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イルカマンデッキ【エクストラレギュレーション】検討

 早速であるが今回イルカマンexのデッキを組むに至った経緯を紹介する。イルカマンexというカードが公開された頃は、スタンでは要求札が多い上に打点も微妙に足りないため環境入りは難しいが、それらの欠点を補うカードが数多く存在するエクストラならその高耐久とまずまずの火力を活かして活躍できるのではないかといった声も多く耳にした。しかし残念ながらエクストラ特有の情報の出回らなさから中々イルカマンデッキの雛型が出回っていないため、先日私が実験的に作成してエクストラバトルの日で使用したレシピを紹介する(戦績は2-1でまだまだであった)。まだほとんど対人戦をこなせていないため改善点は多く存在すると思われるが、たたき台程度にはなると思われる。


1.デッキレシピ

 今回ひとまず作成したのは画像のようなデッキである。

カード配分に迷走しているのが見て取れる

 まず大前提としてどうせエクストラでイルカマンデッキを組むならイルカマンexのデメリット特性であるマイティソウルをなんらかの手段で消すことによって直接進化してしまおうという考えがあった。しかし少し前までスタンでも活躍していた頂への雪道をはじめ、『場のポケモンの』特性を消すことのできるカードは多く存在するが、『手札や山札にいるポケモンの』特性を消すことのできるカードは意外にも多くない。イルカマンexの特性を踏み倒して場に出そうとすると、後者の消し方である必要がある。
 今回はその要件を満たすカードの中から、がまんのかべのソーナンスとダストオキシンのダストダスを活用してイルカマンexを直接場に出すこととした。特に後者を自然にデッキに組み込めば、現代エクストラの特性偏重環境には強く出られることも付加価値としては大きいと感じた。
 また、マイティソウルを消してからイルカマンexを場に出す方法にも「普通にナミイルカから進化させる方法」と「アオギリの切り札の効果でトラッシュからイルカマンexを場に出す方法」の2通りがすぐ頭に浮かんだが、今回は消去法的に前者を選択した。後者の一番のメリットは、後攻1ターン目から攻撃できる可能性があることだと思われるが、 ①ソーナンスをバトル場に置いて ②アオギリの切り札の発動条件を達成してイルカマンexをベンチに出して ③イルカマンexに水エネルギーを供給し  ④イルカマンexをバトル場に送り出す という一連のハードルがあまりにも高く思えたため、このメリットがメリットと思えなかった。また、アオギリの切り札を活用するデッキ(最近ならアオギリセグレイブなど)はアオギリの発動条件を達成するためにデッキスペースをかなり使う印象があり、先述したダストオキシンによる妨害までデッキに組み込むことが難しく考えられたことも後者を忌避した一因である。
 ポケモンの軸は決まったため、あとはどのようにデッキを回すかだが、今回は自分から積極的にお互いの特性を止めてしまおうというコンセプトであるため、多くのデッキがやっているようにデデチェンジナイトアセットうらこうさくを駆使してデッキを回すことは難しい。そこで今回は、 ①上記のようにポケモンの特性をフル活用するデッキのそれよりもサポートの採用枚数を多くする ②頂への雪道のように雑にテンポをとることのできる可能性のあるカードを採用してゲームスピードを遅らせる ③保険としてがまんのかべ下でも使用できるワンダータッチをしのばせる といった手法で、速さはなくとも確実にゲームを進めることとした。
 

ポケモン編

 イルカマンexの欠点?としてリザードンexのような超高耐久のポケモンを一撃で倒すことは難しいことが挙げられるため、それを補えるような『省エネで』『せめてリザードンexだけでもワンパンできるような火力の』ポケモンの採用を検討したが、そんな都合の良いポケモンは見つけられなかったため、今回はイルカマンexだけでゴリゴリ殴っていくデッキにすることとした。オーロラエネルギーを共有して草タイプのたねポケモンを動かすのも一案であるが、オーロラエネルギーのコストが重いことが気になる。
 ナミイルカは基本的にゆうきのしんかを優先したい。山の中の特性は消えないためこれでイルカマンexに進化することはできないが、エネルギーのついたナミイルカをベンチに下げつつがまんのかべを押し付ける動きだけで非常に強力である。   
 なおヤブクロンは適当なものである。ミステリートレジャーや霧の水晶を採用するなら当然超タイプにするべきだが今回はそれらを採用していないため特に困らなかった。

今回のメインアタッカー サイド2枚しかとられない1進化ポケモンなのにムゲンダイナVMAXと同等の耐久力でこだわりベルトを巻けば280ラインに届く火力

グッズ、ポケモンのどうぐ編

 ボールの配分は現在進行形で模索中である。今回採用しているもの以外の候補としては、なかよしポフィンやミステリートレジャーなどが考えられる。色々ボール配分をいじっていて感じたのは、クイックボールやハイパーボールのコストの重さである。テテフを採用している都合上これらが多い方が安定感にはつながるのだが、このデメリットを考えると脳死でクイボ-ハイボ4-4とすることは正解でない雰囲気があった。これらのジレンマとうまく向き合いながらボール配分を最適に近いものとしていきたい。
 システムポケモンが薄い構成であるためトレーナーズポストは枠を捻出できる限り採用したい。また、今回はカイを採用することが便利そうであったため、カイからつながるグッズの重要性も高い。特にエネルギーは多く採用したくないため、グッズでエネルギーを持ってこられるバケツ(はかせのてがみでも)やギガインパクトの反動解消ができるひもは甘えず採用したい。さらに、このデッキで採用するエーススペックとして強そうなものもグッズに偏っているため、カイからこれらを持ってこられることも重要である。イルカマンexがHP340というありえない耐久をしているため、今回は安直に耐久に寄せてポケモン回収サイクロンにエーススペック枠を割いた。同様にまんたんのくすりも強く使うことができるためこれから試してみたい。また、カイがポケモンのどうぐにならない≒カイからダストオキシンを発動できない ことがかなり不便に感じたため、ぼうけんのカバンは是非採用したい。これさえあればこだわりベルトを必要な対面(今ならルギアやドラゴがメイン)で持ってくることが非常に容易になることが予想される。

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サポート、スタジアム編

 今回のレシピではかなり雑にドロサポを突っ込んだため、ここも大いに改良の余地はあると思われる。しかしこのデッキは妨害要素を有効に活用しやすいため、どちらかといえば手札干渉札を多めに採用することは意識したい。自分が使っていてメイは非常に使いやすく感じられた。ソーナンスがやられてスタートすることの多いカウンター気質のデッキであることが要因として大きいのだと思われる。ドロサポ以外の枠では、雑に使用機会の多いザオボー、高耐久を活かせるアセロラ、入れ替え効果も嬉しいグズマ、ワンパンラインの引き上げと入れ替えを1枚で可能とするスグリを試験的に採用した。使っていて気になったことに、基本的にどの試合でも必要となるグズマへのアクセスのしづらさがあったため、この枠を増やすべきと感じた。この他のサポートでは、アイアンローリングの効果を解除してベルトギガインパクトでのワンパンを可能としてくれるポケモンレンジャーの採用も視野である。
 スタジアム枠だが、シンオウ神殿の採用がしばしば見られることから一定数の採用はしておきたい。一方でめちゃめちゃ嚙み合いが良いスタジアムもないため、雑に相手の展開を妨害できる頂への雪道、サイレントラボでがまんのかべを解除されることを防ぐことができる混沌のうねりあたりを突っ込んでおくのが無難である。勿論こちらの展開を加速してくれるボウルタウンやせせらぎの丘の採用もアリだろう。

水デッキが組みやすい理由 エクストラはグッズが強いので当然このカードの価値も上がる

エネルギー編

 イルカマンexのみで戦うなら当然水エネルギー軸でよい。水タイプの特殊エネルギーの中でもウォッシュ水エネルギーはくるいえぐるやジージーエンドGX、ペイルムーンGXなど環境に跋扈している強力な効果のワザを防ぐことができるようになるため是非4枚採用したい。今回は家から見つけられなかったため2枚のみの採用である。エネルギーの総量は特に少ないとは感じなかった。イルカマンexで攻撃するターンまでに手張りすればいいことやバケツ1枚で2匹のイルカマンexを育成できること、ポケモン回収サイクロンやアセロラで1枚のエネルギーを使いまわしやすいからであろう。

2.各対面有利不利関係

 まだ対人戦をこなせておらず、適当に1人でデッキを戦わせてみた所感によるところが大きいことに注意してほしいが、明確に厳しいマッチアップはミライドンexを軸としたかみなりデッキくらいに思える(面倒なのでLO系統とはまだ戦わせていないが)。こちらがワンパンさえされなければ特性ロック+回復で殴り合いに勝てることが多い。かみなり軸のデッキも特性で回すデッキであり、ギガインパクトでワンパンできるサイド2のポケモンが攻撃してくるため、ダストオキシンを発動させながらの手札干渉を徹底すれば見た目ほどムリゲーではないという印象を受けた。また、エクストラバトルの日でも人気の高いドラゴンルギアに対しては特性ロックも高耐久も有効に働くためかなり戦いやすく感じる。ウォッシュ水エネルギーのおかげでジージーエンドGXを他のデッキよりケアしやすいことがうれしい。その他の対面の所感については経験を積んでから気分次第で加筆しようと思う。

3.まとめ

 特にプレイについては言及してこなかったが、自分がそそっかしいというのを踏まえてもプレイミスが起きやすいデッキと感じた。例えばギガインパクトを連発するつもりでプランを組み立てる、あるいはグズマを使ってがまんのかべの特性ロックがなくなってからナミイルカを進化させようとする、などがある。他のデッキであればゴリゴリデッキを回して何とかなることも多いが、このデッキはあまり1ターンでできることが多くなく、このようなつまらないミスが致命傷になりやすい。ここまで読んでくれた皆さんもこのデッキを使って丁寧なプレイを身に着けることを心掛けてほしい。そしてこれまでの雑感を踏まえた上で是非自分なりのエクストライルカマンデッキを作ってTwitter上にレシピを放流していただきたい。
 





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