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んんん???【手】

私が何かをふと思い出すとき。

脳裏と瞳の奥なのか何とも言えないのだけど。
え?ちょっと待ってね、、、みたいなふんわりとぼんやりと景色だったり人物だったりが浮かぶ。

そこからまた。
そこに集中するとえ?みたいな映像が浮かんで
言葉やたまたま聴いた歌で点と点が繋がったり。
また夢をみたりする。


私の夢の中に彼があまり出てくる事はないんだけどね。

今朝方、地震があって目が覚めた。
その時、何だかわからないけど頭の中で思い出したいことがあって。
でも思い出せなかった。

今日の仕事中にラジオからスピッツのロビンソンがかかった。

懐かしいなぁ。

そう思ってたら。


赤ちゃんの私と一歳になってるツイン彼の2人が私の脳裏に浮かんできた。

泣いている私を一歳の彼が無表情で頭をナデナデしている。それだけ。

ぼんやりが何となくになってそしてしっくりきてはっきりした感じだ。

私は赤ちゃんの彼には会った記憶もないし
一緒にいた記憶もない。

でも赤ちゃんの頃に会っていたことは
話しに聞いていたので私達は会っていたんだろう。

私は良く泣く子だったし怪獣みたいな泣き声でずっと泣いていてほんとに泣き虫だった。

でも、彼に頭をナデられているその映像?脳裏の中の記憶のその映像みたいものは彼に頭を撫でてもらって泣き止んでいる。


過去世や前世、色々あって私は良くわからないし
前世の記憶なんて本当にわからないけど。

彼は良く私の頭をポンポンする。
優しい目で撫でてくるから恥ずかしくて照れ隠ししたり【やめて】っていって拒否したり。

泣いていると
【泣くなよ】っていって頭を撫でる。

あれは私にとって特別で誰も代わりなんていないと思う。

私は良く何かあると彼の手を掴んだり握ったりするから、私達にとっての【手】はとても特別なのかもと今更ながら気付く。

彼と結婚した時も。
ペアリングなんて付き合ってる時からあったけど。結婚指輪は本当に特別だった。
高価なものとかそんな事じゃなくて。
婚姻届を書いた時よりも。結婚式を挙げた時よりも。
左手の薬指にあるそのしるしがとても重かった。

その重みを感じて彼の左手、薬指にあるそのしるしを私の手と彼の手で並ぶたびに
彼と結婚した重みを感じた。
それはしんどいとかじゃなくて。

家族になった事への重み。
幸せな重みだった。

そんな事を思い出しながら
家へと帰った。

ロビンソンを聴きながら。

歌詞はここには書けないけど。

本当にその通りな歌詞で泣けてきた。

私達が中学生?高校生位。
みんなでカラオケにいってるなんてことないシーン。
顔にニキビがあってまだシャレっ気もほとんどないなんでもない私達が。

隣にいるのが当たり前だった。

昔から暴走して何するかわからない彼を
怒って嫌いになって。許せなくて。

彼が都合悪そうに
【ごめん】

私がわーぎゃー文句言って止まらなくなる横で
泣く事もあったし沈黙だった。

男のくせになんで泣くの!

このセリフは自分が悪いのに何でそっちが泣くわけ?って意味だったけど。
私的に。

結局、昔からずっと彼の言動や行動には振り回されて生きている。

でも何があっても私の特別は彼に
頭を撫でられる事だった。

彼は特に深い意味はなかったのかもしれないけど。

赤ちゃんのそのシーンがもしも
現実的にもあった事ならば。
私はずっと彼からのその手を求めていたのかもしれない。

ずっとずっと。







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