ち姿からどう見てもSM、お顔の系統はジェヒョン。ボーカルやダンスもバランスが良く、極力日本語を使おうという積極性に加えてメンバーをよく労わっている。安定感のあるリーダーです。去年のSMTOWNでは、ウォンビンと一緒にいるところを目撃されておりNCT派生の同じグループでデビューする構想もあったのかな。



NCTの系譜を感じるサウンド

コロナ撃退のMVかと思った。映像のVFX技術は凄いですがUniverseに続き謎の野球部コンセプト。でも音は思っていた以上に良くて、日本市場向けとは言いつつもNCT色は褪せることなく安心するようなプレデビュー曲でした。この曲を聴くと、まだ照りつける太陽が暑くも秋風が心地良かった長居での一夏の想い出、NATIONの情景が浮かびます。


番外編

大手の新人をまとめてみましたが、今年は新設事務所や中小のドルの活躍も目覚ましかったですね。中でもプロデューサーの特性が出ておりグループの個性も頭ひとつ飛び抜けていたのがBOY NEXT DOORとKISS OF LIFEの2組。前者はBlock B出身のZICO、後者はアイドルサバ番に複数出演していたイヘイン氏が手がけています。Neighbors Conに行った際にボネクドのパフォーマンスを見ましたが衣装が可愛く、場の盛り上げ方が上手かったことが印象に残っています。ジェヒョンさんのトークレベルの高さは現場に強いなと感じたり、イハン氏のイケボはやっぱり最高だと聞き入ったり。新人とは思えない安定感は、合同コンに参加する度に、他事務所のファンの心をガッツリ掴みそうだなと思いました。

KISS OF LIFE(以下キオプ)といえば、ナッティ。TWICEを輩出したSIXTEENに出演してから苦節8年。サバ番再挑戦やソロデビューを経て帰ってきてくれました。彼女の持つ憂いの要素が活きる渋さのあるグループでの再デビューは嬉しかったです。ちなみに、自分の今年のKpopベストソングは『Sugarcoat』でした。宇多田ヒカルが好きな人たちに聴かせたらほぼ全員がこの曲にもハマるはず。リリースから1ヶ月後、チャート逆走を展開。耳の肥えた韓国の大衆からしっかり名曲認定されたのも良かったです。また、ベルちゃんとRIIZEアントンによる同い年2世コラボも見たいな。キオプは"大人に一目置かれる"存在になると思います。中堅になった時が一番強いグループだね。


煌めきと混沌 Kpopの未来

ゲームチェンジャーであるサブスクの普及で、音から入ることができるのはとても楽しい。前情報無しにいいと思った音楽を、チェックするという流れで色んなグループを知っていきます。この自分の音楽の枠を広げたという新しい体験ができたとき、とても充足感を得られますね。リスナーとしての経験値が足りないだけで毛嫌いするのは勿体無いので、耳の焦点移動をしながら色んな音を探ると魅力に気付けることもあったり。

エンタメとしての勝ち方の美しさにこだわらず、国策として世界進出を果たしたKpop。正直『進化』はバンタンとブルピンが天井で、もう頭打ちなのでは?と思っている節はあります。飽和状態の中で増え続けるグループ、既存の推しグループと共に追うというのは中々に大変。。だからこそ、パフォーマンスや楽曲の良し悪しで今後の人気は左右されるだろうし、現場が戻ってきたことで"歌える"かどうかに重きを置く層も増えると見ています。生で見て色んなグループを知る入り口となるSMTOWNは、今後も開催し続けてほしい。荒野を経てRIIZEが爆誕し、息を吹き返したSMのことも引き続き見守ろうと思います。


実は先月、初めてSHINeeの単独ライブに行きました。10年以上前からSMTOWNでは会っていて音楽もずっと聴いていたため、自分にとってはなんだか親戚のお兄さんみたいな存在で。15年目の輝きは眩くとも、穏やかな時間が流れていて、Kpop現場の理想郷がそこにはありました。彼らは[30代アイドルグループの在り方]として新しい世界線をまた一つ見せてくれていますね。テミンのGuiltyでは、Kpop産業への警鐘とも捉えることができて彼の持ち合わせている懐疑心こそが、表現の根幹であると思うのと同時に、Kpopはこの先の数年がまた大きな転換期となることを感じ取りました。

一時代を築いたと評されるグループではなくとも、自分たちの感性を信じて一生懸命に作り上げた音楽は残り続ける。音楽を聴く環境や流行り方・楽しみ方が変わっても、そこの評価だけは変わらない気がしています。SHINeeのMMAでのパフォーマンスを鑑賞しながら、目を輝かせていた新世代アーティストの皆さんを見たときに、長く持続する産業であってほしいなと思いました。

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1月からまた海外暮らしにつき聖地巡礼記を更新予定

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