香川の本屋を「お遍路さん」してきた話
「四国中の本屋を巡ってやる!」と決めたとき、
「まるでお遍路さんじゃないか」と、ニヤニヤ。
「本屋を巡るお遍路旅」…最高じゃないか。
「巡る・集める・くまなく回る」ことに興奮する私のような人間には「四国八十八か所お遍路の旅」は憧れの大冒険。パンパンに膨れ上がった私の煩悩コレクションは、いつか四国の大地で払い清める必要がある。
それを本屋巡りと掛け合わせることができちゃうなんて!と、一人、勝手に興奮していたら…。
なんと!!あるじゃないか!!!
『香川BOOK遍路MAP』!!
全国の同士よ、煩悩の塊どもよ、集え!!
今すぐ香川で悟りを開け!!
こちらのMAPでは、香川県中の魅力あふれる本屋さんや、本にまつわる場所の紹介がされている。高松駅中心街から、直島、男木島、小豆島といった瀬戸内海の島々まで、香川県中の本の情報が網羅されているのだ。
高松駅中心街にぐっと寄せて見ると、近い範囲にたくさんの本にまつわる場所があることが分かる。世の本(屋)好きのみなさん、この街で過ごす素敵な一日を想像して頂きたい。高松駅に降り、欲望のまま本屋をハシゴして、合間に讃岐うどんを食べたっていい…。嗚呼…煩悩…。
お遍路では「煩悩を払い清める」と言うが、香川のBOOK遍路においては、「本」の「脳」と書いて「本脳にまみれる」ことができるわけだ。最高じゃないか。ボンノウ上等だ。
こちらのMAPを作られた方々のnoteを、勝手に紹介&引用させていただく。
このMAPを広げながら高松の街を歩いたら、もう、まさにこの引用文の通りの旅になったのだ。実際に、ふたつのお店を巡ることができた。
心を贈る絵本屋 Atelier Lotta
MAPで見つけて初めて知った、絵本屋のアトリエロッタさん。子どもたちを連れて寄ってみた。
明るい店内、壁一面の絵本がとても素敵だった。四国にまつわる絵本を紹介していただいたり、我々の地元愛知県の話をさせていただいたり。とにかく、初めて訪れたにも関わらず、店主さんが気さくにたくさんお話をしてくださったのが、とても嬉しかった。
居心地が良く、温かかった。「心を贈る絵本屋」とは、まさに店主さんの在り方そのものなのだろうと思った。最後には店主さんに、エレベーターまで見送っていただいてしまった。なんということだろう。
本屋ルヌガンガ
一度お邪魔してみたかった、新刊書店の本屋ルヌガンガさん。名古屋にいるうちから勝手に憧れてしまっていたもんだから、入店するのに緊張していた。
言葉ではうまく言い表せないが、店内の雰囲気がとても素敵だった。そして私にとって、面白そうと思える本がたくさんあった。ついついたくさん買ってしまった。
何も考えず、何気なく投稿したこのポスト。
勇気を出して店主さんに話し掛けると、なんと、このポストを覚えていてくださっていた。「本屋をいつかやりたい」と書いた私のプロフィールを見ていただいたからかは定かではないが、本屋開業についてのお話や質問を、仕事の手を止めて、随分長い時間させていただいた。
しかし勝手にド緊張していた私は、あたふたあたふた、よくわからないことばかり質問してしまっていた。本屋を始めてもいないので緊張することさえ烏滸がましい気がするが…もう少し実力がついた頃に、もう一度お邪魔したいと思った。頑張ろうと思えた滞在であった。
ちなみに、提供されているコーヒーの仕入先が私の自宅の近くのお店で、驚いた。せっかくなので、先日、そちらにも行ってきた。勝手に繋がりを感じてしまっている。
というわけで、もう一度さっきの引用を。
店主さんと出会い、お話をさせていただき、心が暖かくなったり、頑張ろうと刺激をいただいたりと、まさにこの香川BOOK遍路MAPに込められた願いの通りの経験をすることになったのだ。
なんて素敵なMAPなのだろう。香川にとどまらず、全国でもこのようなMAPが生まてくれたら、本屋好きとしては、とても嬉しい。
ぜひ本(屋)好きのみなさん、この地図を片手に、本屋を目指して香川を旅してみてはいかがでしょうか。
これまで四回にわたって四国の本屋巡りの記録を書いた。
ほんのほんのごく一部ではあるが、四国じゅうの本屋を目指して旅をし、店主さんを中心とする人に出会い、本を通じて交流をすることで、多くのことを感じてきた。私にとっては最高の旅になった。
香川BOOK遍路MAPに込められた願いを、香川県内だけではなく、四国じゅうで体験したことになる。もうこれは立派な「四国数カ所 本屋お遍路の旅」である。
こんな素敵な願いを、四国だけにとどまらせておく必要はないのかもしれない。日本中の本屋で、ドカドカと出会いと出合いと交流が生まれればいい。
本屋の実店舗の消滅が止まらない現代において、なぜネット書店ではなく、実店舗が必要なのかという答えがここにあるのだと思う。
そしてそれは、なぜ私が、本屋が消えゆく今の時代に、わざわざ本屋をつくりたいのか、という答えでもあるわけだ。
BUTAKOYABOOKS四国本屋巡りの記録全4回、これにて完結。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
BUTAKOYABOOKS四国本屋巡り①はこちら↓↓
BUTAKOYABOOKS四国本屋巡り②はこちら↓↓
BUTAKOYABOOKS四国本屋巡り③はこちら↓↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?