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小満の候

今日は立夏の次の節気、小満だそうで。

小満(しょうまん)は、
ほぼ満つるとき、つまりいろんなものがだいたい満ちてくる、という意味なんだとか。

それを聞いても、立春とか夏至とか、そういうメジャーなのよりちょっと知らない人も多いのではないかと思う。

でもこの二十四節気の意味とその頃の季節の様子を季節が巡る毎に照らし合わせると

昔の人は本当に、自然の事、周りで起きる物事をよく見てよく聞きよく考えて、言葉を選んできたのではないかとしみじみと感じる。

小満は、
枯れ枝のようだった木々の緑が満ち、渇いていた空気や土が湿り気を帯び、花が咲き実が結び満ちたりてくる時期だという。

たしかに。

沖縄ではこの小満と、その次の節気、芒種(ぼうしゅ)を合わせた小満芒種(すーまんぼーすー)という時期が
だいたい梅雨の時期になるらしい。

たしかに、沖縄は梅雨入りをしたと聞いた。

この季節の巡りに心を向けると、月の満ち欠けのように繰り返されるこの自然の営みに、自分の生活を沿わせること、大きな流れの中で自然の力を取り入れて暮らしていくことが、先人たちの知恵なんだろうと

なんだかぼやけた生活を送りがちな私でも、なんとなく理解できる。

そしてその知恵や、自然に目を向けられたまなざしが、やはりあたたかく慈愛に満ちているような、そんな気がするのだ。

人の気持ちなど御構い無しに自分の主張を叫び続けるひと、自分の怒りや憎しみを人にぶつけて満足している人間の浅ましいことが

少しはどうでもよくなってくる。

そんなわけで季節はまた少し進んでいく。

満ちた緑や実りに元気を分けてもらって、この小満の時期を過ごしたいと思う。

こんなとき少しお話できたらと思ったりする 雨の音する  民生 うたの日2018年5月10日『自由詠』

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