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人間くさく生きたい(2)

おはようございます。
前回「人間くさく生きたい」第一弾として文章を投稿しました。

いつも自分の事を口にすると体調不良になる事が多かったのですが、思ったよりも気持ちが平坦で驚いています。
心あたたかなコメントの数々、本当にありがとうございました。

「自分もう大丈夫だ!」…と調子に乗ってまた下書き保存を解放したいと思います。因みにこれまでの下書き保存をまとめましたら(4)までになりましたので、お付き合い頂けたら嬉しいです。

つぎはぎの文章で、所々おかしな部分もあるかもしれません。そこは大目に見てください。



僕の出身は四国になります。
緑が深く、海も山もすぐ側にありました。
現在関東で暮らしていますが、時々田舎の自然が恋しくなります。

両親と姉と弟で暮らしていましたが、僕の記憶の中には必ず誰かが欠けています。姉とは10歳離れており、弟とは1歳違い。
中間子だか、戸籍上は長女という変な立ち位置にいました。

共働きの両親は常に忙しく、長期休暇になると弟とセットで父方の祖父母の家へと強制送還されていました。姉は母方の祖父母の所へ。
それは中学に上がるまで続き、夏休みなど友人と遊んだ記憶がほぼありません。


話は戻りますが、まだ保育園時代に祖父母の家で過ごしていた頃。
お盆に関係なく、よく弟と共に墓掃除に連れ出されました。
ザ・山!っていうぐらい自然の中。

田舎の墓は1人1基。
段々畑の様ないくつもある墓に手を合わせ、あぁ、人は死んだらこうやって墓に入ってみんな一緒にいるんだな、と子供心に墓に対して安心感を抱いていました。1人じゃないんだなって。いつか自分もここの墓に入って、大好きな祖父母や家族と一緒にいれるんだなって。

自然の中に囲まれたこの場所が僕は大好きでした。

「うちもここに入る」と言ったのを覚えています。

しかし「あんたは入れんよ」と草むしりに夢中の祖母に言われました。

「じいちゃん、ばあちゃん、お父さんにお母さん、それに弟はここだけど、あんたの墓はここにはない」って。

「な、何で?」

「だって長男じゃないでしょう?」と。

そう、完全なる長男教の人達だったのです。

ちなみに、父は一人っ子長男。その親である祖父も一人っ子長男。曽祖父も。
とても家系図の細い、そして狭い範囲の中で生きてきた人達でした。

そんな中生まれた僕は、性別が「男ではない」という理由からすでに居場所が無い事をこの時知らされました。

まだ性の区別の無い幼少期。
なりたいと思ったらなれるもんだと思っていました。
だから「男になろう」と素直に思いました。
男になって家族の中に入れてもらおうって。

これが「僕」の始まりです。

忙しい両親に変わって、僕の側には常に祖父母の存在がありました。
小学校に入りしばらくすると姉の存在は大学進学の為家族の中から消えました。
それと入れ替わる様に父方の祖父が単身同居しにやってきました。

教育熱心だった祖父は僕…というより特に弟にべったり。
以前、渾身の絵を見せたら「そんなもの描いてないで勉強しなさい」と怒られた…と書きましたがこの話には続きがあります。

その絵は小学校の時に出た夏休みの宿題(ポスター)でした。年子の弟も同じ宿題があり、やる気の無い弟の為に祖父は自分の描いた絵を持たせました。
周りはその絵が上手だと褒め、弟も悪びれる様子もなく提出していました。様々な感情が生まれましたが、僕はもう何も言わない事にしました。

弟の欲しがるものは何でも揃い、僕はそれをずっと側で見ていました。

祖父母はどこか旅行に行った時、弟にだけお土産を買ってきました。

何かを頑張ったら弟には必ずご褒美がありました。

もうね…本当に何でやねんっ!っていう状況が多すぎて感覚が麻痺していました。10歳頃にはどれもこれも、僕が男の子じゃないからだと思うようになっていました。

それと同時に発育で見られる第二次性徴に、絶望感しかなくお祝いでもらったお赤飯を泣いて嫌がった記憶があります。
両親や周りからしてみれば、何がそんなに嫌なのか理解できず「扱いにくい子」として確立してしまいました。

そんな周りのプレッシャーを背負わされて生きてきた弟の方こそ苦労があり…今申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
ただただ羨ましくて……色々意地悪しちゃってごめんね。

ただ少し環境が悪かっただけ…今はそう思っています。
誰が悪い訳ではない。
僕を含めて家族みんな苦しみ、家族みんな頑張った。

ちょうど1年前、実家の荷物を片付けると連絡が来た時、では僕は僕で「気持ちの片付け」をしようと実家に対してのネガティブ感情を捨てました。
これまで抱いていた思いと一つ一つ向き合い、自分自身に集中できるように環境を整えました。

風通しが良くなると、今度は自分に対しての感情が整理でずこの1年苦しんできました。しかし、もう大丈夫。「僕」も「私」もどちらも自分と言えるようになりました。
巡り会えた転機と、出会った全ての方々に感謝致します。
本当にありがとうございました。

では今回はここまで。

今夜続きの(3)を投稿予定です。
明日の朝、最後の(4)を投稿し、このお話は終わりにします。

終了後再び物語と絵本の通常noteへと戻ります。よろしくお願い致します。

読んで頂きありがとうございました!

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