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トラブった時「問い合わせしたい」は聞こえない私も同じ

「お気軽にお電話でご相談(お問い合わせ)ください」
「お急ぎの場合はお電話ください」

サービス窓口、テレビCMなどでよく見かける文言ですが、この言葉に、何度、落ち込んだことか。

一方的に伝える連絡であれば、以前ならFAX、最近はメールが使える窓口が増えてきました。
でも、「相談」のように、リアルタイムでやり取りしたい場合は、今もやはり電話が主流です。

でも、、、できないんですよねー聞こえない私には。
平日の受付時間には聞こえる家族がいないから、結局、連絡できないこともたびたび。
落とし物の届出して、後で見つかった時も、連絡できないまま。(お巡りさん、ごめんなさい!)

でもね、こんなこともあるのです。

先日、通学リュックの中で水筒のお茶をぶちまけた末っ子。
荷物減らすため、カバーに入れてなかったPCにたっぷりと降りかかったらしく、電源入るし、画面も見えるけど、液晶に滲みと、アダプター繋げても充電できないことが判明。

ヤバイ!

機種はMicrosoft Surface Go3。
高校入学でPC必須だったので購入して、1年半。
延長保証、、というか、Microsoftの保証サービスに入っていたことを思い出して、当時の書類取り出してみました。

surfaceハードウェア延長保証サービスご案内のチラシ

surfaceは基本修理でなく交換(Appleと同じね)
とりあえずは、問い合わせ、、、やはり電話、、、

!!
の下に、チャットサポートって書いてあるじゃないですか!

しかも!
受付時間は電話の場合と同じ時間!!
電話なら24時間だけど、チャットは時間限定、とかじゃなくて、電話かけるのと同じ扱いということ。
つまり、「方法」が違うだけで、同じように問い合わせできるってことなんです。

これだけのことなのに、やはり嬉しい!!

さっそくアクセスしたところ、1名待ちで、それほど待たされず、繋がりました。

そして、状況や対処方法、今後のこと、、きちんと担当者と直接話をすることができました。
(やはり、現物送付して、新古品が届くことに)
無事解決!

こういう問い合わせは私たち聴覚障害者の長年の悩みの種でした。
でも、最近は、私自身、電話リレーサービスを使って問い合わせすることもありますし、ANA(全日空)さんのように、専用代理電話サービス「PLUSVoice SkyRTC」を導入されているところもあります。

プラスヴォイス sky RTCロゴマーク


電話のできない私たちにとって、このように間に入って「繋いて」くださるサービスは本当にありがたいものです。
メールやFAXは先方に届いているのか、見てもらえているのか、ハッキリしませんし、「回答に時間がかかることがあります」と書かれていて、「どんだけ待つ?」という感じになるので、リアルタイムに繋いでもらえるのは、便利だし、安心。

でも、まだまだ定着していないこともあり、先方がイタズラや広告電話と勘違いして、切られてしまうこともあったりします。

繋がっても、なんとなく「代理」に慣れていないから、先方の話は断片的になったり、最低限になってしまう感じもあります。(私自身も、そうかもしれません。)

その点、チャットだと、話したい相手に直接伝えたり、聞いたり、答えてもらったりできるし、そもそも先方も「チャット」で話す前提で受けているわけで、違和感がありません。
(電話リレーも先方は普通に電話で話すのと同じに話せばよいのですが、「リレーされてる」と思うことが、何かしらの違和感の元になってるのだと思います)

だから、文字でのやり取りということだけであれば、チャットやLINEなどが少しずつ増えてきて、便利になりつつある、と言えるかもしれません。

じゃなんで電話リレー?って思われるかもしれません。
でも、電話リレーの凄さは、文字でのリレーの他に、「手話」でのリレーという大きな機能があることなのです。

電話リレーサービスの概要イラスト


手話話者同士は、スマホのビデオ通話とか使って、話ができますが、手話と音声日本語の場合はやはり間にオペレーターが必要になります。
つまり、電話リレーは日本語の「音声」と「文字」と言う表出方法の違いと、「手話」と「音声日本語」という言語の違い、そのどちらも繋ぐ、ということ。

全ての人が手話を話せて(使えて)、全ての人や機関が、文字でのやり取りをしてくれるようになるなら、間に入って「繋ぐ」サービスの必要はなくなりますが、、まぁ、しばらくはそんな日は来ないでしょう。

でも電話リレーやチャットサービスは、「音声」や「日本語」を使えない、使わない人たちもいるのだ、ということを少しずつ「想定内」にしてくれてるように思うのです。それはやはり嬉しい!

それと、前述のMicrosoftのチャットサポートのすごいなぁと思った点はそのチャットサービスが「聴覚や言語に障害のある人のため」でないところ。
Appleのチャットもそうでしたが、「誰もが使える」サービス・方法の1つなんです。
電話が使える人でも、声を出せない状況下とかで、このサービスを使えば問い合わせできるのです。

対象者が限定されるサービスはやはり広がりにくい傾向にあります。
誰もが使える、私もあなたも使えるサービス、となれば、「欲しい」「やろう」「作ろう!」て思ってもらいやすいですから。

ちなみに今回挙げたチャットサービスはAppleとMicrosoft、、どちらも外資系。
日本は、まだ、古い考えを変えたり、新しいものを取り入れたりするのを躊躇う面が根強いのかなぁ、という感じがします。

結局は「違い」を受け入れ、自分ごととして考えられるかどうか、なのかな。
みんな誰もが、できるできない、得意不得意、いろんな違いや凸凹を抱えているのだから。

「聞こえる」のだけが「普通」なんじゃなくて、「聞こえない」のを当たり前に暮らしている人もいる。
「見える」のだけが「普通」なんじゃなくて、「見えない」のを当たり前に暮らしている人もいる。

聞こえなくたって、お店の予約や簡単な問い合わせ、時に他の人に知られたくないような相談を、もっと気軽にできたらいいのに。

「いろんな人がいる」っていうこと。
少しの工夫や、違う方法を使って、みんな同じように生きているってこと。
「普通」という概念を少し広げるだけで、「生きづらさ」が軽減される人がたくさんいるってことに、どれだけの人が思いいたれるか。

「普通はこうだ」と決めつけない、そんな「ゆる〜い」社会になっていって欲しい。

娘のパソコンの水没からそんなことを考えた私です。
なんか、いつもおんなじようなこと、言ってるなぁ(笑)

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