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ある夏の日

空は 青い
雲が 低い
その陰影は 濃く
奇妙な 立体感を 伴って
間近に 迫ってくる

何故か 気になって
太陽に 灼かれながら
スマホを かざす

何度 写してみても
今 目にしている 光景を
うまく 写すことが できない

何度も シャッターを きる
何度も 何度も…

なぜ こんなにも撮りたいのか
自分でも わからないままに…

今日の私は どうかしている

風が立ち 黒い雲が 湧き出す

バタッと 大きな音がして
雨が 一粒 木の葉を 打つ

一呼吸おいて

バタバタバタっと 大粒の雨が
木立を 激しく 叩き出す

肩に当たる 雨粒が 痛い
傘は ない

あー…
洗濯物…

と、唐突に 思い出し

我が 洗濯物たちよ
共に 濡れよう などと
埒もないことを思って 一人 笑う

まったく…
今日の私は どうかしている

遠くで 低く 
地鳴りのような 音がする

雷か…

ようやく 我に返り
びしょ濡れの 顔を 手で 拭う

家まで 5分か…

よし!
走ろう!

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