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保険はすぐに売り込んじゃダメ?青木想さんが教える「受注までに不可欠なプロセス」とは

「私の未達時代」では営業の第一線で活躍するトップセールスを訪ね、彼らの考える営業の極意を語っていただいている。今回はワーキングマザーで保険営業をおこなう株式会社Surpassの青木想(あおき・そう)さんを取材。前半では主にこれまでの苦労や失敗談について、またそこからどう乗り越えてきたのかなど、彼女の営業人生を赤裸々に語っていただいた。

後半では彼女の習慣にしていたことや隙間時間の活用法、休日の過ごし方などより具体的な戦術に迫る。

商談前の「茶アポ」を通じて、ナーチャリングを実施

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——青木さんが売れるようになった頃の1日のスケジュールを教えてください。

朝8時にオフィスに出勤してmtgをし、11時からはアポを入れてお客様先へ。お昼は必ず誰かと一緒にランチをし、午後は「茶アポ」の時間、夜は商談もしくは飲み会をする。このような日々を送っていました。

夜の時間は人脈を広げるチャンスなので、基本的に個別アポは入れずに複数人で集まる予定を入れました。

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——ちなみに、夕方の「茶アポ」とは何でしょうか?

名前に「アポ」とついているので紛らわしいのですが、お客様と1対1で会って、「カフェでお茶する」時間のことです。その場ではこれといって保険の話はせず、たわいもない話のみ。ただお互いの人となりを知る時間を意図的に作っていました。

——なるほど!茶アポをするのはどういった意図があるのでしょうか。

商談につながる見込み客の育成「ナーチャリング」をしていました。今すぐ保険が必要ない人も、もしかしたら将来のお客様かもしれない。そのように捉えて、茶アポを通して一人ひとりに向き合い、時間をかけて関係性を作っていましたね。

お客様には定期的に連絡し、一回きりではなく繰り返し会う。人って、自分に好意を寄せてくれて、定期的に会う人を嫌だと思わないじゃないですか。
そういう関係性を作っていく中でそのなかで、ある時ふと「そういえば青木さんって保険の仕事をしているんだよね」という話になる。これが理想の流れです。

その流れを作れるのであれば、会う理由は合コンでも女子会でも何でも良くて。お客様には何かしら理由をつけながら、距離を縮めるための機会を設けていました。

——茶アポのなかで、営業をするべきタイミングなどはあるのでしょうか。

そうですね。お客様によって保険に対する重要度も違うので「何回目」とは言い切れません。

例えば、結婚が決まった際に保険入会を検討することがありますよね。しかし結婚のタイミングは本人たち以外は誰にも分からない。だからこそ、その方が保険加入を検討するまで待ち続けることが大事なんです。

ただタイミングを見極める必要はあります。待ちすぎてしまうと「保険の話を聞いてほしい」と言いづらくなってしまうので、しっかり頃合いを見計って話をしたり、興味を持つきっかけになるセミナーに招待してみたり。待つことも肝心ですが、適度に保険の話をする必要はある。そのバランスは非常に難しいです。

隙間時間は成功パターンを振り返り、戦略を練る

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——茶アポや飲み会を重ねる度に、出会う人もどんどん増えていく。これまで数え切れないほどの人と出会ってきたと思いますが、何か工夫されていたことはありますか。

これまで出会った人については家族構成や状況など全員分をメモし、忘れないようExcelで管理していました。

——さすがです。では他に青木さんが習慣にしていたことはありますか?

隙間時間はノートを片手にお気に入りのカフェに行って、次の商談の戦略を立てていました。まず「いつ」「誰」の商談で、「どのように」予定を入れるとうまくいったのかなど、前月の勝ちパターンを振り返る。次に今月はどのようにアプローチしていこうか考えていましたね。商談の振り返りと戦略立ては、絶対に月に一回はやるようにしていました。

またお客様の整理もしていました。直近で会った人やそろそろ連絡したほうがいい人などカテゴリーで振り分けて、その中で「この人には今週連絡してみよう」と決めていました。

——ノートに書きながら商談の戦略を練っていたのですね……!

はい、あとはマーケットを開拓するための戦略も練ってねっていましたね。

商談をするなかで、自分と相性の良いお客様が分かってくると、次はその方にアプローチする方法を考える必要があります。私の場合は「年上の独身女性」が得意だったので、彼女たちが集まってくれるためにはどのような場を設計すると良いのかを常に考えていました。

どういう場を開いたらターゲットが集まるのか、どうしたら新しい出会いができるのか。考えた結果、私自身過去にはみんなでワインを飲む会や勉強会などを開催主催したことがあります。

ー勉強会も開催されていたんですか?

2年目のタイミングで、もっと大きい金額を動かすために法人保険を預かりたいなと思ったんです。
そこで経営者の繋がりを作るために、起業家コミュニティの人を紹介してもらい、経営企画の勉強会を開催していました。

——青木さん自らが動き場を設定し、新しい出会いを生む。

そうですね、これをやっていると自ずと出会う人は増えていきます。時には仲良くしている人が保険入会希望者を紹介してくれることも。どこで何が起きるかわからないので、とにかく戦略を考える時間を絶やさないことが大切です。

行動量からしか勝ちパターンは生まれない

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——青木さんのオフ時間の過ごし方について教えてください。

実は週末も1日は商談をする日々だったので、本当に忙しく、なかなか自分の時間は取れなかったのですが(笑)。

そのなかでも常に安定したメンタルを保てるよう、リフレッシュしたり、気分を整えたりできるカフェやホテルを見つけ、よく行っていました。たまには良いホテルに泊まることも。営業は人と接する仕事だからこそ、マインドの切り替えは非常に大事だと思います。

——ありがとうございます。最後にセールスパーソンに向けてアドバイスをお願いします!

今なかなかうまくいっていない方は、近くの売れている同期や先輩の真似をしてみたらいいのではないでしょうか。きっと彼らは行動量が圧倒的に多いはず。逆にこれまでの経験から言うと、売れていない人は「どうしたら良いんだろう」と悩んでしまい、立ち止まっている人が多いです。

勝ちパターンも、さまざまな失敗や経験から生まれるものです。悩んでいる時に一件でも電話をかけ、メールを送る。何事もまずは量をこなすことが大事なのではないでしょうか。

ライター:フジカワハルカ




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