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かやぶきの家 まねきや

茅葺屋根の家は、武家政治時代に流行った瓦屋根は農家住宅では禁止された為、農家住宅の代表例らしい。

北海道には、150年の歴史しかなく、といっても文明の話ってことかな。アイヌやその他にもいたらしいし。とりあえず、日本の歴史にはない。ということは、本州で当たり前の茅葺屋根は入ってきていなかった。

アイヌの建てる『チセ』という建物にも茅葺屋根を使用しているが、どうやら施工方法が少し違うらしい。見た目としても日本古来のものは、屋根が一体化して見え、段差などはないものがほとんどだが、アイヌのチセは屋根が段々になっているものが多い。

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そんな北海道には珍しい茅葺屋根の家。函館市の隣町にある北斗市という新幹線の駅近くにある建物。

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明治43年建築の農家住宅。こちらを受け継ぐことになった。上の写真は受け継いだ当時で、よく見てもらうと分かる通り、下半分の屋根がとても傷んでいる。また、北海道に職人もいないことから茅を採って直すこともできない為、屋根の先端部にはゴザが突っ込まれている状態だった。

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↑2020年8月

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↑2021年8月

これを仲間と一緒に修復している。その仲間の数人がこの建物を『放課後児童クラブ かやぶきの家 まねきや』として運営してくれている。放課後クラブなので、基本は小学生以上の子供たちが学校が終わってから通う。それは、『学童保育』なんじゃないの?となるが、学童保育としては、市とのやりとりが必要で色々制限があるようだ。ここは、函館市、七飯町、北斗市の子供たちが通う。色んなところから来たい子が来たっていいじゃないか、ということだ。なので、親の留守中に子供を預けるというよりは、ここのスクールに通わしているような感覚だろう。

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暑い時は川や海で遊び、寒い時は雪の中で転がって遊ぶ。まさに『子供は風の子』だ。他にもこの施設で畑を借りており、そちらで作物も育てている。皆で世話をし収穫をする。時には近くの農家さんから手伝いの話がくればそちらにも行く。外で遊ぶだけでもなく、宿題は当然するし、ピアノの先生が来たり、英会話もある。また、羊毛フェルトの作家さんが来て、刈り取ったばかりの汚物まみれの羊毛をきれいにし、『羊毛を使った羊』が素晴らしい!自分もクリスマスに子供達がもらった。

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普通にはなかなか体験できないことが写真だけでも分かってもらえると思う。『自然とともにある』ということをとても感じるし、既製品まみれの世の中で原材料から成っていることを体感できる。教科書で目で見るだけじゃなく、手に触れて、羊の臭い匂いも感じる。これは、圧倒的な体験になる!

この経験や体験をした子供達がこの文明社会でどんどんとIT化されていく中、なにを考え、思い、成長していくのかが楽しみだ。絶対今後の世の中に必要な存在になると思う。

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茅葺屋根の修復も子供達が手伝ってくれた。今後も楽しみながら見守っていこう。

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