マイク・トラウトの最新の怪我（左膝の半月板断裂で、おそらく4週間以上の長期離脱を余儀なくされる手術）がこれほどまでに残念な理由の１つは、3度のMVPに輝き、将来殿堂入りを果たすであろうトラウトが、かなり好調なstartを切っていたからである。 彼の.220/.325/.541というSlash lineは、彼のキャリアの中では特筆すべきものではないが、実際、彼の141wRC+は昨年に次いで2番目に低い記録である。 この通算本塁打数はガナー・ヘンダーソンとメジャー首位を分け合うのに十分で、2019年に記録したキャリアハイの45本塁打に挑戦するペースに乗せた。 年齢を重ねるにつれて進化を遂げつつあるoffense profileの中でさえ、これは印象的なことだ。

4月末までのリーグ全体の本塁打率は、昨シーズンに比べて15％以上減少していた。 2023年には1試合平均1.21本塁打だったのが、4月末まではわずか1.02本塁打だった。 5月1日に30試合で20本塁打を放ったことで、シーズン累計の平均は1試合あたり1.018本塁打から1.007本塁打に減少した。 つまり、この状況は詳しく調べるに値するが（特にリーグ全体の得点力が昨年より低下している）、これは予備調査と考えるべきだということだ。

もし、この3月と4月の本塁打率がこのまま維持されるなら（以下、スプリットで行っているように、5月1日以前の試合はすべて4月とみなす）、1試合あたりの本塁打数が1.06本から0.76本に減少した1987-88年以来、対前年比で最大の減少を示すことになる。 本塁打の歴史に詳しい方なら、1987年シーズンが初めて1試合あたりの本塁打率が1.0を超えた異常値であったことをご存じだろう。 このシーズンは、1994年から2009年にかけて、本塁打率が毎年閾値を上回っていたが、これはおそらく、球場の拡張や新しい球場、パフォーマンス向上薬の普及、野球自体の変化など、さまざまな要因が重なったためだろう。

昨年の1試合あたりの本塁打率は歴代5位だったが、最近の4シーズンには及ばなかった：

リーグ全体の最高本塁打率

すべて4月30日までのデータ。

減少しているのは本塁打だけではない。 4月末までの得点は昨季比5％強減少し、1試合あたり4.62得点から4.38得点に減少した。 打率は8point（.248から.240）、出塁率は6ポイント（.320から.314）下がった。 打率は.414から.385へと29pointも急落し、リーグ全体の打率がこれほど低くなったのは1992年以来である。 たぶん、ロブ・マンフレッド・コミッショナーとそのお仲間たちは、攻撃を活性化させるようなルールを考えてくれるだろう。 まてよ、もうやったのか？ 一体どういうことだ？

あまり深入りする前に、4月（と3月末）は野球シーズンの中で最も気温が低く、ボールが遠くまで飛ばない時期であることを覚えておく価値がある。 Baseball ReferenceのStatheadによると、昨年は華氏50度以下で始まった試合が146試合あり、そのうち133試合は3月30日に始まったチームのシーズン最初の30試合内で起こった。 このように、リンゴとリンゴ、4月と4月を比較する方が有益である：

グラフの連続性を保つために、60試合シーズンの「フル」2020年のデータを入れたが、その点を無視すれば、最近の4月の本塁打率はむしろフルシーズンの率を予測していることがわかる：

4月の本塁打率とフルシーズンの本塁打率の比較

シーズン 4月 HR/G 前年比 フル HR/G 前年比 4月からの増加率
2015 0.905 +1.8% 1.010 +17.3% 0.105
2016 1.045 +15.5% 1.155 +14.3% 0.110
2017 1.169 +11.9% 1.256 +8.7% 0.087
2018 1.088 -6.9% 1.149 -8.6% 0.060
2019 1.309 +20.3% 1.395 +21.4% 0.086
2021 1.142 -12.7% 1.224 -12.3% 0.081
2022 0.905 -20.7% 1.073 -12.3% 0.168
2023 1.129 +24.7% 1.207 +12.5% 0.078
2024 1.019 -9.8% 1.019 -15.6% -
すべて4月30日までの統計。

昨年4月との比較では、本塁打率は9.8％減と大きく落ち込んだが、本塁打が出やすい暖冬の前シーズンとの比較で得られる15.6％減ではない。 この期間の4月とシーズン通しての被打率の平均差（1試合あたりチームあたり0.097本塁打）と標準偏差（1試合あたり0.033本塁打）を考えると、今年のシーズン通しての被打率は1.083～1.148の範囲に収まると予想される。 1試合あたりの本塁打は1.116本で、このレンジの中央は昨年から7.6%減少し、両極端は4.9%と10.3%である。

この範囲であれば、パンデミック後に見られたような対前年比の変化はないだろうが、それでも詳しく調べる価値は十分にある。 では何が起こっているのか？ 攻撃レベルや奪三振率のばらつきは、打球の数を減らし、ホームランの数を減らすことができるが、4月に見られたようなこと（得点力は低いが、奪三振率もわずかに低い）を考慮しても、1試合あたりの飛球数は、昨年（6.65対6.57）よりも今年の4月の方が多い。 以下は、今季と最近のフルシーズンの数字の比較である：

2018年以降のフルシーズンStatcastフライボールデータ

最終的な平均抗力係数（0.3417）は2022年（0.3469）よりも低く、0.0052の減少は21年から22年の増加（0.0058）にかなり近かったが、変化は逆方向だった。 2023年との比較では、今シーズンの増加ははるかに小さい：

シーズン別推定平均抗力係数

シーズン推定 平均ドラッグ係数 変化
2018 0.3374 +0.0028
2019 0.3279 -0.0095
2020 0.3410 +0.0131
2021 0.3411 +0.0001
2022 0.3469 +0.0058
2023 0.3417 -0.0052
2024 0.3426 +0.0009
出典 ベースボール・サヴァン

そのSavantのdashboardによると、"一般的な経験則として、抗力係数が0.01減少すると、出口速度100mileの打球の飛距離は約5ft増加する（0.01増加すると、打球の飛距離は5ft減少する）"。 2019年から短縮された20年 seasonへの変化を除けば、どの年次変化もその閾値には達しておらず、今回の変化は一桁小さい。 報告されたデータに基づくと、抗力の変化は、特にMLBのボールの仕様の公差が緩いことで有名なことを考えると、我々が見ているものを説明するには十分ではない。 抗力は年によって変動するが、その変動は個々のシーズン内で観察されるボール間の変動に比べれば小さい......この小さな差に比べ、抗力係数の標準偏差は大きい" と、このページは指摘している。

抗力だけでなく、湿度レベルの影響を受けたボールの反発係数や重量の変化も、ボールの挙動に影響を与えます。 2022年には、前年は10球団しか使用していなかったヒュミドールの使用が全30球団で義務化され、クアーズ・フィールド以外のすべての場所のヒュミドールは、温度70度、相対湿度57％に設定されている（クアーズでは62％）。 しかし、湿度レベルはシーズンを通して変化するため、このようなコントロールを行ってもCORも変化する。

ウィルス博士は2024年製の野球ボールを集めて解剖を始めているが、今のところ、ボールが変化したことを示唆する十分な証拠はない。 ウィルズ博士は、近年のMLBの透明性の欠如を批判しているが、FanGraphsの取材に対し、「このような系統的な違いは、ある生産サイクルから次の生産サイクルに移るときに起こるようです。 これは、サプライヤーの入れ替わりや機械の改修に伴うものです」。 それ以外にも、気温、湿度、風、その他の環境要因の変動が、平均飛距離の比較的小さな変化や、打ち出し角やスプレー角などのパフォーマンス要因の変動に寄与している可能性がある。

これらは、まだ seasonが始まったばかりである事を物語っている。 最近の歴史を見れば、これまでのような極端な変化ではないにせよ、今年はリーグ全体の本塁打率が昨年より下がるを知るには十分なデータがある。 そして、リーグ本塁打率に対する評価は主観的かもしれないが（誰もがより多くの本塁打を望んでいるわけではない）、トラウトがすぐにでも復帰し、彼の小さな役割（同様に、ジャッジやマット・オルソンのようなスタートが遅い野手たち）を果たし、これ以上本塁打率が下がらないように望むのは妥当だ。