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小人は小人ボタンを果たして押すのか


 以前、職場で後輩の女の子と話していた時のこと。

「若く見られるって、得すること多いよね」

「そうですね。電車、安く乗れたりしますもんね」

「いや、電車の小人料金って、小学生までやから。いくら若く見られても、もう二十歳超えてるから、なんぼ何でも無理やと思うよ」

「でへへ、そうですね。ところで、しょうにんって何ですか?」

 僕、大いに呆れるが、彼女の場合、その程度のことは良くあることなので丁寧に教える。

「えー、あれ(小人)って、こびとって読むのかと思ってましたぁ」って、天真爛漫に笑ってた。

『今までの人生で、一度でも斧を担いで三角帽子被った森の小人達が、ハイホーって言いながら、小人ボタン押して切符買って電車に乗ってるとこ見たのかよ』 て思いながら、僕、意地悪だからさっそくみんなに言いふらしてからかおうと試みる。

 で、言いふらしたのは良いんだけど、ここで驚くべきことが起こる。

 10人ぐらいに「駅で子供用の切符買うときに押す(小人←ここはメモ書き)って書いてるボタン。これなんて読むか分かる?」って聞いてみました。

 そしたら、なんと10人中6人までが、「それって、こびとって読むんじゃないんですか」って答える。

『子供料金で切符買うときに押すボタン』って、断りを入れてから聞いた答えがこれですよ。 ゆとり教育恐るべしって思った。

 今となっては、もう、いっそ『こびとボタン』で良いですって感じ。 そっちの方が、多数決なら正しいし…。

 なんか、森の小人達が肩車とかしてちょっと高いところにあるボタンを押してる姿とか、凄く和むし。
電車の中で、「ハイホー、ハイホー、ラン、ラ、ランラン、ラン♫」とか歌い出しても、小人だったら許せちゃう。

 だからもう、『こびとボタン』でたぶん良いです。

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