映画館に行けなくなった10代後半
「#映画にまつわる思い出」を見て、何か思い出あったかなあ、とふと思い返すと、10代の後半(高校生から大学生の前半くらいまで)映画館に行けなかったことを思い出した。
映画館で見る映画を見終わった後、壮絶な虚無感を感じるようになってそれが耐えられなかった。
10代で最後に映画館で見たのは、「崖の上のポニョ」だった気がする。(中学3年生のころ)
それ以来、映画館から遠ざかった。当時流行っていた「ハリーポッター」シリーズも「不死鳥の騎士団」までしか見ず、だいぶ経ってからDVDで見た。
見た映画が実写であれアニメであれ、ずっと笑えるようなコメディ映画だったとしても、見終わった後の虚無感は変わらなかった。
今思い返すと、それだけ映画に没入して見ていたからこその虚無感だったのではないかと思う。
大学生のとき授業で、短い動画を見てそれを「ありのまま」文章に書くということがあった。私含め全員がその動画の細部まで文章に書こうとしたのだが、それらを読んだ教授の先生は、動画を見ていた「教室」や「スクリーン」などの"動画の外側"の描写がないことを指摘していた。
なんじゃそれ!?と思ったし、先生はその指摘がどういう意図なのか説明もなかったが、俯瞰で見ることの気づきを言いたかったのではないかな。
映画館の再デビューはたぶん20歳前後。何がきっかけだったか、何を見たのかも覚えていないが、最初のころは「スクリーンの外側」から全体を見ることを意識していた。結果、見終わった後これまで感じていた虚無感はなかった。
あの感情は何だったんだろうな。今では俯瞰で見るということも意識していないし、普通に映画を楽しむことができていると自分では思っている。何なら家のテレビで見るより映画館で見たいと思うくらい。
年齢を重ねると新しい情報や経験をすることがなくなっていく。映画は「非日常」を体験できる簡単なツールだけど、10代のころは今よりも「非日常」を深く感じていたのかもしれない。
あの虚無感を感じることがなくなったのが嬉しくもあり、寂しくもある。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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