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子どもの自立って…

現在、小学四年生の娘は塾に通っている。
小さい頃から、娘は自分でやりたいと思ったことは何でもチャレンジするし、褒め言葉は「可愛いね」より「賢いね」の方が喜ぶタイプである。
小学三年生の冬に、周りから中学受験の話をじわじわ聞いたらしく、「中学受験してみようかな、塾に行ってみたい」と自ら言ってきた。
私も夫も受験というものは高校受験からだったので、「かなり勉強しないといけないよ」と、ふわっとした中学受験のイメージで脅してみたりしたが、「頑張る!」と言い切った。
中学受験対策の塾を何校か調べ、体験し、今の塾に決めた。
これぐらいの頃から塾に通い出す子は、習い事を塾1本にし、四科目を受講することが多いみたいだが、娘は今までの習い事も続けたいと言うので、受講科目を国語と算数の二科目だけにした。
と、ここまでは、娘主体で決めてきたし、私はそんな娘を尊敬すらしていた。
自分が小学四年生の頃は、そこまで意欲的に勉強しようと思っていなかったし、日々テキトーに遊んで生きていた記憶しかない。
我が子ながら優秀で将来有望だわと心の中で思っていた。

が、しかし、である。
毎回、塾ではなかなかの量の宿題が出される。
計画的に日々、進めていかないと間に合わない。
理解しやすい単元の宿題はスイスイ一人で解いているが、難しいと一緒に考えることになり、時間もかかる。
そういう事態になることを踏まえると、必然的に早め早めに宿題に取り組む必要がある。
なのに、娘はマイペースに「今日はこれぐらいでいっか」と配分を考えずに取り組んで、土日に半泣きになりながら、かなりの量の宿題をしなければならなくなっていた。
しばらく様子を見ていたが、一向に配分を考えて宿題をする気配はない。
そこで、一週間の勉強スケジュールを一緒に考え、作成した。
これで、毎日のやるべきことが見えるので、なんとか出来るだろうと思っていたが、甘かった…
小学校から帰宅すると、相変わらず、ゆっくりおやつを食べ、ダラダラ学校の宿題をし、夕飯を食べ、お風呂にゆっくり入る。
そこから、ようやく塾の宿題を始めるのだが、時間はすでに20時を過ぎている。
その日に決めた宿題量をこなそうとすると、寝る時間が遅くなる日が多くなった。

私はこれまで、娘に「勉強しなさい」と言ったことがなかった。
けれど、睡眠時間が短くなり、体調を崩すことを心配した私はついに言ってしまった。
「おやつを食べるのもゆっくりし過ぎだし、学校の宿題もダラダラし過ぎ。少なくとも19時半から塾の宿題に取り組みなさい。」と。
そして、日々、娘を監視し、ダラダラしているように感じると、「さっさと勉強しなさい」と急き立てるようになってしまった。


ある日、買い物途中、ママ友さんと偶然会い、立ち話をした際、中学受験の話になった。
ママ友さんの知り合いで、昨年、中学受験を終えた子がいるのだが、それまで親が勉強スケジュールをガッチリ作成し、管理していたため、中学生になっても受け身で指示待ちの勉強しか出来なくなっているという話だった。
その子のお母さんは中学受験を終えたら解放されると思っていたのに、子どもが中学生になってからも、どの勉強をすればいいのか自分一人では分からず、放っておくと全く勉強をしないので、結局、毎日、勉強の指示をしなければならないらしい。


帰宅してから、私はモヤモヤした。
そのママ友さんの話がどこまで真実なのか分からないが、確かにずっと監視して指示していることは子どもの自立を妨げているだろう。
娘に「勉強しなさい」という度に、いつもなんとなく不安になっていたのは、その懸念が頭を過るからである。

もし今、娘に何も言わなければ、日々、積み残しの宿題が発生する。
宿題が出来なかった状態で塾に行くのも一つの方法としてある。
ただ娘のプライドの高さから考えると、結局、土日に半泣きになりながら宿題をやり終える日々になると思う。
そうして、その経験を繰り返していく中で、娘が自分で勉強の配分を考え、生活を調整していくことがきっと理想の形なんだろう。
親は黙って待つのみ、である。
ただ、この調整はかなり難易度が高いように感じるし、時間もかかるだろう。
悠長に娘の自立を育てていると、中学受験に惨敗してしまうのではないか…と思ってしまい、ついつい口を出してしまう。

子どもの自立と中学受験。
この2つが両立出来るものなのか、今の私にとっては謎だが、口を出すのは少しずつ減らしていこうと心に誓った。
子どもに対する注意は、五割のみ込むぐらいが丁度良いのかもしれない。
たくさん失敗しても立ち直れる人間になることが最終目標!と考えておくと、気が楽になる。
親としての忍耐力が試されているのかもしれない。


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