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新興国株投資は必要か?!

米国株一本派からは、「パフォーマンスで米国株が最強、さらに米国企業は、世界中でビジネスしているので、米国企業だけ買えば、全世界に投資しているのと一緒!」という論調もあり、イラナイ子扱いの新興国株・・・

たしかに、リーマンショック後は、新興国株のパフォーマンスはいまいち。
 GDPの伸びにもかかわらず、様々な要因で、株価には反映されず・・・
 果たして、この新興国株は必要ないのでしょうか・・・?

最近、ピケティの「21世紀の資本」を読み返しています。
 本書は2010年くらいまでのデータを取り扱っているので、もうかなり古いのですが、それでも「時の試練」に耐えうる名著だと思っております。
 本書によると、国際的には、資本の所有と、海外からの所有は、ほぼプラマイゼロらしいです。
 つまり、米国は外国の資本を所有しているけど、外国も米国の資本を所有しており、これはほぼプラマイゼロになっているそうです。
 ここから、「世界的に分散投資したいなら、やはり全世界にまんべんなく投資したほうがいい」という結論が導きだせます。
 例外としては、戦前の植民地帝国であったイギリスとフランスくらいですね。
 今では、ドイツと日本が、かつての貿易黒字で、海外資産の保有が上回っているようです。とはいえ、かつての英仏植民地帝国に比べると、かなり少ない割合で、ほとんど大勢に影響はない程度であるようです。
 
 この時点で、「全世界に投資したいなら、やはり新興国株インデックスは必要だ」ということになります。
 さらに、新興国のGDP成長が株価に反映されない、ということですが、これも何十年単位の長期投資であるなら、「いつかは反映される」と思います。
 投資の時間軸をどこに取るかで変わってくるでしょうが、大半のインデックス投資をしている人は、長期投資を見込んでいるはず。
 すでにGDPでみると、アセアンやインド、アフリカのGDP成長率が、世界の経済成長を引っ張っている感じです。
 ここに全く投資しない、というのも、ある意味でリスクだと思います。

世界には、僕らの知らないことがまだまだあるはずなので、自分で勝手に判断するよりは、全世界にまんべんなく投資しておく方がいいと思います。
 この場合、全世界インデックス、通称オールカントリーを買うのもいいですが、先進国、日本株、新興国の3本を組み合わせておくのが、よりベターだと思います。
 理由としては、仮に新興国だけ値下がりしたときに、新興国だけ狙って買い付けることができるからですね。
 そこまでこだわりたくない人は、オルカンでもいいと思います。
 先進国株が大きい割合ですが、それもいつまでも続くかもわかりません。
 やはり、分散しておくことで、「取り逃し」がなくなるのは、大きいと思います。
 よく言われることで、「インデックス投資は、上位数%の銘柄が、パフォーマンスの大半を生み出している」わけで、どこに「お宝」が埋まっているかなんてわからない前提で、インデックス投資をしているはずです。
 ならば、やはり新興国という広大な地域と、莫大な人口を放棄しない方がいいと考えます。
 もちろん、決して新興国が、将来に莫大なリターンを生み出すと確定しているわけではないですが、株価は長期で見ると、GDP成長率と相関しているので、いつか収穫の時期が来ることを、気長に待ち続けるというのも、必要でしょう。
 そもそも、今の先進国が先進国になるのにかかった年月は、50年~100年という単位なので、新興国投資はそういうものだと思って取り組むのがいいでしょう。
 焦って買いまくる必要はないですが、最初から切り捨てるのもどうかな、と個人的には思います。

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