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「テクノリベリオン:未来の反逆者たち」

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「テクノロジーの狭間で、未来への反逆が始まる」

あらすじ

日本国民全員が「人権登録ナンバー」を持つ世界。生まれた時から脳内のチップは記憶の保存、手のチップには決済システムがあり全て「人権登録ナンバー」と連動されている。
家族から見放され、仕事も人間関係も上手くいかない無職30歳の町田浩介の家に「人権登録ナンバー」のリユースサービスを行なっているコンバージョン社の河井が訪問する。
「人権登録ナンバー」は売買することが可能で、移民などの不法滞在者や犯罪歴のある人が買取る。
浩介は自分の人権を捨て反人権登録ナンバー組織を作り日本国内に一つの国を立ち上げようとする。

第一話

約45年前、移民問題解決として日本は海外からの労働者の受け入れを規制した。一部シェフやアーティストなど許可書がない限り外国人は労働を目的とする来日は禁止となった。それでも観光客で溢れ、純血の日本人が減少した。その上、外国へ出稼ぎへ行く日本人があまりにも増えたので『人権登録ナンバー制度』が法律で可決された。日本の経済を守るためとか言っているが、監視された鳥籠の鳥でしかなかった。正式に可決されたのは浩一が生まれる10年以上前なので、浩一はこの世界しか知らないが彼の両親は違った。聞く話だと決まるまで長い間論争があったらしい。父親は賛成派で母親はそうではなかった。が、決まってしまったら従わざるおえない状況になったと言っていた。『人権登録ナンバー制度』が始まる20年前に手に埋めたチップに給料が送金され、スーパーや飲食店から出たら自動で決済されるようになった。その数年後、こめかみに埋めたチップは記憶をデータ化し、クラウドに送られた。『人権登録ナンバー』が可決されてからは、ナンバーと所有しているお金、記憶が連動された。ナンバーを持たない者は働けないことを意味した。
しかし、中には昔の日本の生き方をした人たちが地方で生活していた。
中華料理店やネパール、インドカレー屋など元々現地の人がやっていた時代が本当に存在していたと思うとなんだか不思議で、浩一はそれを食べてみたいと思った。
ある日母親から仕送りを止めるか就職しろと電話が来る。浩一の兄が結婚しするのでメンバーシップ内に無職がいると困ると言うのだ。浩一は就職活動をするがうまくいかなかった。
そんなある日、浩一の家にコンバージョン社の河井が訪問する。人権登録ナンバーを他国からの不法滞在者や過去犯罪歴のある人などが買い取るサービスだった。売ったお金は現金で支払われる。現金が使用できる郊外地域もあるし、旅行客やマイクロチップの故障時に使える決済チップの代用カードに現金を入れれば使用可能だと説得されるが、浩一はその場で拒否する。
就職活動も上手くいかず仕送りのお金も底をつき、路上生活をする元ITエンジニアの島崎(60)の話もあって浩一は人権登録ナンバーのリユースを決断する。

第二話

人権登録ナンバーを売った浩一は現金357万3922円を手にする。アパートに帰ると退居願いが貼られていた。浩一は現金を持って両親に頭を下げ、母親の実家の家業の手伝いをさせてくれるよう頼もうと実家へ帰ろうとする。しかし決済カードを使用しても身分がないので監視カメラからエラーが出て電車やバスに乗れず歩くことにした。
実家のインターフォンを鳴らし母親が出てきたが「どなたですか?」と言われ、父親に通報される。

途方に暮れる浩一に野々村(27)という女性が声を掛ける。野々村の兄は無人権者で行方不明になって3年が経つという。野々村の兄は不法滞在者の外国人に恋をし、人権を譲渡した以来姿を消したそうだ。野々村はずっと何かを忘れている気がしていたが、ある日兄が姿を消す前に残した手紙を発見し少し記憶が蘇ったので彼女はそれを信じ探しているのだった。
浩一はそこで人権登録ナンバーがなくなるとメンバーシップ内のその人に関する記憶も消去されることを知り、絶望する。
浩一は自分の人権登録ナンバーを再度買い直そうとしたが、倍の値段になっていた。人権登録ナンバーはその人の社会的信頼度で価値が決まるのだった。
浩一はとりあえず生活をする為、野々村は兄を探すために自給自足をする村に行く。
そこは60人程で形成された村だった。長老のお婆さんが浩一を村の住民になることを許可し、浩一の生活は始まる。
野々村は兄が村にいなかったので他の村へ探しに行くと別れを告げた。野々村は帰り際服の中からコンバージョン社の社員書を出し、河井に報告した。
浩一の小屋に同居人の匠(30)が薪割りから帰ってくる。匠はガタイが良く、働き者で村の人から信頼された人物だった。
ある日の夜、小屋の外で匠と他の住人の話し声を聞く。それは日本中の村と団結し、国として独立する計画だった。

(その後のストーリー)そして、浩一は島崎を呼び計画に乗った。反人権登録ナンバー派は政治家にも数名いて、ある人物Aから手紙が送られてきた。内容は日本を統治しやすいように日本人の禅や仏教の考えをなくそうとする組織に加入している者の名前の人物は主に政治家や他国の重要人物にいて、人権登録ナンバーなどを提案したり、裏で日本を動かしているのだ。
日本国民が日本の心を取り戻すには記憶チップのシステムなどの支配から逃れ、もう一度精神性を高め独立する他ないとあった。
野々村を信用し作戦を話してしまう浩一。
島崎は野々村と国の政治家の会話を盗聴し、全人類のチップに日本を裏切る話し合いをしているデータを流し、各地で匠の演説が始まった。
少しずつ日本国民は日本への不信感を高める。
しかし誰かによって日本国民の記憶を消されてしまうが、不信感だけは残った。
そして匠率いる他の村の住人は仏国を作り、独立を目指す。

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