行きつけの美容室がある。

30代のご夫婦で経営されていて、まさに地域に愛されている美容室だ。

そのご夫婦には息子さんと娘さんがいるようなので、私の中ではパパさんとママさんと呼んでいる。

カットを担当してくださるのはママさんが多い。

この人こそ「話したくなるひと」

私が最初にそのお店に入ったのは、約1年前。

荷物を預からないお店で、鏡の横に自分で置くスタイルに少し驚いた。

ママさんも淡々と接客をしてくれる。

気を遣われていない感じが、私には心地がよかった。

質問をひたすらされることもなく、カットをしてくれるママさん。

他の美容室では根掘り葉掘り聞かれすぎて、疲れてしまうことも多々あるのでちょうどいい。

しかし、いざ質問をされないと逆に話したくなる。

私は、ママさんにお子さんのことや飼っているワンちゃんについて聞いた。

聞いてみると、どうやら私よりちょうど10歳上のママさんだということがわかった。

話を続けると、健康面や結婚観についても淡々と答えてくれるママさん。

私「人生の先輩のアドバイス、勉強になります！」

素直にそう思って伝えると

ママさん「いやぁ！おばちゃんの後悔だよ〜！」

堂々とした大人な回答が返ってきた。

仕事を確実にこなし、的確に必要なところを決めるママさんが眩しく見えた。

ひたすら質問されるよりも、身近な共通な話題を探しながらも会話を楽しむ。

きっとママさんの仕事術だったのかもしれない。

今では、カット中シャンプー中かまわず喋り続ける仲になっている。