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生存者バイアスについて

生存者バイアス(Survivorship Bias)は、データ解析や意思決定において非常に重要な概念であり、特定のデータセットやサンプルにおいて成功したものや生き残ったものだけを考慮し、失敗や消失したものを無視することによって、歪んだ結論や誤った判断を導く可能性があるバイアスです。このバイアスは、特に歴史的なデータ分析やビジネスの意思決定において一般的に発生します。
生存者バイアスの具体的な例としては、次のようなものがあります:

  1. 軍事装備の改善: 第二次世界大戦中、航空機の生存者バイアスが顕著でした。飛行機が戦闘で損傷した場合、生き残った航空機には被弾箇所が分布していました。しかし、この情報だけを考慮して装甲を強化するなどの改良を行うと、被弾箇所に偏った装甲しか強化されず、実際には被弾箇所全体に装甲が必要であることを見逃す可能性があります。

  2. 投資の成功: 投資家が成功した投資家に焦点を当て、その戦略やポートフォリオを分析することが一般的です。しかし、成功した投資家だけを考慮すると、市場全体のリスクや失敗の要因を見落とす可能性があります。失敗した投資家や失敗した戦略についても学ぶことが重要です。

  3. 芸能界やビジネス成功者: 有名な芸能人や成功した起業家の成功物語がメディアで広く取り上げられますが、その成功だけを見ることで、実際には多くの失敗や困難があったことを忘れがちです。成功者だけを見て成功の鍵を探すことは、他の多くの人々には適用できないことがあります。

生存者バイアスを回避するためには、全体のデータを考慮し、成功だけでなく失敗や欠点についても注意深く調査することが重要です。特に意思決定や戦略策定の際には、生存者バイアスに注意を払い、全体像を見失わないように努力する必要があります。


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