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海外アクティビストの日本株保有 ー 実質株主判明調査のポイント


3月末の実質株主判明調査

4月も上旬ですが、あと2週間ほどでゴールデンウィークです。今年の連休は海外旅行に行く方が前年より6割多いといった報道がありました。海外から日本への旅行客も最近は多く、JR山手線を乗っていると欧米・アジアの方が本当に多いなと感じます。この週末は、株式関係では、ホテル・観光関係の銘柄を調べる予定です。結構、株価があがってしまいましたが。

さて、本題ですが、多くの上場企業では3月末の実質株主判明調査をしており、その結果は5月初旬頃に判明するスケジュールだと思います。
実質株主判明調査とは、株主名簿には記載のない「真の株主」を探る調査です。個人株主=株主名簿上の株主ですが、機関投資家の場合、「〇〇信託銀行(A口)」などの名義で株主名簿上は出ているので、この口座の背後にある新の株主を判明するための手続きが実質株主判明調査です。総会で議決権行使をするのは、この実質株主になります。

海外のアクティビストの保有割合が要注意

今年の実質株主判明調査での企業の大きな関心事項の1つは、アクティビストの保有状況かなと思います。

既に保有されている場合には保有株数がどうなっているかです。特に海外のアクティビストの場合には注意必要ですね。投資ファンドのオアシス・マネジメントが企業価値向上施策を花王に提案していますが、時価総額2兆円を超える企業に対するアクティビストの行動も増えています。日本のアクティビストは資金の問題もあり、比較的中小型銘柄をターゲットにしていますが、海外のアクティビストは資金力の桁が違いますので。

株主名簿を見て明らかに海外のアクティビストと分かることも多く、この場合、株主名簿上はわすかに30,000株ということも多いです。株主提案が出来る最低の株式数ですね。となると企業は、アクティビストに株式を持たれてはいるが、「たったこれだけか。個人株主に毛が生えたな程度だな」と安心するかも知れません。

けど、これは要注意です。

たしかに株主名簿名簿上は30,000株かも知れませんが、海外分で別名義で結構保有しているケースも多いです。これが実質株主の判明調査で明確になります。一見しただけでは分からない複数の口座名で株式を保有しており、名寄せしてみたところ数百万株も持たれていたというケースも多いです。多くの企業で実質株主判明調査は外部業者を起用して進めているところと思います。海外アクティビストの名寄せをした保有割合には注意が必要です。