見出し画像

双子出産

37週になり双子出産の日がやってきた。
入院していた大学病院はとにかく忙しく、看護師や、助産師さんはいつ帰ってるのかというくらい、毎日バタバタしていた。

受け持ち看護師という患者1人に担当看護師が割り振りされるのだが、初日に挨拶に来て以来、1ヶ月間来ることがなかった。ただ、安静にしておくだけの妊婦は、健康と言えば健康なので仕方ないと思っていた

出産当日、処置が始まった。前日に下剤を飲まされていたが、全く出る気配がなかった。それについてすごく不安だったが、1人目の時もそうだったが、スルーされた。下剤いつ効くのと不安になるのは当然と思うけれど、バタバタしている人の耳にもは入らないのだろう。

娘、大吾、大吾の妹2人、私の母が来ることになっていたが、また1人目の時と同じ、絶品ハンバーグを食べに行っていた。人気店だから病院に来るの遅くなるんじゃないのかなと思っていたら、案の定ギリギリの時間にみんな現れた。娘もそれに参加して美味しいハンバーグを食べれたのなら良しとするしかない。

予定時間ぴったりに手術室に搬入された。娘もよくわからないようだったが、妹に抱かれ手を振って見送ってくれた。

手術室に入ると大学病院なのでセレブ御用達病院と違って10人くらいのスタッフがいた。まずは、背中に麻酔を打ち、それから体位を整えられた。背中の麻酔も管が入れられ痛い時に適宜麻酔薬が入れられる。
娘の時は速攻寝せられて1番に見ることが出来なかったので安心して手術に臨んだ。

主治医が現れて手術が始まる。娘の時に、横に切開をして、お腹の傷を目立たなくしていた。本当は縦に切ってすぐに胎児を取り出した方がリスクが低いのだが、十字に傷が出来るのは、なるべく避けるということで、横切開になった。

手術室経験者だけあって、医師が今から使う道具が何に使われるか分かる。2回目の手術だから剥離が大変なんだろうなとか手術の経過もわかる。普通なら5分もしないうちに胎児は出るはずなのに、先生が苦戦していることがわかった。

30分ほどし、やっと「赤ちゃん出るよ」と言われた。
そこから出すのに少し手こずっていた。やっと出たと思ったが、すぐに泣かなかったことが気になった。
少し刺激して泣き出した。とても可愛い我が子との対面が出来た。感動も束の間もう1人の我が子とも対面出来た。すぐに泣いて安心した。「1人目は大丈夫でしたか?」と聞いて「大丈夫」という言葉を聞いて麻酔をかけられ寝てしまった。

目が覚めた時には、リカバリ室だった。
出血が多くて輸血寸前だったということで、少し動くだけで心臓がバクバクなった。
そこから病室に運ばれたが、記憶はおぼろげだった。
全体力を奪われた感じだったので、双子が産まれたことに興奮している、大吾達を横目に動けず寝ていた。

娘の時は、出産後も元気だったけれど、それだけ双子の負担が凄かったんだと実感した。双子は男の子で、2461gと、2721gで一気にその重みからも解放された。久しぶりに真っ直ぐに寝れる事に幸せを感じた。
しかし、頭の中で、すぐに泣かなかった息子大丈夫かなという念が浮かんだ。

この母の勘が後にまた当たることになる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?