梨氏の書籍『6』の感想など ネタバレ込み

☝買おう☝読もう☝

 

はじめに

Amazonで発売されることを知り、予約購入させていただきました。今回は『6』とはどういう話なのかを個人的な考えと感想込みで書かせていただきます
 


ネタバレ注意




〇各タイトルについて

 六つの階層(世界)からなる話。読み進めるとそれぞれに繋がりが見え、最後の【ONE】で明確になる。タイトルの位置がエレベーターの階層として表現されていることに気づけたときは楽しかった。
 

【ROOFy】
検索するとフルニトラゼパム(サイレース)という不眠症治療薬。
ROOFは屋上や頂点。
O→0(ゼロ) 最初の話であることを指している?

【FIVE by five】
海外ではハイタッチを「high five(五指、手を指す)」と言うらしい。
FIVE(人) by five(live:生きる)
とすれば、【人間は生きることによって】となる。

【FOURierists】
四つ足→畜生界が関わっていることを指している?
※私はフェンスの先の建物は畜生様を崇める組織(Phalanstère)の建物が表れた、或いは畜生界に繋がった結果だと思っている。


【THREE time three】
Caravanserai三日目になぜこんな冷酷な扱いを受けているのか、とある。これは『6』全体でも重要な文章である。

<感想>
ビックリして本を落としそうになった。

【TWOnk】
O
W
T
と並べると吊られた人間に見える?

【ONE】
後に他階層から落ちることになる一階(地面)か。
 余談だが、カバー裏の黒地に白い点々があるデザインはコンクリートやアスファルトに見える。カバー表紙の人間?が落ちる先を表している?。

〇『6』の意味

 読み前と読んだ後で何か重大な意味があるのではと何度も紙面を撫でながら考えていた。意味は「六道輪廻」はほぼ間違いないとして、アラビア数字であることに注目したい。単純に形を見れば、頭から落下している人間ループ(〇)に歪んだ解脱(/)が足されたようにも見える。また、本来は『9』である可能性、6と9を組み合わせた『∞』も考えたが、9に関連付ける根拠が見つからなかった。

〇『6』の恐怖とは?

 人を呪う幽霊や人を狩る怪物なども恐怖の対象であることは間違いないが、そういうモノが実在するのか、自分がその様な状況に陥るのかという曖昧さと余裕がある。だが、死は全ての生命に起こりえるはずなのに、その後に何が起きるかは生きている故に知ることができないし、死んだ人間に教えてもらうことはできない。『6』とは人間が必ず直面しなければならない正体不明の恐怖である。
 読者である私も何時かは死ぬことが確定している。その後に何が起きるかは『6』以外に様々な宗教や物語が語っているため、自分なりに予想するか、死後の楽しみにして生きていこう。というか、それしかできない。

 
※幽霊や怪物は曖昧さや余裕があると書いているが、怖くないわけではない。私は怖い話が好きだが苦手でもあるので、何らかの動画や音楽を聴きながら出ないとホラー作品に関われない。


〇謎:【ONE】のエレベーターの女性は誰?

 私はこの女性が六つの話それぞれに関わっていると考えている。特に可能性が高く、同一人物だと思っているのは以下の四つ。
【ROOFy】の女性の声
【FIVE by five】のエレベーターガール
【FOURierists】のラジオの声
【THREE time three】でPhalanstèreが呼び出した存在

 前述の通り、各タイトルに数字の意匠が組み込まれている。私はこの女性が全体の黒幕の様な存在、すなわち死後の世界は禄でもないと伝える幽霊なのでは?
 餓鬼(幽霊)の自殺を促し、各階層に異常を起こす。Phalanstèreや編集者に世界の真実を説明することで更に混乱を招く。
 目的は実は存在する神や仏への無神、背信行為を促す、或いは世界に狂わせることで無限の輪廻の破壊であると思われる。

 以上の事はあくまでも個人の考察であり、確証もない。しかし、自殺した幽霊とこの女性は各階層に大きく影響を与えている重要人物であることは間違いない。




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