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#291 映画論⑤|BROTHER

本日紹介するのは北野映画でアウトレイジ以前、「もっともバイオレンス」と言われていた、日米共同制作で2000年に公開された名作・BROTHERについて紹介します。
これもメチャクチャかっこいいですよ。


これまでに紹介した「その男、凶暴につき」「HANA-BI」が好きな人は是非見て欲しいですね(見てると思いますが)


BROTHER あらすじ

主人公の山本(たけし)は、かなり好戦的な武闘派ヤクザで、所属する組の組長を殺そうとした敵対組織のヒットマンを躊躇なく殺すような男なのですが・・・
愛人のところに行こうとした組長が殺されてしまい、その葬儀で警察(大竹まこと)に「手打ちにしろ」と言われ、たけしの五分の兄弟分の原田(大杉漣)がそれを飲み、敵対組織と盃を結ぼうとしているのを見て、山本激おこ!
ただ、原田の家族や原田の子分のことも考えて・・・山本は許してあげるんですが、敵対組織は「お前(原田)はまだ信用できないから、山本を殺れ」と指令を下し・・・原田は、山本にこの街から姿を消して欲しいと依頼。
山本は承諾し、弟が暮らす「アメリカ行けねーかな?」と原田に打診。で、山本の死体をホームレスの死体で偽装し、偽造パスポートを手配して山本はアメリカへ。

そしてアメリカに行った山本。
英語も一言もわからないんで、タクシーの運ちゃんもホテルのボーイとも一言も会話しないで乗り切り、留学中の弟がバイトで働く寿司屋に行くもすでに退職しており、弟(真木蔵人)は薬のプッシャーに成り下がっており、こちらも敵対組織と揉めておりました。
普通の兄弟なら、そんな弟を怒ったりするところですが・・・山本兄は「拳銃あるか?」と言い、加勢し、相手をぶち殺すという笑

以降も会話の通じない(言語的な意味もだが、交渉が通じない意味も)イかれた集団となり、交渉しようという相手マフィアも一蹴。
この交渉のステージで、相手チームが英語で、"本当にこんなクソ日本人にシマリを渡すのか?"みたいな話をしてるのを聞いた山本は再度激おこで、相手を銃殺!
そして、「ファッキンジャップくらい、分かるよバカヤロー」という名台詞を残します。

そんな感じで暴れまくる山本ですが、徐々に綻びが出てきて・・・
そしてクライマックスを迎えます。


BROTHER 魅力

タイトルの「BROTHER」はいろいろな意味での「キョーダイ」を意味しております。

まずは主人公の山本兄弟(兄と弟)ですね。
たけしと真木蔵人、血のつながりは無いこそ、ヤクザながら弟の為の留学資金を手配するというアニキっぷりを見せております。

そして冒頭の山本と原田(ヤクザ通しの五分の兄弟分)です。
血より厚い絆こそが、盃を交わした兄弟なんですね。

そして、山本とデニーという国籍を超えた師弟関係ですね。
アメリカに上陸して右も左もわからないたけしは、歩いていてぶつかった黒人が荷物を落とすと、ワインが割れており、黒人に英語で絡まれます。
英語もわからないしめんどくさいと感じた山本は、その破れたワインの空き瓶で黒人の目を突き刺すというバイオレンス展開となり、で、その黒人が弟の仲間のデニーだったことが発覚し、山本とデニーは徐々に仲良くなり、絆で結ばれるんですね。

そうしたどれも血は繋がっていないですが、血より厚い絆を感じさせるタイトルですね。
そんな感じでバイオレンス、バイオレンス、バイオレンス!という感じです。

BROTHER 好きなシーン BEST10

10位 アメリカで一言も話さない山本

たけし演じる山本がアメリカに着いたところから始まるですが、
マジで何も話さないで、タクシーに乗ってホテルに着いて、
ホテルから弟のところに行って・・・と、心配になるくらい無言です笑


9位  兄弟にブチ切れる山本

山本に手打ちの話を言い出し、土下座する原田(大杉漣)に対して、
ブチ切れた山本は日本刀を持って兄弟を殺そうとします
まぁ怖い笑


8位 山本にイカサマをされて怒るデニー

例のワイン騒動後に、偶然に弟の家で出会い、家で留守番する気まずい山本とデニー。
サイコロで遊ぶことになり、ここで山本が初めて英語を、「six(サイコロの目)」と言います笑
で、イカサマで金を巻き上げ、デニーはブチギレますが、この件もあり山本とデニーは仲良くなります。


7位 車の中でマフィアを殺す山本

で、やりたい放題する山本はマフィアに車で連行されるんですが、
車の中でも何の躊躇いもなく向けられている銃口の向き先を変えて運転手も殺し、死んだ運転手が伏せてクラクション鳴らしたままぶつかる。
その演出はかっこいいですね。


6位 バスケで無視される加藤

そして日本の山本の舎弟の加藤(寺島進)が、山本を慕って東京からアメリカに来るんですけど、馴染んだ加藤はアメリカ人達とバスケを一緒にするんですが、パスを渡してもらえず
キャプテン翼とかで、ジャッポネーゼ(サッカーが下手なやつという意)と呼ばれて、パスをなかなか出してくれない光景を彷彿とさせてリアルでしたね笑


5位 白瀬登場

白瀬(加藤雅也)という男の登場はカッコよかったですね。
葉巻も似合っていてカッコよく、まさにアメリカで頑張る日系マフィアでした。


4位 「俺は兄貴に全てを賭けている、頼むぜ、叔父貴」

これはなかなかセンセーショナルでしたね。


3位 敵対組織のボスへのリベンジ

山本もデニーも楽しそうです笑


2位 クライマックスシーン

最後はなかなか感動ですね。
まぁ、実際に映画を見てくれとしか言えないですね!

この車に乗る前の、デニーの「I Know」もいいですね。
まさに「BROTHER」って感じです。


1位 ファッキンジャップくらい、分かるよバカヤロー

やはりBROTHERといえばこれでしょう。
たまに「ファッキンジャップくらい、わかれよバカヤロー」と誤読されていますが、意味が180度違ってしまうので、気をつけてください!!


まとめ

これを書くにあたって、久々にDVD見たけど面白かったですね。
ソナチネのDVDもあったんですけど見れなくなってたので・・・ちょっとこれも見てから書きたいですね泣
アウトレイジアウトレイジビヨンドは同僚に貸してたんですけど、その同僚が退職して借りパクされたので、今度拳銃持って取り返しに行こうと思ってます笑

やっぱ北野映画はマジで面白いですね。
次はアウトレイジ語るかもですが、3回連続で紹介しなきゃならないんですよね・・・笑

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