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第一生命によるベネフィット・ワンへのTOB ー 第一生命がTOBを開始。日本でも同意なきTOBは今後増えますね


中小型銘柄は我慢強く辛抱ですね

日経平均株価が上昇していますね。一部の大型株の値上がりが牽引しており、中小型株は思ったほど上がっていないという感覚を持つ方も多いと思います。けど、個人的には英文開示の充実をはじめコーポレートガバナンス改革の更なる進展で、日本市場に目を向ける海外投資家が増え、中小型銘柄に焦点が当たる時期が来ると思っています。ので、今は中小型の優良銘柄を探し、仕込むチャンスと辛抱しています。
ただ、株価を毎日見ると、どうしても一喜一憂するので、これと思った銘柄を購入した後は、株価をチェックする頻度は下げることが精神衛生上良いですね。

第一生命がベネフィット・ワンを買収

さて、どうでもよい前置きが長くなりましたが、これまで第一生命によるベネフィット・ワン(べネワン)のTOBについて何度か触れてきましたが(最後に過去記事を再掲しております)、第一生命がベネワンを買収することについてべネワンの親会社であるパソナグループが合意したようですね。

第一生命は次のとおりプレスリリースを公表しています。TOB価格は、普通株式1株につき2173円です。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120240208530166.pdf

べネワンも次のとおり「第一生命ホールディングス株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ」を公表しています。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120240208530031.pdf

エムスリーは1株1600円のTOB価格を提示していたところに、第一生命が2123円で突如、買収に名乗りを上げたわけですが、結局、エムスリーはTOB価格を上げなかったようですね。

買収対象会社であるべネワンの取締役会は第一生命とエムスリーのTOBを定量的に評価して、いずれが企業価値向上に資するかを検討する責務があります。今回のTOBでは、第一生命の傘下に入る方が企業価値が高まると判断したということだと思います。このあたりの理由がプレスリリースには記載されているのだと思います(まだ読めていませんが・・)。

同意なきTOBは今後増加するでしょうね

これまでも何度か記事を書いてきましたが、今回のように対象会社の同意を得ずにTOBが提案される同意なき買収も日本で確実に増加するでしょう。

ご存じの方も多いかも知れませんが、その背景には経済産業省が23年8月31日に策定した「企業買収における行動指針」があります。以前にnoteで行動指針について次の記事で簡単にポイントを説明しておりますので、ご関心のある方はご覧頂ければと思います

いずれにせよ、この指針は海外の機関投資家も経済産業省の検討会で討議の段階から行方に高い関心を抱いており、指針案のパブコメでは海外投資家からも多く意見があったと記憶しています。

海外の事業会社で日本企業を買収したいと思う会社は、証券会社や大手法律事務所を起用して、この指針を丹念に読み込んでいるはずです。経済産業相はこの指針の英文版も策定・公表しています。株価の低い日本企業は自社に突然の買収提案があった場合にどうすべきか、シミュレーションをしておく
必要があるかと思います。

(参考)第一生命によるベネワンのTOB関係の過去のnote記事

過去にnoteで掲載してきました私の記事を3本再掲します。