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自己紹介が苦手な人


自己紹介が苦手だ。

そもそも自己紹介が得意なんて人は少ないとは思うけれど、それにしたって苦手すぎる。


初めての環境に置かれた際、まず促されるのが自己紹介。気楽になんて言われても、心臓はその瞬間から大暴れで、何を言ったらいいのか分からなくなる。
結局、前の人の自己紹介を参考にして、出身だとか、そんな当たり障りのないことを言うのが精一杯。
これがトップバッターだったりすると、もう地獄である。

じゃあ、事前に自己紹介デッキなるもの組んで自分の中で持っておけばいいじゃないかとも思うけれど、いざその時がくるとデッキなんてものは頭の中でただの白紙になってしまい、意味が無くなるのだ。


そもそも、自己紹介ってなんだろう。
調べてみたら、Wikipedia先生が丁寧に教えてくれた。

『自己紹介(じこしょうかい)とは、初めて会う人などに、姓名・職業などを述べ自分が何者であるかを説明すること。
(中略)自己紹介が可能な部分はあくまでも自身の認識している範囲内であるため、相手は自己紹介する本人が自分を見る見方を受け取らざるを得ない。
基本的に自分の事を知らない人間に自分を知ってもらうための行為である。』

なるほど。
なんとなく、自己紹介が苦手な理由が分かった気がした。


というのも私は、自分の内面というものがあまり好きではない。
好きではないものを見ようとしない、認識しないから話せることがない。
得意なことさえ何かなんていうのもいまいち分かっていない。

社会人になって随分と久しいし、昨年は転職だって経験している。自己分析が必要な場面が多々出てくるはずなのに、認識している自分の部分があまりにも少ない。好きではないから。
これじゃいかん、とは思う。



じゃあ、好きなもののことでも話せばいいじゃないか。
そう思うけれど私はいわゆる『オタク』で、過去に人前でそれらの風呂敷を広げたところ、心無い言葉を食らった記憶がある。
それがまた起こるのではないかと思うと、すごく怖い。

(今でこそ当たり前のような存在になったけれど、私が心身ともに幼かった頃の『オタク』は異端者として後ろ指さされることが多かった。)

どちらかといえば、これが自己紹介を苦手とする感情の一番の正体かもしれない。
自分を形成するものを馬鹿にされることは、自分のことを貶されたような心地になる。それを私は回避したい。



そうは言っても、自己紹介をしなければならない場面は出てくる。逃げられず、迫ってくるタイミングは必ずやってくる。
得意に、までとはいかずとも、ある程度話せる人間になりたいとは思う。


なので、来る日のためにここでデッキを組ませてください。


私は、
文章を書くことが好きで、
本を読むことが好きで、
芸術に触れることが好きで、
たまに使う一眼レフで写真を撮るのが好きで、
推しと呼ぶくらい大好きで尊敬する人やキャラクターが何人かいて、
職業柄、パソコンの操作が人より少し得意で、
甘いものより塩っぱい食べ物のほうが好きで、
夏生まれだけど、暑さよりも温もりがありがたく感じる寒さのほうが少しだけ好きで、
一人で過ごす時間が好きだけど、人の話を聞くのも楽しいと思っていて、
穏やかな人が好きで、
動物とぬいぐるみが大好き、
そんな人間です。

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