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家庭科が成り立ちません…

小学校の先生で、2児の父、雄剛です。

私の勤務校は、駅近で、新しく宅地が造成された地域にあります。私も異動する前に自分の家を建てようかと検討したことがあるのですが、土地代が高すぎて諦めた…という地域です。調理実習で塩を持ってきてもらうと、ミルタイプの容器に入った岩塩が出てくるような家庭環境の子が通っています。

保健所・保健センターの学習で…

教科書上では、保健所・保健センターで実施している健康づくりに関する普及活動やイベント、広報活動をおうちの人におすすめする活動があります。「おうちの人におすすめするとしたらどんな活動かな?」
「いや、特に…。」
「おうちの人にタバコを吸っている人はいないかな?禁煙に関する活動もあるよ!」
「体に悪いからって吸わないし…。」
「運動不足の人向けのイベントもあるよ!」
「うちのお父さんもお母さんも運動しているし…。」
これは決して授業が面倒くさいから適当に済ませているわけではなく、おうちの人の健康への意識が非常に高いんです。(さすがに全員ではありませんが、たしかに授業参観でも懇談でも不健康そうな方を見たことがありません。)

地域との関わりの学習で…

「地域の人と関わることはあるかな?」
「いや、ほとんどありません。」
「近所の人に挨拶とかしないの?」
「ほとんどしません。スクールガードの人くらいかな…。」
「近所に知り合いで挨拶する人とか、関わりのある人とかいないの?」
「いません…。」
「じゃあ、地域のイベントは?町内会のお祭りとか、運動会とか。」
「全くありません。」
「町内会の落ち葉拾いとか、掃除とかは?」
「ありません…。」
新しい宅地のせいか、地域との関わりはほぼなし…。今の時代背景もあってそこまでご近所付き合いもなく、「知らない人に話しかけられても、怪しい人かもしれないから喋るんじゃないよ!」と言われているようです。

なんとかあの手この手で課題意識を引き出して学習として成立させましたが、苦しい時間でした。働く地域によっては、こんなこともあるんですね…。逆もまた然りですが。


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