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迎えに行きました

9月20日私は休みで、その日兄は仕事が夕方までだったので待ち合わせて、ついに完成した我が家のかわいいキッチンカーを迎えに行くことになりました。

車を取りに行くということは、行きは電車移動です。私は通勤以外で滅多に家から出ないため、やや緊張しながら待ち合わせの時間まで大阪で時間を潰していました。服や雑貨を見ていて自分は値札を見ることが好きだという発見がありました。あまり品の良くない行為な感じがするので服の生地を確認しているフリをしながらすかさず見ます。値札を見ようと少しでもモタつくと店員さんが近付いてくるためモタついてはいけません。値札を見たいだけで買わないからです。

なるほどなるほどと思いながら値札を見るのはとても楽しくて、どこに楽しさがあるかというと、この金額を出せばそれを自分のものに出来るという明確さが良いのだと思いました。値段がわからない物を見ても手に入るのか入らないのかの判断がつかないからおもしろくないのです。他人の物に興味は持てません、自分の物になるかもと思うから愛着がわき、どれを連れて帰るか選ぶ楽しさが発生します。なので、自分にとって明らかに値段が高い物もいけません。楽しくありません。

そのため値札というのは明確な判断基準であり、いるかいらないかは置いておいて手に入れようと思えば手に入る物が目の前にあるという遊びができます。物を金額という数字にするのはやっぱり便利なやり方やと思います。

ですが、数字にされると物にその金額の価値があることが揺るぎない事実のように惑わされます、値札はこの金額をくれたらこれの所有権を譲りますよという相手が勝手に決めた条件が書かれているだけの札なので、物の価値が記載されているわけではないのです。物の価値は数字には出来ないから手に入れるための条件が記載されています。

いろいろ見ましたが、大抵の物はいらないので30分ほどで屋上まで到達してしまい人の多さに疲れてしまいました。

時間通りに待ち合わせた駅に向かい兄を見つけたら私の考える時間は終わりです。現地への行き方など調べていません。はぐれないことだけに注意してついて行きます。

到着した時には辺りはもう真っ暗になっていました。


そして暗がりで初めて完成した我々のキッチンカーを見ました


やっと会えました。美しい。

本当は明るいところで早く見たかったのですが、すでに愛着がわいているので夜の姿はそれはそれでまたいいなとどの姿もかわいく思いました。

サクサクと内装の説明を聞き、書類を何枚か渡されたらいよいよ出発の時です。

兄もトラックに乗るのは初めてでした
ましてや運転など想像もしたことありませんでした

兄から緊張感が伝わってきます。動き出したらもうアトラクションだとしか思えません。指示をされながら駐車場から出てめちゃめちゃ細い坂道の1番の難関であろう曲がり角をゆっくりと降りていきます。坂道を無事降りた後もしばらく細い道が続きます、それでもお兄ちゃんというのは結局出来るのでひやひやしながらも大丈夫やろと思っていました。兄の方は妹は全くアテにならないものなので自分を信じていたと思います。大きい道に出て、高速に乗り、普段通る道へ出て、この前契約した駐車場へ無事にキッチンカーを連れて帰ることが出来ました。

片道40分くらいかと思いますが、電車で移動してトラックで帰ってくる大冒険でした。自分としては大きな値札の大きな買い物ですが、価値は値札の金額の数字でも、キッチンカーが生み出す利益の金額の数字でもなくて、買うと決めて動き出した事と、これからどんな風に過ごしていくかでキッチンカーとして制作したトラックを買った意味が育っていくものだと思っています。

物は数字ではなくて、物は物です。
物を自分たちにとってどう役立てるか、これで何が出来るかが大事です。

結局、艶無し黒色のトラックが好きだから欲しかっただけで十分かもしれません。免許はあるけど運転できない私が初めて買った車は1.5㌧のトラックです。


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