終わる世界に君がいる《短編小説》【プロローグ】

拝啓
終わる世界に残る君に
君が植物状態になってから5年今世界は異常気象が原因で住むことが出来なくなりました君は冷凍保存されています、君のそばにこの手紙を置いて僕は君のそばから離れて行こうとしているこの世界には君以外にも生きたまま置いてかれる人はいるでも生き続けることができるのはきっと君だけだ、君が目覚めるのは恐らく世界から僕らが消えてから50年後くらいになると主治医は言っていたもし50年後地球が残っていたら必ず君を迎えに行くそれまで待っててね僕が必ず迎えに行くからそれまで生きて待っててね
君を愛する僕より

世界が滅んでからはや50年がたった人間の化学技術は進歩し新たな星で平穏に生活することができるようになったまた、この新たな星の成分から不老の技術を手に入れたそんな僕も君を迎えに行くと手紙の書き置きをしてから必死に勉強しロケットを作ったそして今日君の元に行く
「本当に行くの?お兄ちゃん?」
「あぁ彼女が待ってる」
「私を置いてくの?私の家族はお兄ちゃんだけなんだよ?1人にしないでよ」
50年前生まれたばかりの妹を僕に預けて両親は地球に残ったロケットの定員オーバーだった僕に妹を預ける両親は「仕方がないことなんだ」と僕に言うと姿を消した当然妹は両親の記憶はない、そんな妹を1人で育ててきた僕は妹にとっての唯一の肉親だった
「大丈夫だよ彩必ず生きて帰ってくる」
「ほんとに?」
泣きながら問いかけて来る妹に罪悪感が芽生えた
最初から戻る気はなかったいや、戻ることが出来ないことはわかっていたもう終わりを迎えた世界からもう一度この星に戻る術はないのだ
「あぁ約束する」
「わかった行ってらっしゃい!」
「あぁ」
僕は妹に手を振るとロケットへと歩いた
彩お前のことは俺の唯一の友達、圭に頼んでるから上手くやるんだぞ。圭、妹を頼むぞ
僕は頬を伝う暖かいものを拭うとロケットに乗り込んだここから僕は3年かけて地球に行くもう一度君に会うために…


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