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ジョージア伝統"クヴェヴリ"の魅力🇬🇪

ガウマルジョバ!
東欧の国ジョージアで
ワイナリー修行中の青木です👋

 前回の記事では、クヴェヴリ工房視察の感想でほとんど埋まってしまったので、今回は今まで聞いたり読んだりしたクヴェヴリの魅力と青木的なクヴェヴリの魅力を存分に語っていきたいと思います!

 クヴェヴリって何?と感じた方はぜひ前回の記事をご参照ください!!

 論文、科学的根拠やデータなどは持ち合わせていませんので鵜呑みにせず、あくまでも青木の見聞録程度にお読み下さい!

<聞いたり読んだりした話>

さて、ここでは一般的なクヴェヴリの良さを書いて行こうと思います。

1.外的変化に強い。
 クヴェヴリは基本的に地面に埋めて使うので日光や外気温等の影響を受けにくく、特にワインを貯蔵している際に効果を発揮します。

 紫外線は殺菌(破壊)作用もあり、ワインにもダメージを与え、過度な酸化の原因にもなります。そのためワインボトルは紫外線を通さないように色のついているものが多いです。

 フィラディスさんが紫外線とワインに関する面白い検証をしているのでお時間のある方は見てみてください。


 また高温になるにつれ微生物の活動も盛んになりお酢になってしまったり、細菌汚染特有の臭いを放ってしまったりと温度変化には気をつけなければなりません。

 一般的に多いステンレスや木製のモノもワイナリー自体を地下につくったり冷房などの設備を充実させることで体現できますが、労力と金銭面ではクヴェヴリに軍配が上がるでしょう。

2.発酵に適した形をしている。
 ジョージアではクヴェヴリの形を子宮に例えるほど、ワインの母としての役割を担っています。

 ブドウジュースが発酵すると熱を生じ、その温まった液体は熱膨張を起こし密度が周りの液体と比べて低くなるので上部へと流れていきます。するとジュース内で上下の流れができかき混ぜられていきます。

 その流れ(対流)がおこると酵母と糖が接触する機会が増え、さらに温度も均一化していくので発酵がより進みやすくなります。

 クヴェヴリは子宮型(いちご型)なので液体の上部と下部が狭くなっており、その対流の効果が最大限に引き出されています。

対流の圧力がかかりやすい形

3.オリを除去しやすい
 ジョージア東部では白ワインを作る際、ブドウの皮や茎など(ジョージア語でチャチャ)を一緒にクヴェヴリの中へ入れて発酵させます。

 発酵が旺盛な時は、酵母が出す二酸化炭素によって水面へ押し上げられ、発酵が落ち着くと、その浮力が無くなるのでチャチャは下に降りていきます。

 クヴェヴリは底にかけて窄まっていきますのでチャチャ同士が集合し、濾紙のような役割を果たしながらゆっくりと沈んでいきます。

 完全に発酵が落ち着く頃には、チャチャは底へたまり、上部には澄み切った綺麗なワインが分けられています。

濾過しながら沈むチャチャ

 オリの多いワインは、微生物のエサとなるものも多く不安定なものが多いです。もちろん、味の要素としてオリを許容しているところもありますが極めてハンドリングの難しい玄人の技です。

 その為クヴェヴリの形は理にかなっており比較的容易に澄んだワインだけを取り出すことができます。

オリ引き終盤

 少しわかりづらいですが白いドロっとしたものがオリでチャチャと共に沈んでます。

4.おまけ
 クヴェヴリの値段は1Lあたり3ラリ(約150円)に対してステンレスタンクは市販の物で約550円、樽は中古で約650円(全て青木の記憶なので確実性はないですが大体こんなもんだと思います💦すいません)

 これも魅力の1つですね😊

<青木的な魅力>

 ここまでは客観的な魅力をお伝えしてきましたが、最後に1つどれにも勝る魅力を青木の主観でお伝えしていこうと思います!

それはなんといっても歴史です。

 世界中で広まっているワイン作りで、ドイツやフランス、イタリアなど様々な国がワインを研究し、より効率的で味の良いワインの作り方が体系化されてきました。

 その波に飲み込まれず8000年もの間、このクヴェヴリが愛用されてきました。

 しかも、その緩やかな侵略だけでなくトルコ民族やモンゴル、ロシア帝国などからの攻撃的な侵略でさえ消えなかった伝統の灯火に魅力がないわけないです!

 ロシア帝国の頃はひどく、ワイナリーは工業化し大量生産の時代に突入してジョージアの地場品種やクヴェヴリを禁止されていました。

 禁止された中で、欧州の技術の波の中で細々と紡いできた歴史は今までもこれからも人々を魅了し続けるでしょう。

 他の国のワインを飲んだことないジョージアのおっちゃんらは口を揃えてジョージアのワインが1番だと言います。

比べたこともないのに1番て言えるんです。

相対的じゃなくて絶対的な1番なんです。

それくらい愛があるんです!

 まだまだジョージアに対しては新参者なので体感できてないことの方が多いと思いますが、これからどんどんとジョージアを浴びていきたいと思います!!



 さて、今回の記事でクヴェヴリのワインを飲んでみたいなぁとジョージア行ってみたいなと思った人もいるんじゃないでしょうか?
なんならいて欲しいです😂

 次回は、皆さんが気になっている?クヴェヴリの洗い方についての記事を書こうかなと思っております!少し弱いネタな気もしますがクヴェヴリにおいて1番大事なことは洗浄なので書かせてください!

 では、次回も楽しみにしててください!
ありがとうございました!
დიდი მადლობა

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