見出し画像

Fediverseに4ヶ月くらい滞在している人間の雑感

Twitter(現X、以下便宜上Twitterと表記)から日頃使うSNSの主軸をFediverseに変更してから、気が付けば早4か月以上経っていました。
今日はそのことについて書こうかと思います。

【解説】Fediverse(フェディバース)とは、MastodonやMisskeyなどのSNSソフトを使って作られたSNSサーバー群の総称です。
ActivityPubという共通の仕組みでお互いに繋がっていてサーバーが違っても相互にやり取りができるようになっています。

こんなことを言われてもさっぱりわからん! と思う人の方が多そうですが…。
理解して貰える内容になっているかはわかりませんが、以下「私がFediverseに引っ越しをして思ったこと」について日記のように書いていこうと思います。


なぜTwitterから引っ越そうと思ったのか

2023年7月ごろにTwitterのAPI制限が厳しくなり、一時的に閲覧もツイートも出来なくなるという事態が起きました。それが直接の原因です。

自分の考えなどを文字にするのが好きなんですよね。普通に物を考えるよりも、頭の中が整理されてすっきりする気がするので。
ですがTwitterの不調でそれが行えないままかもしれない…という不安から、代替先を探すことに決めました。

なぜFediverseなのか

一応Fediverseに触れたことがあった

Twitterが先行き不透明なのは私が引っ越しを考えた7月に始まったことではなく、もっと以前からちょいちょい不安な出来事(誤凍結の多発など)が起こる場ではありました。

以前そのようなタイミングで友人がFedibirdというMastodonのサーバーをオススメしてくれており、登録したことがありました。
その上で友人は「Fedibird(Mastodonのサーバーの一つ)に登録しても、Misskeyなど他のサービスの人をフォローすることも出来るよ!」と教えてくれました。

学び① サーバーはどこに登録しても他サーバーのアカウントもフォローできる!

Mastodonなどの名前は聞いたことがあるけれどサーバーがたくさんある…!? なんだか難しそう…どれにすればいいんだ…という地点で悩んでいた私には、「とりあえずどこのサーバーに行っても他サーバーの人をフォローはできる!」という内容を教えて貰えたことでハードルが下がって感じられ、良かったです。

更に言うと「このサーバーに私も居るからここにおいで!」みたいな誘い文句は非常に助かる所があります。どのサーバーにするか迷っているところに選択肢を提示するだけでなく、知り合いがそのサーバーが良いと判断しているとか、知り合いがいるという事が確定しているので、非常に後押しになります。

サーバーというものから想像するのは、ネットゲームのサーバーのような、「一度選べば取り返しがつかず、違うサーバーの人とは一緒に遊べない…」みたいな物だったんですが、実際にはFediverseのサーバー選びと言うのはそんなシビアな感じのシステムではないのでした。(もちろん、知り合いが同じサーバーに居れば繋がりやすいので知り合いがいるに越したことはありません)

TwitterのようにTwitter=Twitterという一つのSNSという世界ではなく、Mastdonであれば「MastdonというSNS用ソフトウェア」を使ったサーバー(個人が立てることも出来る、というか大半は個人運営のサーバー)がたくさんあり、Misskeyの場合も同じようなサーバーがたくさんあり(他にも何種類もソフトウェアが存在しています)、それぞれが互いにゆるく繋がりあって連絡を取り合う事が出来る、というのがFediverseという世界線です。

私はFedibirdに登録したことで初めて「Fediverse」という言葉を知り、それ以外の概念や仕様についてもわからないなりに知る機会ができました。
特に(Twitterにはない要素として)絵文字リアクション機能はとても楽しい! 大好きです。

学び② 絵文字リアクションが超楽しい

【解説】絵文字リアクションとは、ユーザーや管理人さんが登録したオリジナルの絵文字をスタンプのように使って人の投稿に反応ができる機能です。
「Twitterのいいねボタン以外に『わかる』ボタンとか『悲しいね』ボタンが欲しい…!」のような願望が見事に形になったようなシステムです。
こちらはMisskeyというSNSソフトに実装されている機能で、本来はMastodonにはない機能なようなのですが、Fedibirdでは独自機能として実装されています。

絵文字リアクション、リプライよりもずっと気軽に自分の気持ちを伝えられるし、お互いに「偉業」とか「おつかれ」とか挨拶やポジティブな言葉をかけあう空気ができていてとても好きです。
これは余談になるのですが、絵文字自体を作ったりするのも楽しいので私は大好きです。またそういう記事も書きたいなあ。

しかし、長続きしなかった…。

しかし、Fedibirdでの生活は長続きは全くせず、すぐに飽きてしまいました…。
「誰をフォローすればいいのか全く分からない」というのが敗因でした。
友人もTwitterの不調が収まるとほとんど浮上しなくなってしまい、知り合いが誰も居ない状態に。

Fedibirdはローカルタイムラインと言う機能がないサーバーなので、Twitterライクな使い方をする用途や自分の真面目な考えなどを一人で壁打ちするのには非常に向いている半面、新しい知り合いやお友達を作るのには向いていない…という気分になってしまいました。(個人の感想であり、Fedibird自体は非常にいいサーバーです)

【解説】ローカルタイムラインとは、そのサーバーに登録している人の公開投稿が流れて来るタイムラインです。Twitterの「フォロータイムライン」のみのシステムとは違ってMastodonやMisskeyには複数のタイムラインがあり、「自分がフォローしている人の投稿が流れて来るホームタイムライン」「ローカルタイムライン」「登録しているサーバーと投稿を通信し合っているサーバーの投稿がたくさん流れて来るグローバルタイムライン」などがあり、それらを切り替えながら見ることができます。

学び③ サーバーは何回選び直しても良い

この「Fedibirdは一度使ったが自分には合わなかった」という過去の反省を元にして、新しいサーバーに登録しようかな、と思い立ったのが7月かその前あたりだったと思います。
サーバーはたくさんあるので何回登録しても良いです。(むしろそれぞれに特色があるので登録してみて空気を見て判断してみるのもアリです)

今度は…ローカルタイムラインがあって…絵文字リアクションがあって(必然的にMisskey)…今度は内省や真面目な話以外のオタク的な話をメインにして楽しく過ごしたいのでゲームや絵を描く趣味などのオタク的な明るい話が出来そうなところで…。
知り合いの人はいないので招致制とかではない今公開中のサーバーで…。管理人さんが趣味が合いそうな人だったらなお良くて…。
あと私のキャラの濃さが悪目立ちしないタイプのサーバーだといいなあ…。
ちょっとタイムラインで架空の邪神崇拝とかするかもしれないんだけど大丈夫かなあ…利用規約的に「良いよ!」って書いてあるとこがいいなあ…。
…………。
……。
…。
そんなサーバー、なくない?

ありました。(理想に合うサーバー)

結局私は皆尽村という、「因習村風SNS」というテーマのめちゃくちゃかっこいいSNSを発見してめちゃくちゃ皆尽村が肌に合ってしまい、7月に登録してからほぼ毎日ログインしてTwitterを全く触らなくなるくらいのめり込んでおります。
因習村風!?!? とびっくりしてしまいますが、ホラー要素はなく、タイムラインの内容としては普通の日常についての投稿や雑談、オタク趣味についての投稿、あとBLEACHの話が多いサーバーです。
BLEACHの話が多いです。
あと因習村(テイスト)という土地柄、架空の神様(把安蛇暗銅鑼無様など)が崇拝されがちでRP(ロールプレイ、オリジナルキャラクターや村人設定を作っている人が多いのでそのキャラ要素を取り入れて喋る事)なども許容されるため、架空の宗教を崇めることはオッケーだそうです。やったね!(現実の実在宗教の本格的な布教などはもちろんNGです)
あるんだ…架空の邪教の崇拝がオッケーのサーバー…。

皆尽村はMisskeyのフォーク(アレンジされた分家みたいなもの)のFirefishというソフトを使っています。そのためMisskeyのサーバー一覧を眺めていても発見できなかったのですが、偶々管理人さん(というか村なので村長さんです)の紹介投稿をタグから見かけることができて辿り着くことができました。ラッキーです。
使い勝手は一般的なMisskeyと大きくは変わらないと思います。(多分)

折角Fediverseにいるのだから他のサーバーも気になるな…と思いながら、本当にここのサーバーが性に合っているのでここ以外に他のサーバーをほぼ試せていない程度に自分に合ったSNSでした。うれしい。

Fediverseに来て分かったこと

Twitterの代替ではなく、あくまで別物である

「Twitterの代替を探そう」と思って他のSNSを探した身でなんなのですが、結論から言うと他のSNSはTwitterの代替にはならないとすぐに気づきました。
機能面で言うならばFediverseのSNSソフトはTwitterよりも優れた機能がたっくさんあるのですが、やっぱりSNSの主役は「人」なので、少なくとも友達を複数人、一緒に連れて来ることに成功しなければ「代替」は難しいでしょう。
マイナー作品のファンを探すことなども人がまだまだ少ないので結構難しいです。
また、企業アカウントなどもほぼほぼ引っ越して来てはいないので、情報収集にはTwitterの方が向いています。イラストなどの自作品などの拡散もTwitterの方がまだ分がある状態だと思います。

その代わり、全く別のSNS体験ができて日々とても楽しく思っています。
ローカルタイムラインで同じサーバーを選んだ趣味の合う人たちとわいわい盛り上がりながら仲良くできるの、楽しいです!

自分は親しくなった人とゆっくり少しずつ人間関係を築きたいタイプなので、最初からローカルタイムラインがあって共通の話題で盛り上がれる人がおり、メンバーの変動が(ないわけではないけど)ゆっくりとしている小~中規模サーバーはぴったりでした。
(この辺の規模感はサーバーによるところが大きく、例えばレターパックや与謝野晶子のミームで有名なMisskey.ioというサーバーは非常に規模が大きく、現在はローカルタイムラインでも人と交流するのが難しい状態のようです…)
絵文字リアクションなどの心理的ハードルの低さなどもあり、人と関わっているという充足感や人から肯定的なリアクションが返ってくる安心感はTwitterにはない魅力があります。

避難所や代替などとはあまり難しく考えず、新しい体験が出来たりのんびりしたSNS生活を楽しめる別荘地のように捉えた方が実態に合っている可能性もあります。

情報が拡散されづらいということは裏を返せば苦手な情報も目に入ることが少ないという利点になります。Twitterとは空気感がまた違うので、気分転換にオススメです。

SNSを「選択」しているという意識が増した

Twitter廃人だった時、空き時間が出来れば体が勝手にTwitterを開いていたような気がします。(依存症に近く、良い状態ではないです)
それが、別のSNSにも触れるようになって以来、自分は意識的に/主体的に/選択的にSNSをやっているのだ…という気持ちが生まれた気がします。
私の頭の中でSNS=Twitterと言う思い込みがあったような気がするのですが、それが思い込みだと気づかされたというか…。

SNSは本来余暇の楽しみなので、睡眠時間や健康や他のやりたいことの時間を削ってまでやるようなことではないのですが、私はその取捨選択が苦手です。
なので、より一層「今自分は自主的にSNSをしている!」という事に気づきまくって、自分に合った無理のないペースでSNSや日常生活をしていきたいと思います。

Twitterで見かけていた苦手な話題なども、Twitterからいったん離れることで「ストレスを感じていたんだなあ」とやっと気づけることが多かったです。
(苦手な話題でもちゃんと知っておいたり考えた方が良いこと、というものもあるというのは当たり前の前提として、)Twitterしか選択肢がない、と思っていると、際限なく流れて来る話題やTwitterならではの空気に対するストレスに気づきにくくなってしまうので、選択肢があるというのはありがたいことだな…と思いました。
(もちろんTwitterの全てが悪いとは思っていませんので、これからも自分に合った形で利用は続けると思います)

学び④ 投稿の公開範囲などを自分で選ぶことができる

Fediverseではたくさんのサーバーがあり、色々なアカウントやサーバーを本人の目的に合わせて使い分けることが推奨されます。
なので好みの話題になっているローカルタイムラインを見たり、自分が分からない話題が主題になっているうちは他のアカウントの方を見たり、ローカルタイムライン関係ない投稿をしたり…という自己コントロールがTwitterよりも大切になります。

ローカルタイムラインがあるとフォローをしなくてもたくさん投稿が目に入って楽しい半面、自分が稿する側になるとローカルタイムラインの流れを切ってしまうのが気になる…という方もいるかもしれませんが、正直流れを好きにぶったぎって大丈夫です。
もしも気になるようでしたらローカルタイムラインに流れないホーム投稿やフォロワーにしか見えない鍵投稿なども選ぶことができます。
Twitterとは違って、投稿ごとに公開範囲を細かく選ぶことができます。
また、CW(コンテンツ・ワーニング、注意書き)という機能で内容を綴じ込んでワンクッション置くことも出来ます。
これで、「ネタバレなので内容をワンクッション置きたい」であったり「愚痴なのでそうと分かるようにして親しい人にだけ見てもらいたい」などのコントロールが可能になります。
便利。とても便利。
アカウント自体のフォロー許可を自動で通す/承認制にするかどうかも別個で決めることができます。

この辺りを都度都度目的意識持って設定することが出来れば、SNSに振り回されることなく快適にSNSライフを送れると思います!

サーバー紹介

言いたいことはあらかた書かせて頂いたので、話に上げさせていただいたサーバーを改めて紹介したいと思います。

Fedibird

独自の多機能を備えたMastdonの汎用サーバー(特にサーバー側で推奨する話題などを設けず、どんな話題に使って貰ってもOKですよ、というスタンスのようです)になります。
前述した通りローカルタイムラインがありません。Twitterライクな使い方や壁打ち、もしくは逆にありとあらゆるサーバーの人をフォローして独自のホームTL(フォローTL)を構築するのにも使える、便利なサーバーだと思います。
初めてのFediverseにも慣れてきた人のサブアカウントにもおすすめなサーバー。
あと検索機能がつよつよ。アカウントがあると便利です。

招致制ですが、管理人ののえるさんが不定期に招待コードを発行してくれている他、このサーバーに登録している人であれば誰でも招待コードを発行することができます。
あと私は管理人さんののえるさんのお人柄が好きです。
勉強になる知見から日常的なのほほんとした投稿まで色々な事を投稿してくれています。

皆尽村

私が現在お世話になっている因習村風サーバーです。
こちらも汎用サーバーなのですが何故か漫画・アニメ・ゲーム・グッズ他オタク趣味の事を喋っている人が多いです。あとBLEACH。
夜型の人も多く、夜間のTLが賑わっています。(もちろん朝型の村民さんも募集中なので村に合いそうだと思った方はぜひ来てください)

因習村風と銘打っていますが雰囲気だけでホラー要素はなく、アットホームで優しい人が多いです。

また、絵文字作成が非常に盛り上がっており、小規模サーバーなのですが絵文字数が充実しています。
絵文字作りに興味が出た人にも地味におすすめです。

管理人さん=村長さんは夜坂さんと言う方で、私は夜坂さんのお人柄も大好きです。
よくTLにユーザーとして参加する傍らで、何か困りごとがあった時なども素早く対応してくださる方で、非常に助かっています。
あと面白い事へのアンテナが高い方で、村長主導で村のイベントごとが開かれると祭りになり、めちゃくちゃ楽しいです。(村民200人記念の副村長選挙が10,000票を大幅に超える大盛況具合になるなど。なんで?

皆尽村の使用ソフトであるFirefishはローカルタイムラインの内容を登録していない状態で見ることができない(MastdonとMisskeyはできます)ため、登録して合うかどうかは博打だなあ…と思っていたのですが、村長さんの投稿を見てみるとタイミングよく自分の好きなゲームの話題を出しておられたのでホイホイ登録してしまいました…。

そのサーバーに登録するか悩む時は、管理人さんの投稿を見て判断するのは結構おすすめかもしれません。(FediverseのSNSサーバーはほぼほぼが個人運営のSNSになるので、管理人さんとどこかで関わる可能性が非常に高いです)

まとめ

  • Fediverseは良いぞ

  • Twitterの代替にはならないかもだけど別荘地として楽しいよ

  • サーバーたくさんあるので好きな所を選んでね

  • 後からサーバーやり直ししてもいいぞ

  • 便利な機能いっぱいあるよ

  • 友達がいなくてもローカルタイムラインで人と仲良くなったりできるよ

  • 楽しいよ(私は楽しくやってるよ)

以上です。
ご拝読ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?