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まともじゃないのは君も一緒 極私的批評

まともな映画レビューじゃないです。個人的な思考整理+エッセイなので肌に合わなそ・・・。と感じたらGO.BACK.ネタバレ無しですけど、気になる方は鑑賞後にお読みいただけますと幸いです。

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「好きなタイプっていますか?」

「特に無いけど、好きになった人がタイプかな」

「えーそれずるいー」

何度このやりとりが交わされたことだろうか。仲良くなるきっかけの会話の糸口としてはスムーズに出てくる言葉だろう。皆さんはどうですか。ありますかタイプ。僕はありません。強いて言えば、「日常から哲学や教訓を見つけ出したり、そんな議論を楽しめる関係性を持てる人」かもしれない。でも逆に女の子の口から上記のような事言われたら面喰っちゃうなたぶん。「うわーこの人めんどくさそー」って。でもルックスが好みだったりすると、そんな事も気にならなくなったりだから不思議だ。あ。でもやっぱ違う!書いてて閃いた!「好奇心旺盛でなんにでも興味を持てる子がタイプ」かも! 「他愛のない毎日を愛せる人」うーーんなんか字にすると胡散臭いなー。つーか一言で言えないからこの話おしまい!

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顔のタイプならクリステンスチュワート。

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王道の橋本環奈も好き。非日本人顔が好き。

まあとにかく恋愛にルールないよねって話。好きになったらもう終わり。全神経がその人に向く。進撃の巨人の座標の力みたいな感じで細胞全部が好きな人の好きな人になるべく総結集していいなりになる、あの血のざわつく感じ。たまんないんだよな。「いまじぶんはなんて無力なんだろう」好きという感情に取りつかれるのは天国と地獄。ノーコントロールだ。制御できない。

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あらすじ

主人公は、コミュニケーションが苦手だけれど“普通”に結婚願望のある予備校講師・大野康臣(成田)と、恋愛雑学だけは豊富な教え子・秋本香住(清原)。コミュニケーションのすれ違いや距離感のズレ、不器用さを毒気とコミカルさを交えて描かれる。

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まず本作。賛否両論だと思います。僕は賛です。くっっっっっxtぅttぅtぅtぅっそ好き。マジで好き。超好みでした。ビリーワイルダーから続くスクリューボールコメディ風なんだけど、(風だよ?ここ重要)風刺も効いてて、おとぎ話感と現代のリアル感のバランスが良かった点でした。人間のいい部分も悪い部分も全てが愛しいな。と思えるキャラクターの描き方。悪く言えば八方美人な設定・話運びも含めて僕は好き。そして清原果耶さん超キュートなのね。男性の観客は絶対きゅんきゅんしてたと思うぜ。あるシーンで大声を出す場面があるんだけど自分も脳内で絶叫だった。そんで成田凌ね。ジョーカーのホアキンかと思ったよ。まじで。大げさじゃない。笑い方やべー奴って大体やべーからね。スマホを落としただけなのに2のクレイジー風(わかるね?)なだけだった演技がいい形でハマっていた。いいぞ成田!中東の金持ちと結婚して地位名誉財産ルックスとこの世の全てを手に入れろ!

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まともになるため成田は生徒である清原のいいなりわんちゃんになって、どんどん生まれ変わっていく。ロボットみたいにあらゆる事がぎこちない成田が段々と、洗練されていくのはとても見ていて清々しかった。変化は進化だ。女子高生と予備校講師のフレッシュな設定だし、二人の会話も全く噛み合わないのだけれど、どこか老成した夫婦のような空気感・ムードが二人にあって不思議だったなあ。フィーリングがばっちりだったのかな。

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結局はそれが一番って事かも。

空気感

人間関係という答えのない宇宙で息を繋いでいくのに必要なのはこの「空気感」ってやつがキーかもしれない。ちょっと前に流行ったKYという言葉。もう古語。でも日本ではまじで必須科目。授業カリキュラムに入れたほうがいいんじゃないかな。

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未来の高校生たち

「あー五限だりー。おまえ次の授業なに?」

「えっとね・・・【対人関係】かな。対ヒトにおける空気感についての小論文」

「まじか地獄じゃん。俺は【恋愛】だよ」

「やば!!!お前の方が地獄じゃん!」

「課題の【異性への効果的なアプローチ】のレポートとかまじでやってらんねー。世界終わんねーかな」

「つーかなんで俺たちAIに【円滑な交友関係を築く為の印象操作】とか教わらなきゃいけねんだ」

「つまり?」

「・・・世界終わんねーかな?」

「ははは、うける」

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一緒にいて落ち着くってだいじ。それが本質で恋愛の全てかもしれない。いや側面を暴いたに過ぎないか。恋愛という多面体はほぼ新球体状で無数の側面を携えている。だからみんな答えを求めて追求し続けて生きている。愛が知りたい、愛されたい。愛に神秘性を見出したり、愛によって命を絶ったり、を永遠と繰り返していくのだろうか。SF小説「幼年期の終り」のように恋愛もいつか滅び、人類も次のフェーズに移行するのだろうか。未来は分からない。でも目の前のあなたの事を知りたい。それが恋心ってやつなのか。だれも解いていない恋愛の答えはきっと人それぞれ。自分で見つけるしかない。

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あと本作パンフ可愛いです。なぜ森なのかは本編を見てからのお楽しみ。前田弘ニ監督インタビュー、森直人寄稿、音楽担当関口シンゴインタビュー(超劇伴ナイスでした)主題歌チャームパークインタビュー、脚本プロデューサー陣監督のトーク集となんやかんやが付いて900円。裏面のイラストもキュートだけど買って欲しいから敢えて載せない!

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恋に落ちていますか?あなたは既に誰かの思い人ですか?好きな人に好きな人がいるかどうか知ることが出来る魔法があったら使いたいと思いますか?

みんな誰かの思い人になれますように。まともな二人じゃなくてもいいから。まともなんて普通なんて実はどこにもないのだから。二人が良ければ結婚してなくても、内縁の関係でも、付き合ってなくても、それでいいんだよ。でも、でもね、

って言うんなら話は別なんだ。




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