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インド、出逢いの大地

 ここから先は不快な表現が含まれますので、苦手な方はここで読むのを止めて別な記事に移動して下さい。

 ここから先って、全部じゃないか!って声も聞こえて来そうですが、その通りでございます。申し訳ございません。てへ。

 前回、インドのトイレ事情について書きましたが、今回もその続きです。インドの旅行中に出会ったトイレで最悪だったのは、先客のう◯こが積み重なって、石筍のようにニョキニョキと上に伸びているというものでした。

 流れないなどと言う状況は、既に遠い青春の想い出です。いまさら後戻りなんてできません。

 ちなみに石筍とは、洞窟にできた鍾乳石から水が滴り落ち、水に含まれている炭酸カルシウムが地面で固まり、長い時間を掛けて茸のように成長する現象を言います。

 洞窟の天井から滴った水に含まれる炭酸カルシウムがツララのように伸びた鍾乳石がつらら石であり、そのつらら石から滴った水が固まり、積み重なって上に伸びる鍾乳石が石筍です。

 そして、これはより稀な現象ですが、下に伸びたつらら石と、上に伸びた石筍が重なり合い繋がることがあります。その繋がった鍾乳石を石柱と言います。

 僕のつたない説明で、状況がイメージして頂けましたでしょうか。

 ともかく、石柱とは何万年、時には何千万年という気の遠くなるような時間を掛けて起こった、つらら石と石筍との奇跡の出逢いのことなのです。

 僕はそのトイレに入ると、石筍のように積み上がるう◯こを見詰め、覚悟を決めました。う◯こはギリギリ洋式便器の縁より上に出ているため座る訳にはいきません。便器の縁に靴のまま登ると、ズボンを下ろし中腰になりました。

 その様な状況のトイレで用を足そうというのですから、僕の方にも退っ引きならない理由があります。まもなく僕のう◯こは現れると、僕のコントロールを離れてグングン伸びていくのです。その勢いは、『えっ、そんなに?』っていう恥じらいすら寄せ付けません。

 それなのに、グングン伸びていた僕のう◯こが、何かに支えて止まってしまった感覚がお尻の穴に伝わりました。

『えっ? なになに? 空中で何かに支える? えっ、何に?』

 パニックの中で、僕は理解を掴もうと虚空に手を伸ばします。

『あっ、石柱……』

 その一瞬、僕は美しい奇跡の出逢いを見たような気がしたのでした。

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