一宿一飯の恩義

東映の任侠映画の台詞では無い。
俺が大学1年生の時、4年生の酒乱に言われた台詞であるw

少林寺拳法部には酒乱が多かったw
その中で酒乱の酷いのが、2人いた。
その年の前期試験、俺は酒乱Aに朝いきなり「お前、今日暇か?」と問われた。その日は試験無かったから、今日は試験ないと答えた。
すると「ほな、わしの試験、代わりに受けいや。」と試験を代理で受けさせられたのだ。学生証の点検なしの学籍番号と名前書けたら受けられる英語の試験だったのである。そこまで緩かったのは、他の語学や大学レベルの英語で単位取れない馬鹿学生の為の救済処置の簡単な英語の講義があったのだ。大学受験の英語より全然簡単な英語だった。
試験受けて報告に行くと、「よし、今度礼に酒浴びるだけ飲ましたる」と言われた。それが嫌で代理で受けてやったのだがw

学祭の時、俺のサークルはカクテルパブをやっていた。俺はバーテンダーとして、シェーカーを振るって、カクテルを呈していた。
カクテルパブは、昼12:00から深夜3:00まで営業していたのだ。
今ではこんな事無いだろうが、昭和の頃は学祭は24時間3日間やっていて、半数のサークルの店は酒場系だったのである。
だいたい学祭での利益で、数回コンパが開けたから。10万くらいの利益は、みんな出ていた筈。

勿論、1年生から飲んでるから、今なら未成年飲酒となるが、昭和では高校卒業したら、飲酒喫煙は問題無かった。警察でもね。高卒で警官になった同級生、18でも署の飲み会で潰れるまで飲まされたし、大学でも1年生のコンパに教授も一緒に飲んでいた。また中学の同窓会では、18の卒業生と元担任が一緒に飲んでいたからね。

カクテルパブに話は戻る。
2:00過ぎに少林寺拳法部の酒乱トリオと後輩な飲みに来た。
2:00ともなると閉店してるサークルも多く、営業してるサークルは数店舗なのである。
酔った酒乱Bは、メニューに無いドリンクをオーダー。無いと答えると、絡み始めた。
すると隣にいた酒乱Aが、なんと止めに入った。普段なら一緒にゴロまくパターンなのに。
「おい、やめとけ。大人しく飲むぞ。」
Bも絡むのをやめていた。
「わし、こいつには一宿一飯の恩義があるんや。せやから、大人しゅう飲むんや」
と言ったのである。
東映の健さんの出る映画以外で、一宿一飯の恩義とか聴いたのは、人生で最初で最後の事だったよ。

結局、少林寺拳法部の連中は、大人しくカクテルを何杯か飲んで、帰って行ったのである。
こうやって飲んでても理性保てるなら、本当は酒乱ではなく計算尽くで普段は暴力振るってるんだろうな。

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