見出し画像

國學院大學博物館「土御門家がみた宇宙(そら) 江戸時代の天文観測」

土御門(つちみかど)家とは、安倍晴明を受け継ぐ支流の一つで、主に天文道をもって朝廷に仕えた公家のこと。
そんな土御門家の天文に関わる史料を展示。展覧会タイトルは江戸時代となってるけど、古代・中世の天文観測の史料もあり、面白かった。

室町好きとしては、『家秘要録』を見入ってしまう。
だって永享五年とか書かれてるんだよ~!もうワクワクする!

『家秘要録』とは。土御門家に伝来した、室町前期から室町後期の天変地異についての勘文(調査報告書)の写しの集成書・・・なんだそうですよ。はい、今回の展示で知りましたよ。
明応2(1493)年3月、火星とおとめ座が接近した時は、勘文が河内出陣中の足利義材の元に届けられたそうですが、この年の4月、明応の政変で足利義材は将軍の座を追われてしまうんですよね。「あの時の星は政変の予兆?」と当時の人は思ったのかな。

嘉永6(1853)年の『彗星考』という史料では、彗星の出現を戦争や飢饉の予兆と見ることに疑問を呈しており、この頃には伝統的な天文認識にも変化が生じていたようです。

昔の人が、天文現象をどのように受け止め、記録していたのか。その一端が垣間見える展示でした。

展示解説と一部史料の図版が掲載されてるリーフレットがあったので買いました(300円)。
オールカラーで綺麗です。

國學院大學博物館に行くのは久しぶりだけど、迷わず辿り着けてよかった。
常設の神道や考古の展示も楽しいし、入場無料なのが嬉しいですね。

ミュージアムショップで陰陽道に関する面白そうな本を見つけたので、今度読んでみようかな。

博物館は最近すっかり足が遠のいてしまったけど、知的好奇心が刺激されるし、静かな空気の中で展示史料とのんびり向き合うのはやはりいいものだなあ、と、しみじみ実感。
充実した休日となりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?