電子書籍と紙の本は敵同士ではない、と何年言いつづけるつもりなのか

ユリイカの書店未来特集を読んでいて、改めてそう思った。敵同士ではないのは当たり前なので、もうそれを「ことば」だけではなく実際にそうなるような仕組みを作り証明しなくてはならない。

これはもう学生のころ、取次に入社する(そしてすぐに辞める)前から思っていることなのだけど、そろそろ僕の発言力というか影響力も「微々たるもの」にはなってきたので、ここに提案する。


書店店頭で電子書籍を購入できるようにする。そしてその書店に利益が出るような仕組み(システム)を作る。これで「電子書籍と紙の本は敵同士ではない」ということが証明できる。

これが実現するとどうなるか。究極的には「椅子と机と(最低限)1台の電子書籍リーダー」があれば書店は成り立つ、ということになる。ようは店主と1対1で話しながら、あるいはオススメを聞きながら(読みながら)本を選び、そのリーダーを通して購入をすると、本そのものは客のリーダーに転送され、利益配分は紙の書籍同様に書店にも入る、ということだ。

あるいはふつうの書店の風景のように、各棚に1台から数台のリーダーが置いてあり、その中にはテーマ毎に選書された本が入っている。例えば「フェミニズム」と画面に表記されたリーダーをタッチすると、そのテーマに沿って店主が選書した本のライブラリが表示され、その本を読む&購入することができる。購入システムは先と同様。

ちなみにこの仕組みにはほかのメリットもある。まずは在庫の問題。書店は在庫を抱えるリスクがない、または少ない。買切りだとか委託だとかの概念もたぶんなくなる。正確には「リーダーにダウンロードする=1冊だけ買切り」かもしれないが、出版社が協力してくれれば書店は仕入れコスト0になるかもしれない。まあ、そこまでは強いる必要ないとは思うけど。
そして在庫の問題はそのまま店舗規模の問題につながる。先述したが、これは究極的には「椅子と机と1台のリーダー」だけで成り立つ本屋を生む。本はたくさん置きたいが、それにはそれなりの店舗規模が必要で、そうなると家賃やら維持費やらが比例してかかることになる、でもそこまでの売上は本では賄えない、というようなモヤモヤは雲散霧消するのではないか。

さらに理想を言うなら、客は「電子書籍で買うか」「紙の本を買うか」を選択できるようにしたい。そしてさらに理想を言うなら、紙の本の場合「店頭受取にするか」「自宅へ郵送にするか」を選べるようにしたい。さすがに自宅へ郵送は送料取ったほうがいいけど。
これが可能になると、たとえ紙の本であっても「返品」というものがなくなる。と思うのだけど。そしてこれ、出版社にとってもメリットだと思うのですが。どうでしょうか。

ほかにもメリットがありそうだし、あるいはシステムを細かく構築&説明できそうなんだけど、いかんせん夜が遅くもう頭がふやけてしまっているので、とりあえずここまで。

最後に、「これはいけるやろ」と思ったシステム屋さんと出版社のひと、そして本屋さんは声かけてください。特に出版社のひと。本屋とシステム屋さんが意気投合しても出版社が乗らないとこの船には意味がない、というか積荷(利益)がない船になってしまうので。

小屋本屋からの提案でした。ねむみ。

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