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清水義範知ってますか?

 清水義範 という作家がいる。一発で文字変換が出来なかったところによると実はあまりメジャーな作家ではないのかもしれない。そういえば僕の推しの當真あみも一発で文字変換できない。まだメジャーになり切れていないようだ。頑張れあみちゃん。それはどうでもよろしい。
 清水義範の「蕎麦ときしめん」という短編集を最初に読んだのが出会いである。それまで僕も彼の名前は聞いたこともなかった。会社の名古屋育ちの先輩に薦められて読んだのだが、なぜここでわざわざ名古屋育ちのと書くかといえば、清水義範が名古屋出身で、結構名古屋の内輪受けするような内容の本をいっぱい書いているからである。名古屋出身だから中日ファンかと思えば、彼は巨人ファンであるらしい。由々しきことである。でも巨人のことよりも中日についてやたらと書いている。
 本のタイトルにもなっている「蕎麦ときしめん」という小説も名古屋の内輪受け 小説である。だが名古屋人だけに受けるかというと万人受けする。面白い。この本に収録されている作品全てが、実は面白い。笑える。特に僕の好きな司馬遼太郎の文章を真似て書いた「猿蟹の賦」「商道を行く」等は体全体で喜びを表現したくなるほどの傑作である。パロディ小説なのだが、彼の作品の場合、パステーシュ小説というらしい。フランス語で作風の模倣という意味らしい。司馬遼太郎ファンの人ならば必ずや僕と同じ感覚に陥るだろう。
 この他にも沢山パステーシュ作品を出している。まだ一度も清水義範に出会ったことのない方には、是非読んでみて頂きたい作家である。

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