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須原一秀『高学歴男性におくる弱腰矯正読本』よかった


65歳で自決した哲学者須原一秀氏の著書を購入したのだ。

リスク回避的な現代の男性がより強くあるための指南書といった趣の書籍である。

リスク回避的、つまり自己保全本能が強すぎるなよなよした現代人が、自らの身を顧みずにリスクテイクしているかという趣旨なのだが、男性限定であるのは、女性を解放するような思想や書物は現代では十分に供給されているからである。

著者は大学講師として、幼少期の自傷行為など、自己保全本能に反するような体験を学生から大量に募っていたようである。

そのような事例をいちいちあげているのだけど、なんとなく古釘を踏み抜いてみたとか、電車に飛び込んでみたいような気分になったとかそんなことである。

このような状態を、変性意識と呼び、そこにこそ現代のインテリ男性がリスクテイクしていく契機があるのではないかというわけである。

それは単なるタナトスとか自己破壊衝動ではないらしい。

それと右翼性であるとか、共同体への帰属意識と結びつけるのだが、いまいちよくわからなかった。

とはいうものの、私は自分のなよなよしたところや、過剰なリスク回避性向にうんざりしており、なんとかしたいと思っているのだ。だからこんな本を手に取るのである。

だからこれからも時々はこの本を読み返そうと思うのであった。とりあえず葉隠を読んでからまた考えよう。

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