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ちょっくらシルクロード横断してきます〜中東・アジア旅行記ep 65〜

第八章 イエメン編
三十路センチメンタルジャーニー
ep65 旧約聖書とオールドサナア

 オールドサナアに向かう。ここは約2500年の歴史を誇り世界遺産にも認定済みだ。旧約聖書に登場するノア(箱舟伝説)の息子、セムが最初の住人だと言われていて、またもや世界最古の都市のひとつとされている。

 町ゆく人は、とても紳士的で礼儀深い。男性のいでたちは白のワンピースにジャケット、頭にはスカーフで腰にはジャンビーア(アラビアンナイフ)が一般的だ。中にはライフルを担いでいたり、腰にナイフとハンドガンをぶる下げている人もいる。女性は今までのどのムスリム国家よりもがっちり黒ずくめで、目だけしか見えない人がほとんどだ。中には顔まで薄い布で覆っている人もいて、いまだに素顔を見たことがない。

 アラビア半島の最南端で東アフリカも目と鼻の先ということもあり、北のほうのシリアなどに比べるとのアフリカ系の割合も高く、また、人なつっこくいてしつこくない、ちょうど心地いい距離感だ。

 オールドサナア(旧市街)の建物はすべて伝統のイエメン建築で立てられており、モスクもそれの隣にあるミナレットもすべて独特の香りを放っている。少しベージュがかったレンガに窓枠、模様などはすべて漆喰の白を使い、窓にはステンドグラスといった感じだ。

 道端には銃の部品や弾装が売られ、乳香や蜂の巣、生地や洋服、アラビアンナイフなどなど様々なものが並んでいる。商店もスパイスやサンダル、ゴールドにシルバーと見ていて飽きない。一見マラケシュのスークを思わせるがマラケシュと違って人のウザサもない。夕方になると男たちは道端に腰を下ろしカートに興じる。

 夜、街を歩いていると男たちの喧嘩に出くわした。二人ともジャンビーアを振りかざし斬りあってる。マジか・・・と思いながら観戦していると約15人ほどの男たちが間に入り、当事者たちを羽交い絞めにして引き離していた。もっと熱くなれば当然拳銃も使うだろうし、前には手榴弾を投げたこともあったらしい。

 しかし、街はとても治安がよくそんな喧嘩のような事がなければ泥棒もいないし詐欺師もいない。どうやら街の人の話ではシャーリアというイスラム法が厳格に適応されており、例えばスリを働くとその手を切断されさらされるということを言っていた。おお・・・これまた凄まじい。今でも鞭打ちの刑罰もあるということらしいし、刑罰が凄すぎて治安は悪くないと言っていた。しかしながら手榴弾を投げ合いするのは治安が良いと考えるべきかはこの際置いておく。男たちはプライドを傷つけられたときには真剣に殺し合いという事らしい。

 少しアラブ圏に飽きてきていた自分に再び強烈な刺激を与えてくれる場所にたとしみじみ感じた。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^
HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)

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