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花の名前

 私は、いわゆる「朝活」に
ウォーキングをしています。

ウォーキングと言っても
両手振りかざし、ガンガン進む様な
本格的なモノでは無くて

早朝の街を
季節の移り変わりを感じながら、
ピクミンブルームという
歩数によってイベントをクリアする
アプリを起動させたスマホを
ポケットに突っ込んで、
ゆっくり散歩している感じです。

 休日の朝に、娘と都合が合えば
一緒に街をぶらぶら歩いています。

ある時、娘と季節の花の話になり
交互に花の名前を言い合っていると

…あれ?
私たち知ってる花少ないね。

と、顔を見合せて
思わず笑ってしまいました。

 私の母も花に詳しくなくて
幼い頃、母に尋ねても

「なんじゃろう?綺麗な花じゃね。」

と、いい笑顔で
花を見つめていました。

なんだか、その空気感が大好きで
それ以上聞かないまま
忙しない母を、しばし独占し
一緒に「綺麗な花」を見つめた
その柔らかい空気感に、
ほんわかしていました。

 「お母さん、この花こんな名前だよ。」

ぼんやりしていたら
娘が、スマホ片手に花の名前を
教えてくれました。

何でも、最近は
スマホで写真を撮って
それをGoogleレンズというアプリで
調べたら、検索してくれるそうです。

「じゃ、これは何?」

全然、花とは違う物を
調べて笑い合っていると、

あ、やっぱり
ほんわかしてきた。

この空気感は検索出来ない。

でも、何となく答えはわかる。

小さな「幸せ」なんだと。



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