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クルーの日常生活 新人訓練 インダクショントレーニング

私が入社した頃は、インダクショントレーニングと呼ばれる新人訓練は6週間ありました。
先ずは2週間のインフライトサービス。機内サービスのことですね。
モックアップと呼ばれる、機内の模型を使用したサービス実習に座学、女性にはメークアップのレッスンもありました。
新人の頃の制服は伝統的に赤と決まっていて、制服にも映える濃いめのメークが推奨されます。
マニキュアの色も真っ赤が最も推奨されるのは日本人の私にとってかなり衝撃的なことでした。
爪は短く切るか、マニキュアをつけるか!爪の上の白い部分をカバーするように指導されました。

最初の2週間の機内サービスが終わると、4週間のSafety training です。
入社時、新人はまず747ジャンボ機への乗務が決まっていたので、飛行機の構造について、機内での備品の扱い、緊急時の誘導、救命救助、応急処置などさまざまなことを学びました。
勿論全てが英語によるトレーニングです。
配布されたマニュアルがハイライトと付箋でかなりカラフルに!
何度も何度も読み返して覚えました。
項目ごとのテストもひとつづつパスしていかなくてはならないのでとてもキツイ訓練でした。

中でも一番思い出すのは、ホテルの部屋のドアを使っての非常時のドアの開閉オペレーションの練習です。
決められたコマンドを大きな声でクリアに、与えられたシチュエーション通りに乗客を的確に誘導できるか?避難時に必要な備品を持って飛行機から脱出したかなど何度も何度も同期と訓練しました。
その甲斐あって私たちのクラスはみんな無事にトレーニングを終えることができましたが、3つ前のクラスで数人の脱落者が出ました。
こんな情報を聞くと本当に動揺するんですよ。

訓練が終わってもホッとしていられませんね!
そうです、いよいよクルーとしてのフライトライフが始まります。

続きます。


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