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どうか元気でいてほしい


まず「生きる」モードに切り換える

芸能人の悲しいニュースを聞くたびに、こち亀の両さんの言葉を思い出す。

「こち亀98巻」より

まさにこれである。
思うようにいかない、生きているのがつらい、そんなときはまず「生きる」と決めることが大事なのだ。生きると決めたら、選択肢は案外たくさんある。
仕事は辞めても休んでもいいし、可能であれば海外に飛んでもいい。余計なことをあれこれ言うヤツとは絶縁してもいいし、「うっせーボケ、私の人生に口出しすんな」と言ってしまってもいい(苦笑)。それで嫌われてもいいではないか。
とにかく生きることなのだ。


どうか元気でいてほしい

私は若い頃に、5人の友人がそのような選択をして亡くなった。クラスメイト、部活仲間、予備校でいつも一緒にランチをしていた人など、けっこう近い関係の人たちだったが、会わなくなって何年も経ち、ある日突然、共通の友人から「亡くなった」と聞く。そんなことが5回あった。
何年も会っていなかったから、彼らに何があったのかはわからない。ご家族や、亡くなる直前まで連絡をとっていた共通の友人から、彼らがどんな様子だったか聞くことはあったが、やっぱりわからない。
「その人たちが特別に繊細だったのか?」
と考えると、そんな気もするし、そうでもなかったような気もする。傍目に見ると、みんな能力は高いし、家族にも友達にも恵まれているように見えたが、本当のところがどうだったのか、本人がどう感じていたのかはわからない。
そうなりやすい性格、環境などはなく、誰しもそうなる可能性があるのだと解釈している。

それでも思うのは、彼らが、いまの私の年齢くらいまでのらりくらりと生きていれば、「世の中くだらないけど、まあなんとかなりそうだから、とりあえずダラダラ生きるか」と思ったかもしれない、ということだ。
私も後悔は多いし、
「やってられっかー!!」
とちゃぶ台をひっくり返したくなったことはたびたびある。神様に抗議したくなったこともあれば、恐山に行ってイタコに亡くなった親を呼び出してもらい、文句を言ってやろうかと思ったこともたびたびある。
それでも、やっぱりこの世は滞在する価値があると思う。世の中のたいていの人はいい人で、面白い本やドラマがたくさんあって、温泉やマッサージは気持ちいいし、カレーは美味しい。世界には直接見たい景色がたくさんある。

「とりあえずダラダラ生き延びる」でいいのだ。20代では何かしないといけない気がするが、30代半ばを過ぎると常に頑張るのは肉体的にも精神的にも疲れるから、ダラダラでもよくね?って気分になる。常に頑張らなくてもどうにかなる仕組みを作りたくなる。
私は、明日も適度にさぼりながら仕事をする。それでいい。
親しい人たち、会ったことのない人たちも、どうか元気でいてほしい。寿命が来るまでこの世に滞在してほしい。



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