見出し画像

定年後 141 日目 プラスドライバー完成 ( T 定規って知ってる? )

プラスドライバーはなんとか完成させることができた。
Fusion360 の高さ方向の座標軸を何にするかは、設定で変更することができた。座標軸を変更しても、作成済みのデータを問題なく表示できたので、高さ方向の Y 軸問題はとりあえず保留にした。

今回もいろいろな方の解説などを参考にさせてもらった。
ただし、JIS に示された通りの寸法を再現することは難しく、最終的には「見た目」で模写した感じにしてしまった。

こんなときも YouTube はとても参考になった。特に今回はメイカーズラブさんの「Fusion360 超入門編」シリーズを参考にさせていただいた。

講師の佐々木康友さんはなかり高度なチュートリアルも出されているようで、「超入門」というタイトルが付いてはいるものの、細かい前提や手順については省略している部分が多かった。
本当にはじめて触る人には難しいかもしれないが、私のように我流で断片的にかじった人が、もう一度はじめから整理するにはちょうど良いシリーズだった。

一応完成した図がこちら。細かい指摘はしないでね。

プラスドライバー (No.1) 全景
プラスドライバー (No.1) 先端部

これで画像データは整ったので、次は実物の撮影に挑戦。
ちょうど数日前に Godox のソフトボックスが届いたので、使ってみることにする。


Fusion360 と格闘しながら、大昔のことを思い出した。

「製図」といえば「CAD」を連想するけど、コンピュータが普及する前は当然 CAD なんて存在しなかった。

冷暖房完備のクリーンルームのような警戒厳重な部屋に、業務用コンピューターシステムを設置できる裕福な企業の中でも、ついでに製図用システムも導入しちゃおうか、という余裕のある企業以外はどんな図面も紙に手書きしていた。

高校を卒業するとき、卒業設計という課題があった。手巻きウインチという装置を設計して、全ての部品を手書きで図面にするというもの。
これが提出できなければ卒業できなかった。

手書きで図面を書くときは、ドラフターという装置を使った。
ドラフターというのは、アームの先に定規が垂直と水平に1本ずつ固定されたもので、定規の角度を保ったまま製図用紙の上を自由に動かすことができた。また定規を回転させることもできた。

ドラフター (MUTOHホールディングス株式会社HPより)

ドラフターは3年生しか使うことが許されず、下級生は製図板と T 定規という組み合わせで図面を書いていた。

T 定規 (シンワ測定株式会社HPより)

製図板はただの平らな板だが、側面が正確にまっすぐ削り出されていた。そこに T 字型をした T 定規を横向きにして押し当てて上下にスライドすれば、常に並行な線が引けるというもの。
角度のある線を引くときは、T 定規の上に三角定規を組み合わせたり、計算で位置を割り出していた。

卒業設計はどう頑張っても学校の授業だけでは終わらなかったので、製図板と T 定規を買ってもらって、毎晩課題に取り組んだりした。

Hi-uni (三菱鉛筆社の高級鉛筆) の芯の部分をカモのクチバシのように削り出して、印刷と見分けがつかないような線をトレース紙に描いていく作業は、DIY的な要素もあって面白かったがとても時間がかかった。

動画編集同様、いまは製図といえばディスプレイ上に描くのが当たり前。ソフトの完成度も高く、すべて仮想空間で完結してしまう。
労力も作業時間も激減して、瞬間的にひらめいては消えていくような発想ですら描き残しやすくなった。

トラックボールを転がしながら、すばらしい時代になったなぁと改めて思った。



2022 / 8 / 19

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?