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【読書会】22/03/21(月)#126読書会レジュメ

おはようございます。3月22日(火)6:48です。今朝は、昨日clubhouse内でのオンライン読書会#126で掲示したレジュメを、まずUpします。使用したテキストは、長田弘さんの『読書からはじまる』(ちくま文庫)の「はじめに」と、「1 本はもう一人の友人」でした。

本著は、長田さんの行った講演を基に起筆されたものとのことです。読書会の感想については、稿を改めたいと考えています。

目次

はじめに
1.本はもう一人の友人
2.読書のための椅子
3.言葉を結ぶもの
4.子どもの本のちから
5.共通の大切な記憶
6.今、求められること
7.読書する生き物
8.失いたくない言葉
あとがき
解説(池澤春菜)

はじめに

①むしろ今日、読書という問題をめぐって揺らいでいるのは、本というものに対する考え方です。

②本というのは「本という考え方」です(略)本についてのいちばん重要なことは、本は「本という考え方」をつくってきたものであるということ。私はそう考えています。

③本を読むということは(略)本という一つの世界のつくり方を学ぶということです。

④「本という考え方」を人びとのあいだにそだて、言葉をのこす「本の文化」というものをささえてきたのは、、ここにある言葉を、ここにいないひとに手わたすことができるようにするということです。

⑤本の大事なありようのもう一つは、じつは「読まない本」の大切さです。

⑥いい本というのは、そのなかに「いい時間」があるような本です。

⑦今日、揺らいでいるのは、本のあり方なのではありません。揺らいでいるのは、本というものに対するわたしたちの考え方であり、「本という考え方」が揺らぐとき、揺らぐのは、人と人を結び、時代と時代を結ぶものとしての、言葉のちからです。

1.本はもう一人の友人

①友人とはどういうものか(略)「ずっとつづく」ということ。

②自分のうちにずっとつづくものをもっているかどうかで、ひとの生き方もまた、やっぱり違ってきます。

③ところが、時代が新しくなって、本の世界は誰にも近しいものになったはずなのに、近代になればなるほど、逆に、友人を発見するちからは落ちてくるのです。

④人びとが本を読まない時代に、人びとのあいだに失われるのは、友人を見つける能力です。

⑤本を通して、本に書かれていないものを想像するちから、あるいはその本によって表されているものではないものを考えるちからを、わたしたちは長い間、本から得てきたのだったからです。

⑥今日、わたしたちの社会がぶつかっている問題は、書かれていないものを必要とする考え方をなくしてしまったことに起因している、そのためにとまどってるように思われるのです。

⑦本を表現の道具やメディアの媒体にすぎないとしてしまうと、長い歴史をかけて、本がわたしたちのあいだに生みだし、もたらしてきているものが何か、見えなくなってしまいます。

⑧今日、人間がもっているいちばんの危険は、人間が偉いのだと思いすぎていることかもしれません(略)「ずっとある」ものに対する想像力が、今はなんだかひどく削がれているように思います。

⑨始まりがあって終りがあるのが本です(略)人間の生き方そのものです。

⑩本がひとの人生のありようをうがつのは、本はひとの記憶をつくるものであるからです。

⑪自分では見えないものを背負って生きているのが、人間です。

⑫人間が自分の見えないものを見る方法として本というものを必要としている(略)

⑬言葉を不断に更新してゆくというのが、本の文化の育んできたちからです。

⑭本の文化は、日常にないものをつくってきた文化ではないのです(略)そういうどこにでもあるものを自分が読むことによって、あるいは自分が書くことによって、特別なものにしてゆくという方法としてのメディアだったためです。

⑮本というのは、ただほんというだけではありません。本という文化を育んできた人間が、そこにいる。本のあるところ、つねに人間がいる(略)本というのは、そこに書いてあるものを理解するというだけのものではありません。

⑯本の文化を成り立たせてきたのは、じつは、この忘れるちからです(略)忘れてしまえるというのが、本のもっているもっとも優れたちからです(略)忘れるがゆえにもう一回読むことができる。そのように再読できるというのが、本のもっているちからです(略)本というのは読み終わったら終わりではないのです。

⑰再読は、忘却とのたたかい方でもあれば、必要な言葉を自分にとりもどす方法でもあるのです。

        *       *       *

以上で、だいたいA4でプリントして2枚くらいになりました。これをご覧いただきながら、種々語り合いましたが、その感想については別途起筆します。ご覧くださり、ありがとうございました。それではまた!



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