恋は盲目について

そろそろ終わりにしたい気がしてきた。恥ずかしい。

高校2-3年は好きな人も作らず、色んなことから逃げるように漫画やアニメ、VOCALOIDの曲にはまっていった。コミケに参加したのもこの頃だった。
高校最後の春休みに、池袋のカラーギャングがでてくるアニメにのめり込んだ。そのアニメ内に出てくるチャットをモチーフにした掲示板に顔を出すようになる。
そこで出会ったのが2個年上(記憶が全くない)くらいのCだった。最初に書きますが、本当にCとの記憶があやふやで無いに等しいのです。

掲示板もそうだが、クラスにしても大勢の人間が不特定多数と絡んでいても、次第に幾つかのグループに分かれていく。その掲示板内で、10人前後のグループに落ち着いていくのにそう日はかからなかった。大所帯の掲示板から、身内だけのスカイプへと場所を移したグループ内で1日中話すようになる。
Cは今思うと厨二病をそのまま引きずったような人だったと思う。ただ、スカイプで朝から晩まで特定のグループで会話をしているといろんな感覚が麻痺して行った。ある種、マインドコントロールのような、洗脳にも似た狭い世界の中で、顔も知らない異性がとても魅力的に見えたりする。
お互いに顔を隠した写メを送りあったり、部屋の写メを見せたりした。心の何処かにある、何かいけない事をしているのだという気持ちが私の感情を加速させていく。
その渦に身を弄ばれているうちは、その衝動の名前を知らなかった。あとから知る、その名前は、背徳感だった。19年間生きて来た中で、1番狂気に染まっていくようだった。まざまざと魅せられ、その淵に身体を少しずつ沈めていくことの恐ろしさに酔いしれていた。

半年経ち、私は大学1年生の夏を迎えていた。そのメンバーでオフ会が行われることになり、それがお開きになった後、2人で落ち合った。
何をしても過敏に反応する年齢だった私は色めきだったし、初めての年上の彼氏という存在との対面に浮かれきっていた。夕飯を共にして、別れるだけという誠実さにも、大人の余裕を感じてさらに惚れ込んで行った。

田舎から都心まで2時間強の町に住む私と、同じく都心まで1時間強の海沿いの町に住むCの中距離恋愛が始まる。
お互いに学業があるものの、講義の間はメールが止まらなかった。3歳の頃から片鱗を見せていたが、私は愛が重くストーカーの素質も持ち合わせていた女なので、メールの数は尋常ではなかった。
返事が来たものへの反応の速さと、些細なことで連絡を取りたがる私はだんだんとCに疎まれていく。
また、出会いの場がインターネットだったこともあり、自分以外の女と話すCが妬ましかった。メールを返さないのに、ツイッターで別の子にリプライをするCが理解できなかった。

それでも3ヶ月ほどが過ぎた頃、一人暮らしのCの部屋へ泊まりにいくことになった。オフ会で会ってから2度目には泊まりに行った気がするが、私はCとの記憶が酷く曖昧で定かではない。その間にもう一回くらいオフ会があったような気もするし、なかったような気もする。
流石に年上の彼氏の家に泊まるということがどういうことかはわかっていた。だから可愛い上下セットの下着を着けたりした。このnoteがどれほど男女間のあれそれに寛容なのか分からないけれど、初めて体験する色事の最中に、私は今の旦那と結婚するまで引きずるトラウマを抱えることになった。
行為そのものが痛いだとか辛いだとかもあったが、それとは別に、である。
その帰りか何かに、それでも恋に対する憧れやふわふわした夢を捨てきれなかった私はCにペアリングを強請った。2,000円くらいの小さな、青い石がついたリングだった気がする。

それから2回くらい泊まったと思う。
けれど、初めての行為の時に抱いたトラウマから、私はCからの求めに応じなくなっていった。それが理由なのか、少しずつCから距離を取られるようになった。


まだまだ続くんですが大丈夫でしょうかね……

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