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いまさらだが、どうしてセロイはスアと結ばれなかったのだろう?

エステで「梨泰院クラス」談義に花が咲く

今日はエステに行き、顔見知りのエスティシャン・Tさんに施術してもらった。Tさんと私は韓ドラ仲間であり、いつもドラマの話で盛り上がっている。
今日は月末に韓国に行くという話から、数年前の人気ドラマ「梨泰院クラス」の話になり、
「なぜ主人公・セロイは、初恋の人・スアは結ばれなかったのか?」
という話になった。
我々はふたりともスア派なのである(笑)。

注:ここからは、ネタバレを含みますし、「梨泰院クラス」を見ていない方にはわからない話になります!

セロイにとって、スアは亡くなった父親の思い出を共有している初恋の人で、高校時代から15年間、ずっと「スアが好きだ」と公言していた。セロイは、10歳年下のビジネスパートナー・イソに積極的にアプローチされても受け流し、スアとはたびたびデートしていた。
それなのにキスすらしておらず、かなりボディタッチはしているが手をつなぐシーンさえなく、最終的にはセロイをイソにとられたわけだけど、もしリアルでセロイとスアみたいな関係性の男女がいたら、イソが現れる前に付き合ってるでしょうよ。2人が出会ってからイソが現れるまで10年はあったわけだしさ。
なんなら、第2話の、刑務所から出所したばかりのセロイがハロウィンの梨泰院でスアと再会した夜、スアがセロイを自分の部屋に誘ったときに、結ばれてるよっ!


スアは「私はセロイが好き」と言えなかった

スアは高校時代に父親を亡くしたセロイを支え、ある事情でセロイが刑務所に入ってからは面会に行くなど、セロイを一番近くで見守ってきた人だが、セロイへの気持ちには友情以上のものがあったようである。
ハロウィンの梨泰院で再会したときは、自分から
「うちに泊まっていく?」
と聞いている(セロイは泊まらなかったが)。
大人になってから同じ梨泰院で働くようになってからは、酔った勢いで自分からキスしようとしている(イソに邪魔されて未遂に終わったが)。

こういう行動を見ると、スアもセロイを好きなのは明らかである。だが、スアは「私はセロイが好き」と言葉にしない。
その代わり、セロイに
「私のこと好きよね?」
と確認したり、イソに
「セロイは私のことが好きだから」
とけん制したりする。
また、セロイに「金持ちになって」「私を長家(※)から連れ出して」と要求ばかりする。セロイが自分を好きだという事実にすがりつき、自分から何かしようとしない。

※長家とはセロイの父が生前働いていた外食産業の会社で、この会社の会長チャンデヒ親子はセロイ父の死に関与している。セロイは復讐を心に決め、長家を超える会社を作ろうとしている。
スアは長家から奨学金をもらって大学に行き、卒業後はここで働いている。

それに対し、イソはセロイが好きと公言し、
「私が金持ちにしてあげる」
「(セロイが)長家に苦しめられているなら、私が長家を潰してあげる」

と言う。
クレクレではなく、相手の願いを叶えるために能動的に動くのである。
こんな直球のライバルの前で、自分の気持ちを出さずに「私のこと好きよね?」と言うだけでは弱すぎる。


どうすればスアはイソに勝てたのか?

スアがセロイに「好き」と言えなかったのは、スアが根本的に自信のない人だからではないかと思う。
スアは美人でスタイルが良く、母親に捨てられ施設育ちでありながら大学に行き、若くして大企業で役職に就いたくらいだから、努力家で優秀な女性である。
でも、根本的なところで自信がないのではないだろうか。さらに、高校時代はかなりつんけんして高飛車であり、アプローチしてきたセロイに
「私を好きにならないでね、貧乏な男と付き合うと苦労するから」
と言っている。
こんなことを言ったのは、「バカ正直なせいで損するセロイのような男と一緒になっても苦労するだけだ」と思ったからかもしれないが、それ以上に、恋愛経験のない高校生特有の照れ隠しだったように思う。

しかし、大人になってからも、この素直でない言動は変わらない。
大人になったスアは、金持ちの男を捕まえなくても自分で稼ぐ力を身に着けていた。最後は自分が働く長家の不正を内部告発し、「長家を潰す」というセロイの願いを叶える手助けもした。イソの活躍が派手なので目立たないが、スアもかなり仕事が出来る女である。
セロイがイソと出会う前や、セロイとイソの信頼関係が深まる前に、
「私が稼げるようになったから、あなたが貧乏でも金持ちでも、もうどうでもいい。一緒にいたいの」
と言えばよかったのだ。
セロイと付き合いながら長家で働いていることが気まずいなら、さっさと辞めて転職すればいい。スアの経歴とスキルであれば入れる企業はあるだろう。

つくづく、スアはイソに勝ち目がないわけではなかった。
堅物だった高校生のセロイが「友達になろうよ」と近づいた初めての女性で、セロイ父はスアを娘のようにかわいがっていた。セロイ父が亡くなり、セロイが刑務所に入った後、スアはセロイ父子の財産を管理し、セロイと面会したり、手紙を書いたりしている。
セロイはそのことについて
「刑務所の中で天涯孤独になったと感じるたびに(スアからの)手紙のその一文がどれだけ力になったか」
と感謝していた。
イソはセロイのビジネスでの成功に貢献したが、スアは絶望していたセロイを支え、生きる希望を与えた女性である。セロイの父の思い出話を語り合える相手である。
早い段階で、素直に「セロイが好き」と言ってしまえば、勝てたと思うけどなあ。
まあ、それじゃドラマにならないか。

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