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8月センジュ出版対話型講演会〜仲間がいるよ〜

センジュ出版という出版社の名前を聞いたことはあるだろうか。

東京都足立区の北千住駅近くにある、ちいさな出版社の名前である。

設立は2015年9月、そこから現在までの既刊は8冊。

やさしく、あたたかく、芯の強い本を届ける出版社である。

そんなセンジュ出版のファンが集まって、読書会兼講演会を開催し始めたのがコロナ禍以降、2020年からのこと。最初はオンラインで、毎月代わる代わる主催が交代し、12ヶ月を一周して今もなお、人と場所を変えながら、毎月開催されている。

そんなリレーの火を今回受け継いで、僕が講演会を主催することになった。
日程は8月11日、もう間もなくである。

期日が近づいているというのに、テーマが浮かばず相当悩んでいた。
「センジュ出版」というmediumを介して僕が問いかけるものはなんだろうか、と。

6月は岡山開催だった。テーマは「Dream comes true」
7月は31日に東京で開催、まさに明日である。
テーマは「生きてきてよかった〜13歳のわたしへ〜」である。

ほとほと悩み抜いた。自分にはそんな壮大なテーマは描けない。元々大層なことを考えて生きていないのだ。

困ったときは根源を考えることにしている。初めてセンジュ出版の本に出会った24歳の頃から、1冊読み終える毎に自分の中に現れてきた確実な「変化」、それをたぐり寄せる。

すると、ここ数年で自分の中に現れた、ある関係性への「赦し」を思いついた。


自分は元々、家族とか友達とかの関係性が苦手だった。言葉も苦手なのだ。家族だから支え合うとか、友達だから相談に乗るとか、そういう熱く青臭い空気感がダメなのだ。「ほっといてくれよ」とずっと思っていた。

ある程度仲良くなっても、お互いに時折境界を踏み越えることで傷つけたり傷つけられたりするのが疎ましく、冷めた距離感を保つ方が得意であった。

元々束縛されることにかなりの嫌悪感を抱いてきているから、そうした関係性の中にある「束縛感」が苦手なのかもしれない。

だから、僕にとって親しく近しいことは加減を過ぎれば「毒」になるのだった。
家族だから何を言っても許されるとか、友達だから何でも分かった気でいるとか、そうした周囲の人間は自分の中でいつしか敵になった。

僕にとってそんな闇を意識させる周囲の人間との関係性をまさに再構築してくれたのが、センジュ出版の本達であり、またこの出版社の本を介して繋がった全国各地の友人達だった。

『子どもたちの光るこえ』『ハイツひなげし』『あの日ののぞみ246号』『ぼくとわたしと本のこと』『ロバート・ツルッパゲとの対話』『千住クレイジーボーイズ』『ゆめの はいたつにん』『いのちのやくそく』そして、代表である吉満明子さんの著書『しずけさとユーモアを』(枻出版社)

8+1冊の本を1冊読み終える毎に、自分の中の重荷が少しずつ剥がれていき、僕は少しずつ本来の自由さを取り戻していった。

奇しくもコロナ禍に突入した2020年、新時代最初の2ヶ月を、職場の指令による自宅待機という形で過ごし、この時間が自分の変化を加速した。

外に出られない分自分の生活を見つめ直し、再構築を繰り返す。

急速に普及したリモート環境、特にZoomで行われたセンジュ出版のオンラインの読書会や講演会では日本中どころか、世界にも交友の輪を広げ、そこで意気投合した友人達とは、状況が落ち着いたところで実際に会い、更に親睦を深める結果となった。

年齢も環境も異なる多種多様な友人達との出会いをきっかけに、様々な家族の形を垣間見たことが、僕自身が今まで培ってきた友人観、家族観を見事にぶちこわし、呪縛から解放した。

勝手に期待し、勝手に嫌悪したのは他ならぬ僕の方だったのだ。
人は間違えるし、うっかり傷付けたりもする。それを学ぶのが近しい存在だと知った。

人付き合いの前に、定めておくべきだったのは自分なりの芯であったと、そこで初めて気づいた。

振り返ってみるとたいした気づきではないのかも知れない。
これが当たり前で生きてきた人にとってはなんでもないようなことだけど、その「あたりまえ」を獲得し損ねた人間にとっては世界が変わるほどの衝撃をもたらす。

そんな「何か」つまり、いつしか見失ってしまった本質的な「あたりまえ」を思い出させてくれるのが、センジュ出版の本なのである。

だから改めて僕は、あの日の苛つき、やけになって攻撃的だった自分に今なら伝えられる。

「大丈夫、仲間がいるよ」と。

本の中の仲間達が、現実の仲間達を呼び、僕の世界を変えてくれた。

そんな出会いに、8/11もなれば良いと思っています。

ご参加、お待ちしております。

【講師のご紹介】
吉満明子 氏 (よしみつあきこ)

株式会社センジュ出版代表取締役
book cafe SENJU PLACE オーナー
五感を研ぎ澄ます文章講座「文章てらこや」講師

1975年福岡県生まれ。
日本大学芸術学部文芸学科卒業後、高齢者福祉専門誌編集、美術写真集の出版社勤務を経験。その後編集プロダクションにて広告・雑誌・書籍・WEB・専門紙など多岐に渡る編集を経験し、同事務所の出版社設立とともに取締役に就任。
この頃日本経営者協会の受託事業として愛媛県伊予市の地域資源発掘参画委員となり、「まちの編集」について着目。
2008年より小説投稿サイトを運営する出版社に中途入社、編集長職就任後に出産。
2015年4月に出版社を退職、同年9月1日、足立区千住に“しずけさとユーモアを大切にする小さな出版社”、株式会社センジュ出版を設立。
プロデュースした書籍には、佐藤健・土屋太鳳W主演で映画化され、シリーズ累計40万部を突破した『8年越しの花嫁』(主婦の友社刊)など。
現在は参加者と対話することを特徴とした講演活動も展開。
2021年、メディカルアロマコーディネーターの資格を取得。
著書に『しずけさとユーモアを〜下町のちいさな出版社 センジュ出版〜』(発行:エイ出版社)

▶︎講演、講義
東京未来大学、産業能率大学、東京都市大学、足立区他
▶︎TV出演
ヒルナンデス!、TOKYO MX NEWS、ラヴィット!他
▶︎記事掲載
朝日新聞、読売新聞、東京新聞、日刊ゲンダイ、オズマガジン、MORE、散歩の達人、ソトコト他
▶︎ラジオ出演
文化放送『大竹まことゴールデンラジオ!』、ニッポン放送『薬師丸ひろ子ハート・デリバリー』、TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ!』東京FM『小山薫堂・宇賀なつみSUNDAY'S POST』他
▶︎収録書籍
『本の時間を届けます』(洋泉社刊)他

【センジュ出版対話型講演会〜テーマ:仲間がいるよ〜】
日程 8月11日(木)
時間 10:00〜10:20 主催挨拶
   10:25〜11:25  講演 吉満明子氏    
   11:30〜12:30 対話の時間(食事可)
   12:35〜13:00 参加者感想シェア
   13:05〜13:30 本の紹介
会費 3000円
昼食代 約1000円
(足立区の居酒屋さん、一歩一歩グループさんのお弁当を希望された方にはご用意します。)
事前登録フォームに希望される方はご回答下さい。
お昼をまたぎますので、もしくは各自ご昼食をご持参ください。会の途中でもお食事いただけます。

定員 20名

事前登録フォーム: https://senju20220811.peatix.com/

場所 東京都足立区千住4丁目 空中階
※注意事項
・会の盛り上がり具合によっては、終了時刻が延長する可能性がございます。
・当日体調の優れない方は、ご連絡下さい。

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